高市リスクから高市クライシスへ! 現在は、幕末、第二次大戦末期に匹敵する歴史的分岐点!~岩上安身によるインタビュー第1211回ゲスト エコノミスト 田代秀敏氏(その2) 2026.2.5

記事公開日:2026.2.6取材地: テキスト動画独自
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( 文・IWJ編集部)


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※26/2/9 テキスト追加

 第51回衆院選投開票日の前日2月7日、「投開票直前緊急インタビュー」として、2月5日に収録した「岩上安身によるインタビュー第1211回ゲスト エコノミスト 田代秀敏氏」(その2)を、撮りおろし初配信した。

 (その2)では、『日本経済新聞』が今年1月25日付で掲載した論説コラム「核心」の「忍び寄る財政破綻の足音 高市早苗首相、異論を封じるな」を紹介した。

 コラムを執筆した客員編集委員の大林尚氏は、「(高市政権の)経済財政政策は責任ある積極財政に名を借りた大盤振る舞いここに極まれり」「首相は『税率を上げずとも税収が自然増に向かう強い経済』の実現を繰り返すが、その実はインフレ税である」と主張。「月々の稼ぎや預貯金が思ったほど増えていない多くの納税者の懐に財務省が手を突っ込み、気づかれぬよう現金を奪っているのが現実だ。これは、財政破綻処理の初期症状ではないか」と懸念を示している。

 さらに大林氏は、現代において「政府債務の累増を問題視しない人々の主張」が、国民に戦時国債を買わせるために「すこしも心配は無い」と説明していたことと「似ていないか」と疑問を呈した上で、第2次世界大戦での敗戦で、(ハイパーインフレによって)戦時国債が紙くずと化し、政府が預金封鎖、新円切り替えといった「国民からの富の収奪という最も手荒な財政破綻処理」を実施したことを指摘している。

 田代氏は、「『日本経済新聞』が、実名での署名記事で、しかも明確な表現で、遠回しなことを言っていない。総理大臣に対して『異論を言います』と言っている」と述べ、高市総理の経済政策への懸念を示した。

 さらに田代氏は、この『日経新聞』のコラムは、「大事なこと忘れていて、財産税があった」と、次のように指摘した。

 「財産税によって、持っている財産の多くを、税金として没収しますと。

 例えば東京の古河庭園。あれは、古河財閥の当主が、財産税を払えないので、邸宅を物納した結果、公園になっているんです。こういうのが、いっぱい出てきたわけですね。

 そうやって、物の形にして財産を残していても、それもきっちり、特に金持ちほど、9割以上の税率で召し上げていった。そうすることによって、国家財政の破綻は、免れた。でもそれは、各国民を、デフォルトしていたということ。(中略)

 最も手荒な財政破綻処理をやったんですけど、今、その前段階に来ているわけです」。

 ハイパーインフレ、預金封鎖、財産税などについては、ぜひ以下の記事も御覧いただきたい。

 田代氏は、さらにこう続けた。

 「『インフレ税』というのは、納税者の懐に、国家が手を突っ込んでいる。

 今、税収はどんどん増えていっているでしょう? それは、当たり前ですよ。物価が上昇しているわけですから、当然、税収が増えるわけです。

 でもそれは、みんなの財布に国が手を突っ込んで、どんどん吸い上げているわけですよ。

 それはもう、敗戦後にやった(財政破綻処理の)第1段階ですよね」。

 田代氏は、政府のこうした強引な徴税は、「敗戦時に匹敵するぐらい、政府債務が累積しているから」だと指摘し、「自由民主党や、旧帝国大学がみんななくなってしまうくらい、よっぽどのことをしない限り、(財政破綻の)処理はできない」との見方を示した。

 最後に田代氏は、自民党が衆院選で圧勝し、円安と国債下落(金利高)が加速した場合の見通しについて、解説した。

 田代氏は、主要各国の10年国債(長期国債)の利回り上昇幅を表したグラフを示し、日本だけが、2025年10月24日を境に、突出して上昇していることを指摘した。2025年10月24日は、高市氏が総理大臣に就任した日である。

 「ここまで政府債務を積み上げておいて、『責任ある積極財政』だと。

 そういうわけのわからないことを言い出したので、それに見事に市場が反応した。

 日本国債の所有は、今でも日本人が主体ですけど、売買取引は、これは外国の金融機関が主体です。現物でもそうですし、先物、オプションとかだと、もうほとんど、外国の金融機関だけが取引します。

 だから彼らは、高市早苗総理の言っていることの英語訳された『ブルームバーグ』とか『ロイター』とかの記事を見て、評価している。(中略)

 そうすると、そういった冷徹な反応が、こうやって出てるんです」。

 「(10月4日に)高市氏が自民党総裁選挙に勝って以来、円は各主要通貨に対し為替レートを大幅に下落させている」という田代氏は、『ロイター』が報じた円の下落率を表したグラフを示し、以下のように解説した。

 「緑の線は、米ドルに対して、為替レートがどれだけ円安になったか。直近で、マイナス5.3%。わずか3ヶ月余りで、こんなに下がったんです。

 最も下がったのは、豪ドルです。豪ドルに対しては、高市早苗政権発足から3ヶ月余りで、何と、10.8%下落してるわけです。

 オージービーフを出しているレストランは、パニックですよね。わずか3ヶ月ちょっとで、仕入れるオーストラリア産の牛肉の価格が、円建てで見ると、1割上昇したわけですから。これは、もうちょっと、レストランが抱えられる水準じゃないですよ」。

 田代氏は、さらに次のように続けた。

 「この『ロイター』の記事のタイトルが、『エン・クライシス・トラッカー』『円の危機を追いかけよ』。その下に全部大文字で、『ザ・タカイチ・タンブル』。『タンブル』は、転げ落ちるという意味です」。

 高市早苗氏を救国の政治家のようにありがたがっているのは、日本国内だけで流通している「物語」である。海外の投資家から見れば、高市氏は日本経済を「転落」させつつある人物なのであり、そのように大きく報じられている、ということである。

 日本国内のマスメディア、あまたいる経済関連ユーチューバーらは、何を見て、聞いて、報じているのだろうか!?

 また、金利が上昇していることについて、田代氏は、日本の10年国債の先物価格の変動を表すグラフを示して、次のように解説した。

 「金融の世界にいない方からすると、金利が上がるならいいんじゃないか、という方もいらっしゃるんです。でも、金利というのは、長期国債の価格の裏返しで見ているわけです。(中略)

 2010年から、日本国債の価格は、バッと上がっていますよね。つまりアベノミクスというのは、日本銀行が怒涛の勢いで、日本国債を市場で買い上げていたから、国債バブルが起きたんです。

 国債バブルの裏返しとして、ゼロ金利が起きたわけです。

 つまり、国債価格が上昇すれば、国債の金利が下がる。その結果、ゼロ金利どころか、マイナス金利まで起こした。

 それが限界に達して、黒田総裁が退任し、植田総裁が出てくる。日本銀行は、怒涛の勢いでの国債の買い入れというのを、弱めていくわけです。買ってはいるんだけど、前のようには、どんどん買えない。

 そうすると、国債の需給は、買いが減るわけです。でも、相変わらず政府はお金がないから、どんどん国債を発行しますよね。そうすると、買いが少なくて、売りが一定だとしたら、当然、価格は下がります。下げないと買ってくれないですから。

 特に、パンデミック対策、コロナ対策で、膨大な国債発行したから、どんどん値下げして、売り込んでいくわけです。

 下げてきて、下げてきて、ここ(2025年10月)で、高市早苗総理が就任します。そこから先は、赤(色で示された、急降下の線)です。(中略)

 驚くべきは、わずか3ヶ月余りで、これだけ下げちゃったんです。これはもう、世界中が騒然となりますよ。

 しかもこれを見ると、どんどん下落速度が早まっているわけですね。

 裏返して言うと、長期金利、10年国債の金利は急騰していますよね。

 これを御覧になって、金利が上がることは良いことでもあるとおっしゃる方がいたら、びっくりです」。

 その上で田代氏は、この長期国債の抱える問題点を、さらに以下のように解説した。

 「この10年国債、10年たったら償還しなきゃいけないでしょう。でも償還するお金がもともとないから、『60年ルール』を作っていて、60年経ったら、その6分の1だけを償還して現金に変えて、残り6分の5は、新しい国債に借り換えちゃう。そうやってつないできているわけです。

 ところが、今、高市早苗政権の肝いりの日本成長戦略会議、あそこのメンバーになっているエコノミストの中には、恐ろしいことを言う人がいて、『償還しなくていいんだ』と。『全額、借り換えていけばいい』と。

 『あとの世代の負担にはならない』と言うんだけど、これはかなり暴論ですね。

 どう考えたって、これから日本は、急速に人口が減少していく。しかも、働き盛りの人口が、急速に、もっと早く減っていく。

 その上に、国債価格が下がってるわけですよね。ということは、2016年に発行された10年国債の償還が来るわけです。

 その時の価格を見てください。150でしょう。それが、今、130の価格でしかない国債で借り換えるとすれば、この20という差額分は、余計に国債を発行しなければならない。

 上昇局面であれば、この議論も、まだいいんですよ。より少ない金額の国債で買い支えられるから。

 でも、今、現状は逆ですよね。国債が下落局面にあるから、もっとたくさん発行して借り換える。

 借り換えられる方よりも、もっとたくさんの国債を発行しないと借り換えられないということは、国債残高は、雪だるまのように膨れ上がってくるわけです。

 そういうことを言う人を、政権内に抱えているから、余計、外国の金融機関は、日本国債を売り浴びせるわけです」。

■全編動画

  • 日時 2026年2月5日(木)18:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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