イスラム国に拘束され、24時間以内の人質交換に応じない場合、殺害すると予告されているジャーナリストの後藤健二さん。与えられた期限まで残り数時間となった1月28日午後2時半、後藤さんの母・石堂順子さんが緊急会見を開いた。
報道陣の前に姿をみせた石堂さんは、丁寧に深々と頭を下げた。この日、安倍総理、菅官房長官との面会を官邸側に求めたが、日程調整がつかなかったことを理由に断られたという。石堂さんは代わりに、官邸に次の申し入れ文を送った。
安倍晋三内閣総理大臣 様
健二のいのちを救って下さい。
ヨルダン政府との交渉に、どうか最後まで全力をあげてください。
残された時間はあとわずかです。
尽力をお願いします
- 日時 2015年1月28日(水) 14:30〜
- 場所 参院議員会館B107(東京都千代田区)
面談ならず「母親として残念」
▲健二さんの解放を訴える母・石堂順子さん
石堂さんは会見で、官邸に面談を断られたことを「母親として残念に思っている」と話した。
「健二は幼い頃から心の優しい子どもだった。健二はいつも中東の子どもの命を救いたいと言っていた。それが今回の救出に行ったことで、本人には逆に(裏目)出てしまった不幸を、母親としては残念に思うとともに、二度とこういうことが起こらないことを切に願っています」
石堂さんはまた、ときおり涙を浮かべながら、「健二はイスラム国の敵ではない。中東の話題が出ると、いつも中東の子どもたちに思いを馳せていた」と健二さんの様子を振り返った。