内戦が続くシリアの平和回復を求め、21日、東京の明治学院大学白金キャンパスでシンポジウムが開かれた。共催したのは、明治学院大学と、青年海外協力隊や明治学院大学の学生を中心として設立された有志の団体「シリア支援団体サダーカ」。同団体は、世界最大級のインターネット署名プラットフォーム「Change.org」で、シリアの内戦停止を呼びかける署名運動を行っている。
この日のシンポジウムに出席した「サダーカ」代表の田村雅文氏は、シリア国内から脱出した難民の多くが生活するヨルダンの現状を紹介。「シリア人はもちろん、難民を受け入れるヨルダン人も疲れきっている」と述べ、内戦の早期解決を訴えた。
外務省所管の財団法人「中東調査会」研究員の高岡豊氏は、シリア国内でアサド政権側と対立する反政府組織「国民評議会」「国民連合」の実態を紹介。トルコやエジプトなど、主にシリア国外の勢力が実権を握っていると語った。
8月21日、シリアの首都ダマスカス郊外で化学兵器が使用されたとされる事件をめぐり、アメリカ、イギリス、フランスの3ヶ国を中心とする有志連合が、一時、シリアへの武力介入の動きを強めた。この事態に関し、高岡氏は「日本も立派な当事者」と強調。「日本はG20で、アメリカとともにアサド政権を批判する共同声明に加わった。日本政府も反政府組織に肩入れし、内戦の激化に貢献している」と語り、日本政府の対応を批判した。