2021年1月17日までの報告で、感染者数、死亡者数ともに桁違いに多いとされる南アフリカで発見された変異株「501Y.V2」は、ワクチンが効かない可能性が指摘されている。日本をはじめ、ワクチン頼み一点張りの国々には打つ手がなくなるかもしれない、恐るべき報告結果である。
さらに、英国の変異株やブラジルの変異株にも、ワクチン等が効かない可能性も指摘されている。
こうした現状を背景に、IWJは厚労省に、南アフリカの変異株や英国の変異株を検出する体制について直撃質問したが、回答は、効率的サーベイランス体制はまったく未整備という現状だった。
厚労省の担当者は「変異株の面的広がりはない」と言うが、わずか1453検体の検査から英国と接点のない、感染経路不明の変異株感染者がたまたま見つかっているのであり、大規模な社会的検査を行おうとしない日本においては、すでに水面下で急速に変異株が広がっている可能性が否定できない。「面的広がりはない」という言葉には何の根拠もない。
英国では、たった3か月で英国全土で旧来株が変異株に置き換わり、政府が「制御不能」を宣言するはめとなった。しかも変異株には前述のように、ワクチンが効かない可能性もあるのだ。GoToトラベル再開や五輪開催の妄想に溺れている菅政権は、危機意識が薄いどころか、皆無である。日本の真の「緊急事態」は、このような政権が成立して、今も継続していることにある。

▲南アフリカ・ケープタウンの観光スポット、ビクトリア&アルフレッド・ウォーター・フロント(写真:Wikipedia、Andreas Tusche)