8月23日、イラン原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ報道官は、7月2日のイラン中部のナタンズのウラン濃縮施設で起きた爆発について、安全保障調査を行った結果、破壊工作だったことが証明されたと述べた。
- Kamalvandi: IAEA chief’s visit to Iran to focus on Safeguards issues(国営イラン通信、2020年8月23日)
(IWJ編集部 文責:岩上安身)
特集 中東
8月23日、イラン原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ報道官は、7月2日のイラン中部のナタンズのウラン濃縮施設で起きた爆発について、安全保障調査を行った結果、破壊工作だったことが証明されたと述べた。
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カマルバンディ報道官は、国営イラン通信を通じて、ナタンズで爆発があったことは確かだが、どのようにして起きたのか、どのような爆弾が使われたのか、などの詳細については、安全保障担当者が適切な時期に発表するだろうと述べた。
この7月2日のナタンズの爆発については、7月15日付のニューヨーク・タイムズが、米国と中東の情報当局者の話として、米国とイスラエルによる1年がかりの秘密作戦だったと伝えている。この爆発でイランの核開発計画は、2年は遅れると情報当局者たちは語ったというのである。
ナタンズの爆発について、15日付ニューヨーク・タイムズは、次のように伝えている。
「ナタンズのイラン最大の核施設で起きた爆発事故は、遠心分離機を組み立てていた建物を損傷させた。そしてこの爆発はイスラエルの破壊工作が原因であるとされている。
また、2つの発電所での爆発、化学工場での塩素ガス漏れ、テヘランの軍事施設のミサイル製造工場での爆発もあった」
イランでは6月26日にテヘラン近郊のミサイル製造施設での爆発が報じられて以降、今回のナタンズの核関連施設での爆発以外にも、7月19日には中部イスファハンの発電所で爆発と北西部タブリーズ近郊の工場での火災がそれぞれ報じられた。
軍事施設に加え、造船所や石油化学工場、発電所などの経済インフラを支える重要拠点で、詳細不明の火災や爆発が6月26日から7月20日のほぼ1ヶ月間に10件以上発生しているのである。
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