2026年2月23日、「2015年から2022年までドンバス戦争を現場でその目で見てきた元OSCE監視員が、ウクライナ戦争の『真実』を明らかにする! 岩上安身によるインタビュー第1209回 ゲスト 元フランス陸軍予備役将校(大尉)、元欧州安全保障協力機構(OSCE)監視員 ブノワ・パレ氏 第1回(その5)」を初配信した。
(その5)では、パレ氏の著書『What I Saw in Ukraine (ウクライナで見たこと)』の中から、2014年のユーロ・マイダン・クーデター当時の世論調査では、ウクライナ東部や南部で、「統一ウクライナを望む人は少数派だった」「74%は、暫定大統領(オレクサンドル・トゥルチノフ)を非合法とみなしていた」というデータが示された。
さらに、ウクライナ民族主義者によるロシア語話者の虐殺が激化する以前は、「ロシアとの統合を望む人は、少数派だった」という事実も示された。
パレ氏は、次のように解説した。
「(ユーロ・マイダン・クーデターについて、)西側で説明されていた、『腐敗した大統領、あまりにひどい統治を終わらせたい人々が、汚職をなくし、民主主義を求めて、ヤヌコヴィッチを追い出した』という『物語』は、ウクライナの人達自身が、現実をどう受け止めていたかとは、かなり違っていました。
確かに多くの人がウクライナの統治のあり方に不満を持ってはいたけれども、だからといって、ロシアへの編入を望む人が多数だった、ということでは決してなかったのです」。
パレ氏は、「もう一つの重要な点」として、人々の意識の変化をあげている。
「当初、(ドンバス地方の)多くの人々は、『連邦化』を希望していました。
これは別の国を作りたいという意味ではなく、『ウクライナ国内での分権化』を進めようという話でした。つまり、異なる地域ごとに、ある程度の自治権を持たせようという考えです。
つまり、ロシア語を話す人達は、キエフの中央政府の権力から、もっと自治を持ちたいと考えていたのです。彼らは、キエフが、ロシア語を話す自分達の権利に対して敵対的だと感じていました。
だからこそ、『自治』という考え方が出てきたのであって、独立を求めていたわけではありません。
でも、その状況は、次第に過激化していきました。
それは、ウクライナ政府が、デモ参加者に対して、非常に迅速かつ強硬に対応したからです。人々を抑圧すると、その抑圧以上の反発を生むことがありますよね。いわば、エスカレーションです。
こうして、ドンバス危機が生まれたわけです。
私が、本のために調査をした時、これがさらにはっきり理解できました。実際に現地に派遣されていた時にも、その一端を目の当たりにしました」。
さらにパレ氏は、ドンバスの住民による、キエフ政権への抵抗について、次のように指摘した。
「西側では、『ドンバスには反乱などなかった』『ロシアの侵略だった』と言われますが、実際の現場の状況は、主にドンバスの人々による、草の根的な反乱でした。おそらく、ロシアも手助けはしたでしょうが、あまりその必要はなかったのです。
多くの人々が、非常に憤っていて、自分達のアイデンティティが、中央政府によって脅かされていると感じていたからです。
彼らは、ヤヌコヴィッチ大統領が、クーデターで追い出されたと感じていました。
ヤヌコヴィッチはドネツク出身で、かつてドネツク州の知事も務めていた人物です。ですから、ドネツク州の人々にとって、自分達の代表である大統領が、こんな形で追放されたことは、とても腹立たしく、同時に屈辱的だと感じたのです」。
パレ氏は、「不満を暴力で押さえつけても、さらに不満を生むだけで、何も解決できない。ただ状況を悪化させるだけだ」と述べ、ウクライナ政府に、状況を悪化させ、戦争を始めた責任があると指摘した。
パレ氏は、「西側諸国の人達の多くが『最後のウクライナ人まで戦え』と発言するのを聞くと、考えさせられる」と述べ、以下のように続けた。
「なぜ、そこまでして、分離主義者達を排除したいのか? なぜ、そこまでして、彼らを押し潰そうとするのか? 彼らがいったい、あなた達に何をしたというのか?
フランスやドイツ、スペインに住む人達に、彼らが何かしたのでしょうか? 私達(ヨーロッパ人)は、関係ないはずです。
なぜ、彼らを殺すことに、そこまで関わらなければならないのか? 彼らは、私達に、何の害を与えたのでしょうか?
それどころか、ウクライナに対して、いったい何をしたというのでしょうか?
なぜ、ウクライナ西部は、彼らをそのままにしておけないのか?
本当に、非常に深い問いが、いくつも浮かんできます」。
パレ氏は、「なぜ、意味もないのに、しかも人間として考えれば理解できないのに、ウクライナにさらに戦争を続けさせようとする人達が、こんなに多いのか?」と述べ、「立ち止まって考える必要がある」と強調した。






































