岩上安身は2026年5月22日、日本安全保障フォーラム会長の矢野義昭元陸将補に、インタビューを行った。
矢野氏によれば、日本の自衛隊の「陸将補」という階級は、他国の軍隊でいえば「陸軍少将」に相当するとのことで、制服組のトップである。
岩上安身は、ウクライナ戦争が始まった2022年を振り返り、「捏造報道やプロパガンダだらけの中で、戦況をリアルに、客観的に論評していたのは、自分の知る限り、矢野さんだけだった」と紹介した。
また、矢野氏は、拓殖大学で安全保障学の博士号も取得している。「安全保障学の講座が少ないのは、日本の高等教育の大きな欠点」だと訴える矢野氏は、「基礎的な地政学や、軍事の基礎となる戦史、戦争学、安全保障学といったものを、高等教育できちんと教えるべきです。(日本では)国際法でも、戦時国際法を教えていませんから、かえって危ないです」と主張している。
矢野氏は、自衛隊の「研究調査部」という、情報機関から集まった情報を評価する部署で、ソ連東欧担当として、情報の分析や評価を行っていた。
3月27日に行われた、日露善隣協會会長・黒龍會会長田中健之氏による「ドンバス公式訪問報告会」に登壇した矢野氏は、ウクライナ戦争について、「戦争犯罪や国際法違反という点でも、日本の報道や西側の報道は実態を伝えていません」「どっちが善かという以前に、まずはファクト、事実を知ることが極めて重要です。その上に立って、日本の国益を踏まえてどう行動すべきかという戦略や判断をすべきだと思っております」と指摘している。
- 「トランプ大統領がイランにやったことは『侵略』じゃなくて何なのですか?」〜3.27 日露関係改善はイラン危機から日本を救う! ウクライナ戦争の実態 田中健之氏ドンバス公式訪問報告会 2026.3.27
また、大手メディアが、「主催者に騙されて議員会館の会議室をとった」という維新議員の嘘をうのみにして、裏取取材を一切せず、この報告集会を「親ロシア派集会のプロパガンダ」だとメディア・リンチを行ったことについて、田中氏らにインタビューを行っている。
矢野氏は、メディアによるバッシングについて、「厳しい報道管制が敷かれていると思います」と述べ、以下のように続けた。
「ウクライナの問題もそうですけれども、イラン戦争もそうですし、(新型コロナ)ワクチンの問題でも、同じようなことがあったんですね。
だから、よく『言論の自由』なんて言いますけど、実質的には非常に厳しい言論統制が敷かれていて、『言論の自由』が死文になっている、というのが実態だと思います」。
さらに矢野氏は、ウクライナ戦争のプロパガンダに対し、「日々の戦況報告のサイトを見れば、ごまかしようがない」と指摘した上で、大手メディアを次のように批判した。
「たとえば、『どこどこの政府が、こういう声明を出した』とか、そういう話はいくらでも脚色できるし、プロパガンダの対象になるんですよ。
そういうことを、大手メディアが言っていても、根っこのところで、情報発信のレベルで、ウクライナもそう、イスラエルもそうですけど、国が認定した1局だけしかメディアがないですからね。だから、根っこで検閲がかかった捻じ曲がった報道で、それで世界中に拡散されているだけなので、全部曲がった報道しか流れない。
一番問題なのは、その裏を取ろうとしないんです。(戦場に)入ったって、自由に行動できないですよ。だから、言論の自由、報道の自由のない全体主義の国の方が、好きなようにプロパガンダできる。
それが、いかにも『民主だ』『言論の自由だ』なんて美名を偽って、いかにもその旗手のように振る舞っているわけですよ。
それを見抜けないし、わかっていても報道できないと。こんな体たらくです。
報道自身が、自ら『報道の自由』を踏みにじっているじゃないですか」。
矢野氏の指摘は非常に重いものである。自由には必ず責任が伴う。「言論の自由」を唱えるならば、その自由にふさわしい「言論の責任」を、メディアも「有識者」らも果たすべきである。
どちらを応援するかどうか以前の問題として、客観的な戦況を読み誤るなど、論外である。




































