「民主党を破壊し、トランプをアシストするために、虐殺を激しくやった。パレスチナの人たち、アメリカ国民に、民主党の無能を自覚させるため、ネタニヤフの仕事は続いた」~11.9 浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア」講座「パレスチナとともに米大統領選後の中東」~登壇: 重信房子氏(元日本赤軍) 2024.11.9

記事公開日:2024.11.14取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

特集 中東

 2024年11月9日、午後2時より、東京都千代田区のたんぽぽ舎にて、「浅野健一が選ぶ講師による『人権とメディア』講座『パレスチナとともに 米大統領選後の中東』」が行われ、講師として、元日本赤軍の重信房子氏が登壇した。

 重信氏が、浅野氏によるこの「人権とメディア」連続講座に登壇するのは2回目である。1回目の講演(※)は、2023年12月25日、今回同様「たんぽぽ舎」にて、「イスラエル(ネタニヤフ政権)によるジェノサイドを許すな」と題して行われた。

 重信氏は、米国の中東政策について解説する中で、次のような見解を述べた。

重信氏「アメリカ政府の中東政策は、停戦を求める世界の声を拒否し続けてきました。ここに書いてあるように、10月18日、去年、安保理決議をアメリカが拒否権で否決しました。それから10月23日、12月8日、それから今年に入っても、ガザ地区の即時停戦をアメリカは拒否しました。

 それから、4月18日にもパレスチナを国連の正式な加盟国にするよう勧告する決議案を、アメリカは拒否権を行使して葬りました。このときには日本は、パレスチナが国家として国連の正式な加盟となることを賛成していました。

 2024年5月には、アメリカ政府はイスラエルに10億ドルを超える規模の武器を送る計画を議会に提出したり、軍事費ではすごい額で、これ以上出せないというぐらいの額を提供していることが記されています。

 アメリカ大統領の新しい中東政策は、どうなるでしょうか。先ほど示した資料に入っているトランプ時代の政策の上に、どのようなことが行われていくんでしょうか? 今後のトランプ時代には、イスラエルに有利に、暴力的に迅速にガザ虐殺や破壊の上の停戦が進む可能性がある。

 民主党(のもと)では、(パレスチナ人達は)穏やかにゆっくりと死を迎えたかもしれないけれど、トランプ時代には新しい暴力的な動きにもっとなるのではないかというような、パレスチナ人達が考えているのはそういうことですね。ネタニヤフは、トランプのもとで停戦をすることになるでしょう。

 民主党を破壊する、または、トランプをアシストするために、すごく虐殺をひどく激しくやったんですね。

 そのことによって、パレスチナの人達が、またはアメリカ国民が、民主党の無能さというものを自覚させ、そしてそこにトランプへのアシストとして票が行くようにネタニヤフの仕事は続いたんだと思います。

 トランプは最初から、これまでネタニヤフのやりたい仕事を最後までやらせろと発言していたんですね。ですから、今後は、今度はネタニヤフがトランプ政権を立てる形で停戦を有利にしようとするし、それから、一番考えられるのは、サウジアラビアの皇太子やトランプと非常に親和的な勢力を中心にしてアブラハム合意(※アブラハム和平協定合意:アラブ首長国連邦とイスラエル国間における平和条約及び国交正常化のための外交合意)という、先ほど言った合意をさらに拡大させて国交を樹立するというふうな方向に持っていこうとするでしょう。

 で、何が起こるかというと、基本的には、国連とイスラエルの利害が対立し、国連でイスラエルは孤立していたのですけれども、逆にネタニヤフ政権に対して、トランプが援護射撃する形で、国連との利害の対立、それから国際秩序、国際法だとか、ジュネーブ条約だとか、いろいろなこれまでの価値基準そのものに対する反乱として起こっていく可能性があります。

 その分、逆に言えば、パレスチナの人達は、もう地獄のような時代を経てきたけれども、流動、新しい動き、その中で人民革命をやるしかないというふうに、アラブの人達と連携して、パレスチナ、レバノンで今イスラエルに虐殺されているけれども、それを超えるような形での人民連帯、国境を超えた連帯というのをつくって立ち上がらざるを得ないし、そこに希望をまた見出すように戦う、というふうに話しています」

 重信氏の講演の詳細については、全編動画でご確認いただきたい。

■全編動画 前半

■全編動画 後半

  • 日時 2024年11月9日(土)14:00~16:00
  • 場所 スペースたんぽぽ(東京都千代田区)
  • 主催 たんぽぽ舎(詳細

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