【特集】神と石油と暴力と~世界の鍵を握りつつ、混迷を深める中東特集

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 2013年の「シリア危機」再びか――

 6月に入り、イラク情勢が緊迫の度を増している。スンニ派の武装組織・ISIS(イラク・シリア・イスラム国)がイラク第2の都市モスルから北部の主要都市ティクリートまでを制圧し、首都バグダッドに迫っている。

 イラクのマリキ政権は米国に対して空爆の実施を要請。オバマ大統領はイラクに軍事顧問300人を派遣し、空爆の可能性も排除しないとの考えを示している。

 このイラクの混乱で思い出されるのは、2013年8月に突風のように吹き荒れたシリア危機だ。シリアの首都・ダマスカス郊外でアサド政権側が化学兵器を使用したとして、米国とイギリスは軍事介入の動きを強めた。英米の空爆に向けた前のめりの姿勢はロシアのプーチン大統領の巧みな外交術によって退けられたが、シリアの内戦自体はいまだ収束していない。

 今回のイラク危機では、スンニ派であるISISの台頭に危機感を募らせるシーア派のイランと米国が協力関係を結ぶなど、従来では考えられなかった「ねじれ」とも呼べる現象が起きている。

 シリア、イラク、イラン、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、エジプト…。複雑極まる中東情勢をいかにして理解すればよいか。IWJがこれまでに取材したアーカイブを一挙ラインナップ。

岩上安身インタビュー

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