ジャーナリスト後藤健二氏の救出をめぐり、2015年1月28日(水)19時から、総理官邸前で「FREE KENJI!イスラム国に拘束された後藤健二氏の解放を訴える緊急アクション」が行われ、150人の市民らが、後藤氏らの生還、そして平和を静かに訴えた。
情報が錯綜し、イスラム国や政府、あるいは後藤さん達を罵る意見もネット上で飛び交う中、風が冷たい夜にも関わらず、ツイッター等での急な呼びかけに駆けつけた150人は、シュプレヒコール一つあげず、ただ、生還を、平和を、静かに訴えた。
(IWJ・細井正治)
特集 中東
※1月30日テキストを追加しました。
ジャーナリスト後藤健二氏の救出をめぐり、2015年1月28日(水)19時から、総理官邸前で「FREE KENJI!イスラム国に拘束された後藤健二氏の解放を訴える緊急アクション」が行われ、150人の市民らが、後藤氏らの生還、そして平和を静かに訴えた。
情報が錯綜し、イスラム国や政府、あるいは後藤さん達を罵る意見もネット上で飛び交う中、風が冷たい夜にも関わらず、ツイッター等での急な呼びかけに駆けつけた150人は、シュプレヒコール一つあげず、ただ、生還を、平和を、静かに訴えた。
記事目次
■ハイライト
※以下、発言要旨を掲載します
フリー田中龍作氏「ジャーナリストの立場で(この場で)話していいのかわかりません。危なくなっても最後まで残って真実を伝えてきたのが後藤さんのようなフリーランスのジャーナリストです。
イスラム国のみなさん、聴いてください。アメリカ寄りでなく、イスラム世界の立場から、伝えてきたのが後藤さんです。どうか、あなたたちのためにも、後藤さんを生きて還してください。お願いします」
翻訳家・池田香代子氏からのメッセージ(代読)「私たちは未だ、湯川さんが亡くなったショックから立ち直れていません。さらに、後藤さんやヨルダンのパイロットが亡くなるようなことがあれば、平和を心から求める日本の人々として耐えられません。今は心を1つにして、無事解放されることを祈るばかりです」
精神科医・香山リカ氏からのメッセージ(代読)「日頃、政府の方針を批判することもある私ですが、こういう時はひたすらお願いするしかないのです。ヨルダンや過激派組織との交渉がうまくいき、後藤さんが無事帰れますように、官邸の皆様、どうか宜しくお願いします。そして私も、皆様と心を1つにしてお祈りしています」
映画監督・森達也氏からのメッセージ(代読)「僕たちは今試されているのだと思う。だからあきらめない、絶対。願いの声をあげよう。きっと届く」
男性「政府には、ヨルダン政府などと高度な外交努力をしてほしいと思いますが、1つ、どうしても外せないことは、国民の命が危険にさらされたという事態には、安倍政権の失態があったということ。
今回(人質の)2人が拘束されたのは昨日、今日の話ではなかったわけです。なのに、急に身代金や人質交換がないと殺害という話になってしまったのは、タイミング的に明らか。そうした問題点、おかしなことに国民一人ひとりが気がついていかなければ」
別の男性「安倍さんは今回、巨額の税金を『イスラム国などとの闘い』のためでなく、『人道支援』でお金を出すのだと言いましたが、難民の受け容れ、支援などを見ても、本当に中東と交渉・交流をする気があるのか、戦争したいのではないかと心配。誠心誠意やって、2人を返してほしい」
社会民主党・福島瑞穂議員(以下、福島・敬称略)「今日(1月28日)は私にとっても本当に長い一日でした。できること何でもやろうと。後藤さんのお母さん・石堂順子さんも、事務所にみえ朝からずっと一緒に、いろいろな方面へはたらきかけて、24時まで頑張りたかったようですが今帰られました。
ここにいるすべてのみなさんの思いが、釈放につながると思います。日本は70年間、外国で人を殺したり殺されたりしてこなかった国です。『平和憲法』をしっかりもって平和を実現していく、みなさんと一緒に」
ヒューマンライツ・ナウ事務局長、伊藤和子弁護士「後藤さんは本当に中東の子どもたちのために、中東で平和が実現されるように頑張ってきたジャーナリストです。死なせてはならない。
日本にとって大事な瞬間ですから、大きな声をあげていきたい、それが中東へ届くことを願ってやみません。そして私たちが忘れてならないのは、中東では毎日毎日多くの人が亡くなっています。(パレスチナの)ガザでも、イラクでも、シリアでも。
イラク戦争以降、国際社会がこれだけひどい人権侵害を続けさせてきた。それがつながってきています。私たちの力が足りませんでした。本当に平和が実現するためにも、後藤さんには帰ってきてほしい。最後まであきらめず頑張っていきましょう」
(…会員ページにつづく)