21日、シリアの首都ダマスカス郊外で化学兵器が使われたとされる問題を巡り、アメリカ、イギリス、フランスを中心とする欧米諸国は軍事介入を行う姿勢を強めている。アメリカのケリー国務長官は26日、報道陣に対し声明を読み上げ、化学兵器がアサド政権側により使用されたと断定。「責任を取らせる」と語り、攻撃の準備を進めていることを明かした。地中海東部には、すでに米海軍のミサイル駆逐艦4隻が配備されている。
緊張が高まるなか、シリア情勢に詳しい東京外国語大学の青山弘之教授は、岩上安身のインタビューに応え、「アサド政権側が化学兵器を使用した証拠は今のところ存在しない」と指摘。アメリカ、イギリス、フランスは、状況証拠を積み重ねてアサド政権を批判しているに過ぎない、と語った。そのうえで、「軍事行動により、アサド政権を倒すこともできなければ、化学兵器を取り除くこともできない。合理性がないし、そもそも成果が期待できない」と述べ、軍事行動に前のめりな欧米諸国の姿勢を批判した。