高橋和夫氏「何でそんなにイスラエルの首相が威張っているのか?もちろん、アメリカの大統領になる人は、イスラエルを支持している人からたくさんお金をもらっているというのが大きい」!! ~1.15「ガザ以降の中東と世界」―講演:高橋和夫氏(放送大学名誉教授) 2026.1.15

記事公開日:2026.1.21取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

特集 中東
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 2026年1月15日午後6時30分より、東京都千代田区にて、「現代を聞く会」の主催により、放送大学名誉教授の高橋和夫氏による講演「ガザ以降の中東と世界」が行われた。高橋氏の講演終了後には、会場の参加者と高橋氏による質疑応答も行われた。

 IWJでの岩上安身による高橋和夫氏インタビューは、ぜひ、以下のURLからご視聴いただきたい。

 また、高橋氏はYouTubeやX(旧ツイッター)、ブログなどを通じて、精力的に情報発信を行なっている。

 講演の冒頭、高橋氏は、中東情勢の大きな流れの中におけるイスラエル・パレスチナ問題の現状について、以下のように解説した。

高橋氏「1999年のパキスタンの核実験の絵(動画)を御覧ください。

 パキスタンは、『対インド』ということで核実験をやったんですけれど、今、そのパキスタンが核兵器を持っているということが、中東で大きな意味をもっています。(中略)

 ガザでジェノサイドがあって、もう26~27ヶ月経つのですけれど、中東では、ある意味、イスラエルの軍事的覇権が確立されて、それを何とかしようということで、トルコとかパキスタンを中東にもっと引き込もうという動きがあります。

 もう一つは、イスラエルは、軍事的には、本当に成功を続けてきたんですけれど、国際的には、本当に孤立していく、『勝てば勝つほど、孤立する』という状況があります。

 まずはガザのお話ですけれど、『ハマスの根絶やし』ということで、過去26ヶ月間にわたって、イスラエルが激しい攻撃を加えて、ガザのほとんどが破壊されて、ほとんどの人が難民になって、もう7万人以上が、少なめに見積もっても死んでいる、という状況があります。

 『ハマスの根絶やし』ということで、これが正当化できるのか? という国際世論の疑問を受けているわけです。『いつまでこの殺戮が続くのだ』というところで、去年の秋にトランプさんが和平案というのを出してきて、20項目とか、普通、こういうのは3項目、5項目とかなのですけれど、(トランプ氏は)限度を知らない人で、『基本的には停戦』という話なんですね。

 それで、何とか『撃ち方やめ』というところまで来たわけです。

 基本的には、撃ち方をやめる。双方が捕まえている人質を返す。ガザから一部撤退する。それから、ガザに食料なんかを入れる。というのが、第1段階。

 それから、第2段階は、もっと恒久的な和平を、ということなんですね。

 相互の人質の解放というのは、もうほぼ完了しました。だから、イスラエル側も、たくさんパレスチナ人を押さえていたんですね。それを解放する。ハマスの方も、人質を返す。

 それで、亡くなった方の遺体を返す、ということで、ただ、一体だけ、ひとつだけ、一人だけ、御遺体がどうも、たぶん見つからないんですね。深くに、瓦礫の下に埋まっていて、『まだ帰っていない』と。イスラエル側は、それが不満と、そういう状況です。

 ガザからのイスラエル軍の部分的な撤退というのも、大体ガザの半分ぐらいから撤退しています。だから今、イスラエルがガザの56%とかぐらいを押さえているんですかね。(中略)

 物資は十分入っているかというと、決して十分ではないんですけれども、前よりははるかに入っている。だから、『明日にでも餓死する』という雰囲気ではないと思います。ただ、期待していたものの3分の1ぐらい、という感じですかね。

 で、何で和平、というか、停戦が発効したのかというと、それは、トランプがネタニヤフに圧力をかけたからですよね。ハマスの方は、撃たれっぱなしですから、早く止めたいと思っていて、ネタニヤフはとことん戦争を続けたいと思っており、そこで、トランプが言ったのは『お前、テレビを見てみろ』と。

 『お前の国の国民だって、「和平だ」って、これだけデモしているぞ』、『お前、世界中から嫌われて、世界と戦争するわけにいかないだろう』と。

 こういうことで、トランプが圧力をかけて、ネタニヤフが嫌々引き受けた、ということですね」

 トランプ氏とネタニヤフ氏は、トランプ氏の第1期政権時から強力な同盟関係にあり、互いに強い連携を示してきたが、高橋氏は、その2人の関係性について、以下のように解説した。

高橋氏「アメリカの大統領とイスラエルの首相の関係というのは不思議でして、アメリカは人口3億4000万の超大国で、イスラエルは人口1000万人ですが、イスラエルは毎年、毎年、アメリカから5000億円とか6000億円の援助をもらっていて、普通なら、イスラエルの人が『お願いします』と行くところなんですけど、これまでは、イスラエルの人がすごく威張ってたんですね。(中略)

 だから、クリントンさんなんかは、ネタニヤフ首相と会談して、『どっちが超大国なんだよ!』ってぼやいていたくらいなんですよ。

 何でそんなにイスラエルの首相が威張っているのかというと、もちろん、アメリカの大統領になる人は、イスラエルを支持している人からたくさんお金もらっている、というのが大きいですよね。

 それから、アメリカの議会に対する──議員さんも、たくさん、イスラエルからお金をもらって、イスラエル支持の人からお金をもらって当選していますから、イスラエルが議会ですごく影響力があるんですね。だから、イスラエルに嫌われたら、法案は通らないんですよ。

 ただ、トランプさんは、議会に対してすごい力が強い。

 要するに、議員さんでトランプさんに反対したら、共和党の人は、次の選挙の時に、もう予備選挙の段階で刺客候補が出てきて、落とされるから、トランプさんが怖くて、共和党の議員さんは何も言えないんですね。

 それもあって、トランプさんは、すごい力が強いわけです」

 講演、および質疑応答の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画 前半・講演

■全編動画 後半・質疑応答

  • 日時 2026年1月15日(木)18:30~20:30
  • 場所 貸会議室・内海 2階教室(東京都千代田区)
  • 主催 現代を聞く会(詳細1詳細2

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