2026年3月9日、岩上安身は、ホルムズ海峡封鎖による、日本への経済的な影響について、エコノミスト・田代秀敏氏に緊急インタビューを敢行した。
インタビューは3分割し、2本目を3月12日に初配信した。
インタビュー(2)で、田代氏は、円、国際、株のトリプル安という事態を受けても、G7の中で唯一、イランと基本的に友好国である日本の高市早苗政権は、外交的努力もせず、石油価格の高騰に対して、備蓄の放出という火消しに走っているだけだと批判した。
岩上安身は、「1973年の第1次オイルショック、1978年の第2次オイルショックでも、ホルムズ海峡は封鎖されなかった」と指摘し、今回の事実上のホルムズ海峡封鎖によって、「過去の2度のオイルショックによる『狂乱物価』と呼ばれたインフレよりも、ひどいことが起こる」と、懸念を示した。
これに対して、田代氏は、次のように語った。
「第1次石油危機で、日本の高度成長が終わったわけです。
非常にまずかったのは、その歴史を、きちんと総括していない。僕が知る限り、第1次石油危機のことを扱った小説って、堺屋太一さんだけです(『油断!』1975年、日本経済新聞社)。
2番目に、日本の、特に金融機関の人達が、『石油危機』という言い方を嫌がって、『石油ショック』と言う。あくまで、一過性のショックだから、そういう時こそ、株式を買い進むべきだと。
『ショックが終われば、株価は戻るから、その時に備えて、下がっている今こそ、買いです』という感じで、石油ショック、オイルショックだと。
だけど、英語では『オイルショック』と言わないですね。『ペトロリアム・クライシス』ですね。本当の『危機』なんですよね。そして、危機になることを、避けてきた。
きちんと総括されてこなかった結果、一時期は、『原油調達の中東依存を減らせ』と言って、80%台までは下がったんだけど、いつの間にか、実は第1次石油危機の時よりも、もっと高い比率で、ペルシャ湾岸の油田に、日本は依存しているんです。
そのことを、問題とすら思わなくなっていた。
そういった知的怠慢のツケを、今、一挙に払わされようとしているということです。
そして、今後、どうなるか?
英語のメディアを読めば、『ウォー(戦争)』と書いていますが、日本のメディアは『戦争』と言わないですよね。『イラン情勢』とか、せいぜいが『紛争』。
でも、やっていることは、『戦争』ですよね。だってその証拠に、最高指導者の命を取ったんですから。
だけどそれを、『イラン情勢』とか『イランをめぐる紛争』と、柔らかい言い方をすることによって、何となく事態を軽いものにしようとする、心理的傾向が、よく出ていますよね」。
さらに田代氏は、次のように続けた。
「もっと言えば、ホルムズ海峡が封鎖された時、どうするかというプランBを、国家として持つことがなかったわけですよ。
そんなことが、本当に起きちゃったわけです。そうなると、ますます誰も責任を取りたくないから、だから、なるべく、『これは、一過性の問題』だと言っているわけです」。
続いて田代氏は、2月28日のイラン攻撃が、その4日前に全米で報じられた、エプスタイン疑惑から逃れるためではないか、との見方を示した。
2月24日(火)に、米国の公共ラジオ放送局『ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)』が、「『40年前にトランプから強姦された』と訴えていた女性の供述書を含む50ページの文書を、司法省はエプスタイン・ファイルから削除している」と報じた。
日本のメディアは無視したが、米国のメディアは騒然となり、MAGA(※アメリカを再び偉大に=米国第一主義を訴える、白人労働者層のトランプ支持者)達が、さらに騒ぎ出した。
田代氏は、「なぜ、これが経済学的に重要かというと、イラン戦争って、『出口』がなくなっちゃうんです」と述べた。
このあと、インタビュー(2)では、「イラン紛争の拡大・長期化は、繁栄を誇る湾岸諸国の食料安全保障に打撃!」というテーマについて、田代氏がドバイを訪問した時の映像を見ながら、検証した。
親米の湾岸諸国は、水も食料も外国からの輸入に全面依存しており、ホルムズ海峡封鎖によって海路が閉ざされ、空港閉鎖によって空輸もできなくなっている現在、飢えと渇きによって音を上げる日が必ずくる、というのである。






























