本日16時半頃より、シリアでの邦人拘束事件について、岩上安身が、中東問題に詳しい元同志社大学神学部教授・中田考氏に緊急生インタビューを行いました。
シリア北部アレッポで発生した、「IS」(イスラム国)とみられる武装勢力による日本人男性拘束事件について、Twitterで積極的に情報を発信している、中東情勢に詳しいジャーナリスト・西谷文和氏に電話で話をうかがった。西谷氏は現在、アフガニスタンのカブールで取材を行っている。
【西谷氏のツイート @saveiraq 】
湯川さんがシリアのアレッポで拘束されたようだ。ISISに捕まっている。残忍な集団だ。大変心配している。
— 西谷文和 (@saveiraq) 2014, 8月 17
どうやら最悪の事態になったようだ。3時間ほど前に湯川さんが処刑された模様。ISISのオマールというヤツが発信している。
— 西谷文和 (@saveiraq) 2014, 8月 18
湯川さんがカメラとともにガンを持っていたのが殺害の原因のようだ。シリアは誰もが疑心暗鬼になっていて、銃を持っている湯川さんは、人質として留め置かれず処刑されてしまった。銃は身を守ってくれないことがここでも証明された格好だ。皮肉なことだが。
— 西谷文和 (@saveiraq) 2014, 8月 18
処刑の理由は、彼のユーチューブ。AK47を撃っている映像がある。ISISの公式ステートメントで、ユーチューブ映像について述べられている。 民間軍事会社の宣伝用で流しておられたのだろう。ネットの映像を確認するのは、実は彼らの得意技なのだ
— 西谷文和 (@saveiraq) 2014, 8月 18
――湯川氏は既に殺されたという情報があるが
「ISISの広報官がツイートし、公式のステートメントでも処刑したと言っているが、まだその映像を確認したわけではないので、処刑された”模様”ということ。私のシリアの友人も、映像を確認していない。オマールというISISの情報官と、今、連絡を取れるかどうか試みている。
しかし、ほぼ、処刑されているとみて間違いないだろう」
――身代金の要求がなかったが、ISISの狙いは何だったのか
「ISISは結構お金を持っているので、身代金というよりも、自由シリア軍と一緒に行動している兵士として、捕まえたら殺す、ということ。
何らかの事情で、湯川さんが発見されてしまった。これはまあ、運が悪かった。ISISに、捕まったら、ほぼ、やられてしまう。タリバンよりもひどい奴らですから。だから、捕まった時点で、救出は難しかったと思う」
――湯川氏はPMC(private military company=民間軍事会社)を名乗っている。紛争地域で、各国のPMCはどのような活動をしているのか
「アフガンやイラクでPMCをたくさん見てきたが、日本にあるということは知らなかった。少数ながら、日本にも存在するということだと思う。
アフガニスタンもシリアもイラクもPMCだらけ。政府の要人は、何をするにもPMCを雇う。PMCがボロ儲けしている。
戦争というのは、街を壊してからもう一度作ることになるので、建設関連ビジネスが成り立つ。治安が不安定になればなるほど、こういう民間軍事会社が儲かることになる。そういう仕組なので、アフガンにしてもイラクにしてもシリアにしても、戦争をビジネスにしている人がいる、ということ」。
※シリア日本人拘束事件の速報記事