伊勢崎賢治氏「世界平和のために『緩衝国家』だからこそできる役割があるはずだが、岸田政権では真逆のことをやってきた。これに対して、僕は日本の防衛の観点から非常に危機感を覚えている」~10.7 れいわ新選組 次期衆議院議員選挙 公認候補予定者発表会見 2024.10.7

記事公開日:2024.10.9取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材、文・浜本信貴)

 2024年10月7日、午後2時より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、れいわ新選組 次期衆議院議員選挙 公認候補予定者発表会見が行われた。

 会見冒頭、れいわ新選組・代表 山本太郎 参議院議員より、あいさつがあった。

山本代表「災害大国日本におきまして、被災地切り捨てたまま、置き去りにしたまま、解散総選挙という狂った状況です。

 それに加えまして、30年の経済災害、これもあわせて国民が疲弊している中、予算委員会さえも開かず補正予算さえもこれは組まれないという異常事態。

 ここにおいて、私達、れいわ新選組はさらに候補者を発表するということを今日やらせていただきたいと思います」。

 続いて、2024年10月4日のれいわ新選組役員会で公認が決定された、次期衆議院議員選挙の候補予定者17名が発表された(※1)。すでに発表されている11名をあわせると、合計28名となる。

(※1)次期衆議院議員選挙における、れいわ新選組公認候補予定者決定について(2024.10.7れいわ新選組公式ウェブサイト)

 この日発表のあった17名の候補予定者は、北から順に、以下のとおりである。

のむらパターソン和孝氏(比例北海道ブロック)
佐原若子氏(比例東北ブロック)
にとうべとうま氏(山形県第2区・比例東北ブロック)
大林まさひで氏(宮城県第4区・比例東北ブロック)
辻村ちひろ氏(埼玉県第5区)
高井たかし氏(埼玉県第13区・比例北関東ブロック)
加川ゆうみ氏(茨城県第3区)
伊勢崎賢治氏(比例東京ブロック)
長谷川ういこ氏(比例北関東ブロック)
梅村忠司氏(比例東海ブロック)
上村英明氏(比例東海ブロック)
冨谷こうすけ氏(静岡県第6区・比例東海ブロック)
ミサオ・レッドウルフ氏(千葉県第14区・比例南関東ブロック)
やはたオカン氏(兵庫県第8区)
細井俊希氏(比例中国ブロック)
ライト 光氏(比例四国ブロック)
民田森夫氏(比例九州ブロック)

 以上の17名である。

 注目は、平和学研究者、東京外国語大学名誉教授、そして、「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」(※2)の呼びかけ人であり、比例東京ブロック単独の候補予定者である伊勢崎賢治氏だ。

(※2)自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会

 伊勢崎氏は、次のように自己紹介をした。

伊勢崎氏「どうも、伊勢崎賢治でございます。僕は国連や日本政府という、日本政府の代表という立場で国際紛争の現場で働いてきた実務家であります。

 東京外国語大学というところで教鞭を執り、平和構築という分野を教えてきました。

 同時に防衛省の統合幕僚学校という堅苦しいところで、陸海空の自衛隊の精鋭たちを10年以上にわたって教えてきました。安全保障の専門家でもあります。

 非戦、つまり戦争に抗い、いかに戦争を回避するか、僕のアプローチは、歴代の日本政府、これは旧民主党政権も含みます、歴代の日本の政権とは正反対のものであります。

 でもしかし、防衛省の中には、そういう僕の講座を維持してきた人たちもいるということ、これを忘れてはいけません。実際に命をかけるのは、政治家でも官僚でもなく、彼らですから。

 僕はれいわを通じて、日本の外交防衛政策を正す。これは日米地位協定の改定も含みます。残りの人生をそこにかけるつもり、れいわにかけるつもりであります。よろしくお願いします」。

 候補予定者17名のあいさつ、自己紹介に続いて、質疑応答の時間となった。IWJ記者は、伊勢崎氏と山本代表に対し、次のような質問を行なった。

IWJ記者「よろしくお願いします。伊勢崎さんと山本代表に1問ずつ質問です。

 (伊勢崎氏への質問)ウクライナ戦争について、ロシアのウクライナ侵攻をもって、ロシアを一方的に非難し続けることにより、極東において、中国、北朝鮮だけでなく、ロシアとの軍事的緊張を高め、結果的に対ロ外交を悪化させた岸田・上川外交について、現状、何らかの総括が必要だと思うんですけども、つまり国民への説明責任を果たすということですけど、その点についてご意見があればお聞かせください。

 (山本代表への質問)先の自民党総裁選、また立憲民主党の代表選でもあまり言及されなかったことなんですけども、新型コロナ(mRNA)ワクチン接種による健康被害の現状について、代表の認識をお聞かせください」。

伊勢崎氏「先程、ウクライナ戦争の開戦直後に、早期、できるだけ早い対話と交渉と、停戦に持ち込むために、国連というものに最後の頼みを託すと、そういう趣旨の表明を出されたのは、党首としては、山本代表が唯一であります。

 しかし、党首じゃありませんが、有力な政治家の中で、実は僕と一緒に、同じような発言をまとめた人があります。

 二人います。そのお二人が、今の首相と防衛大臣です。はい。これは僕の著作にも書きました。まったく同じ趣旨で、つまり、日本の国益、そのお二人は、日本の国益を本当に真摯に考える。

 当時は、ですよ。今は役職に就きましたから、それはまた別の話です。

 で、そこなんですね。日本は、どれだけアメリカについて、ロシア・中国を敵視する、『悪魔化する』(のか)ですね。

 両方とも、アメリカと同じように超大国ですから、くしゃみをしただけで、我々は風邪をひきます。そういう意味で、警戒はしなきゃいけないという意味では、同じなわけでありますけれども、アメリカは何千キロも海の彼方で、中国・ロシアは、我々の隣人であります。そこだけ、そこは違いますよね。

 だけども、海の彼方から、我々にアメリカがささやく。

 つまり、『あいつらに気をつけろ。あいつらは悪魔だ』。

 それにまんまと乗って、我々が、例えば、沖縄で武装を、重度の武装をしてミサイルを仮想敵国に向けることが、果たして日本の国防にとっていいのか悪いのか。

 多分、今から皆さんが考えなきゃいけない。メディアの人も考えてください、これを。よろしいでしょうかね。

 つまり、敵国の一番近いところで怖いからといってミサイルを向けるっていうのは、ガキの発想です。…すみません。子どもに失礼ですね。バカの発想です、それは。バカでもできる発想です。

 いいですか、バカでもできるんです。そんなことは。

 でも、敢えてそうしないで、敵国の目の前にいるからこそ、アメリカの仮想敵国の目の前にいるからこそ、アメリカと本当の戦争にならないように、対話の役目を果たす、緩衝の役目を果たす。それを『緩衝国家』って言うんですけれども、そういった実例は、北欧諸国にあります。

 NATOの創立メンバーでありながら、例えばノルウェーみたいな国ですね。ロシアと隣接しているんですよ。国境を見てください。日本の沖縄のように武装していますか? してませんよ。そういう防衛のやり方もあるわけであります。

 もちろん、ロシアの政治的な信条とかとはバッティングします。僕も自由が大事だと思っています。民主主義が大事だと。ロシアは民主主義の国家ですからね。いいですか、独裁国家ではありませんからね。いいですか。ちょっと違う民主主義かもしれませんけれど。

 でも、しかし、世界平和のためにそういう『緩衝国家』だからこそできる役割があるはずなんです。で、残念ながら、この自民党政権はそれと真逆のことを、特にこの岸田政権において、真逆のことをやってきました。

 これに対して、僕は大変に日本の防衛の観点から非常に危機感を覚えています。

 まあ、石破さんに対する期待というのは、今のところはちょっと発言を控えますが、野党としてできること、それが『れいわ』に、僕が人生を託す理由でもあります」。

 続いて、山本太郎代表からも回答があった。

山本代表「ありがとうございます。G7と足並みをそろえて、ロシアに対して経済制裁を行うというのは、これは自分達から敵国になるって言っているということですから、こんな愚かなことないですよ。すべての立場を捨てることになっちゃう。もう対立することにしかならない。

 目の前にロシアがあって、目の前に中国があるという現実も含めた上で考えるのが、外交防衛なんですよね。

 だとするならば、当然、ウクライナに対して、ウクライナとの戦いに関して、『これはやめようや』と言える唯一の近隣国というような立場を、やはり、つくっていくべきだったのに。

 残念ながら、なんでしょうね。『自分も西側諸国の一員になりたい』というような、ある意味で、そういうものへの憧れというか、そういう部分が大きく表れた。『対米従属』を強化するということで、逆に言えば、自分達の首を絞めることになってしまっている。

 第2ラウンドが東アジアにならないような、やはり私達も動きをしていかなきゃいけない、というふうに思っています。

 ワクチンのお話がありました。当然、コロナワクチンというのはですね。国が『打て打て』と。

 逆に言ったら、公衆衛生という部分においての、『この感染症の拡大をいかに止めるか』ということに関しては、全然力が入れられなかったわけですね。

 逆に言えば、『ワクチンさえあれば何とかなる』というような一本槍。これで戦おうとしたってことです。

 これ、あまりにも無責任なんですね。だって効くか効かないかは、後にならなきゃわからないじゃないですか、ってことです。

 しかも、開発期間はものすごく短いです。従来のワクチンに比べて。それを考えると、やはりリスクは上がってしまいます。結果、リスクは上がったんですね。

 で、それを考えるならば、当然、多くの被害者、ある意味での重い副反応というものに悩まされる方々が、人によっては命を失う人も出てくるということを、予測しなければならないんですよ。

 一方で、国の対応はどうかというと。これは例えばですけれども、亡くなった方を看取った医師などが解剖をされて、『これはワクチンの影響では?』『これはワクチンの影響だろう』ということになったにもかかわらず、それが認定されずに補償もされないということが起こっています。

 無茶苦茶ですね。考えてみれば、これはワクチン問題だけじゃないです。ある意味でさまざまな分野に関して、テーマに関して、もうこの国は壊れている。事実上終了しているような国になってしまっている、という状態だと思います。

 ここに対して、因果関係というものがはっきりと証明されなくても当然、これは補償・賠償していくと。『支えるんだ』と。打つ前と打った後では大きく変わったというならば、やはり、そのようなフォローの仕方をしていくということが国の信頼につながるわけだし。

 次に感染症が広がったときの、社会防衛を考えたときの国の提案というものに対して、さらに人々の疑念を生むような状態を、今、放置してしまっているということに対しては、憤りしか感じない。そういうところです」。

 記者会見の詳細については全編動画でご確認下さい。

■全編動画

■IWJ記者からの伊勢崎氏回答シーン

■IWJ記者からの山本太郎氏回答シーン

  • 日時 2024年10月7日(月) 14:00〜
  • 場所 衆議院第一議員会館 地下一階 大会議室(東京都千代田区)
  • 主催 れいわ新選組

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です