中東の民衆運動は「グローバルな資本主義システム自体の危機」 専門家らが指摘 2013.9.28

記事公開日:2013.9.28 テキスト動画
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(IWJ・松井信篤)

特集 中東

 「アラブの春」と呼ばれる中東の民主化運動が起こってから2年。そうした動きはシリア、イラン、トルコなど周辺諸国に飛び火し、今なお血なまぐさい対立を継続させている。シリアでは、アサド政権と反体制派との戦火によって、犠牲者は10万人を超すという。

 不安定化の一途をたどる中東情勢について、28日、専門家らがこうしたパレスチナ周辺国の政治体制や、民衆運動と国際諸国の動きについて、講演会を行った。主催したのはJAPAC(日本・パレスチナプロジェクトセンター)で、彼らは特定の政党や宗教その他団体の枠を超え、パレスチナの人々との様々な交流を通し、彼らの自由と独立を支援していくことを目的としている。講演会は「パレスチナ第2次インティファーダ連帯集会」と銘打ち行われた。

 中東・イスラム研究者である板垣雄三氏(東大名誉教授)と、バルカン近現代史を研究している佐原徹哉氏(明治大学教授)の両名が招かれ、中東地域の人々がどのような考えの下に生き、どのような苦難を浴びながら生きているのか、トルコやアラブ諸国にある深い怨念なども含めて、「現代の情勢動向を形作っているものは何であるか」に焦点を当てて行われた。

■ハイライト

  • コメンテーター 板垣雄三氏(中東・イスラム研究者、東大名誉教授)/佐原徹哉氏(バルカン近現代史、明大教授)
  • 司会・進行 足立正生氏 (JAPAC)

「アラブの春」という言葉で一緒くたにできない

 板垣教授は「アラブの春」という欧米のメディアが作った言葉について、「地図上でエジプト、リビア、チュニジアを一緒に塗りつぶしてしまうのは、アラブ世界で起こってきた変化というものを誤解させる」と述べた。加えて、「シリアで起こっている事に関しては、アラブで起こっている革命を潰す為のレジュームチェンジの動きである」と指摘した。

トルコはずっと民主主義だった

 佐原教授は「『グローバル化の中における国民国家の危機』という現象は、『グローバルな資本主義システム自体の危機』でもあり、国民国家が出してきた『緩衝剤』としての機能が失われた時に出てくるのであろう」と前置きしたうえで、今年5月のトルコの民衆運動について「あたかも、エジプトやチュニジアで起こったような『民主主義を求める大衆の運動』と報道されたが、トルコが決定的に違うのはずっと民主主義だった」と指摘。「トルコのエルドアン首相は『挑発的に通りに出て抗議するのではなく、投票箱で勝負しよう』と言っていた」と語った。

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