2018年6月12日、米国のトランプ大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、シンガポールで史上初の歴史的な米朝首脳会談をおこなった。
しかし、首脳会談実現までには何度も紆余曲折があった。これまでの経緯を改めて振り返ってみよう。
5月16日には北朝鮮側が米韓合同演習を理由に、韓国に南北閣僚級会談の無期延期を通告。さらにボルトン米大統領補佐官が北朝鮮の非核化について、段階的な非核化ではなく、一気に非核化する「リビア方式」の採用を主張したことに対し、「米国が一方的な核廃棄を強要し、我々を追い詰めようとするなら、我々は対話への関心を失い、今回の首脳会談に応じるかどうか再考せざるを得ない」と、朝鮮中央通信が金桂冠(キム・ケグァン)第1外務次官の談話を伝えた。
5月24日には、トランプ大統領が金委員長に書簡を送り、ペンス副大統領を「無知で愚か」と述べた北朝鮮当局者のコメントを取り上げ、アメリカに対する激しい怒りと敵意の中での会談実施は「現時点では適切でない」として、米朝首脳会談を中止するとの意向を通達した。
北朝鮮情勢を巡って世界中が注目する中、毎日のように状況が変化していた2018年5月17日、中東情勢が専門でありながら、視野が広く、世界情勢や米国政治を複眼的に分析することのできる放送大学の高橋和夫名誉教授に、岩上安身がインタビューをおこなった。
2018年3月8日、韓国大統領の特使がワシントンでトランプ大統領に金委員長からのからのメッセージを伝えて以来融和ムード一色だった朝鮮半島情勢が、急に暗転したことに対して高橋氏は「トランプは中間選挙前に米朝会談の成果をあげたい。北はその足元を見ている」と分析。「もともと首脳会談を提案したのは北朝鮮側。ふっかけて中止をちらつかせても、ほんとうに下りるとは考えにくい」とコメントした。
このインタビューでは、米大統領選でのトランプ大統領の支持者に関して、米国内に8000万人もいるというキリスト教福音派とユダヤロビー、さらにはキーパーソンとして、トランプ氏に多額の資金援助をする有力な支持者であり、同時にイスラエル国籍も持つ、ネタニヤフ政権支持者のシオニスト、カジノ「ラスベガス・サンズ」オーナーのシェルドン・アデルソン氏という富豪の存在にまで話がおよんだ。
※イラン核合意から離脱しエルサレムに大使館を移したトランプ政権の「異常」な中東政策はキリスト教福音派の預言成就願望とユダヤロビーに答えたもの!?〜岩上安身による高橋和夫名誉教授インタビュー18.5.17
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