マスクをしない客の入店を断った警備員が射殺されてしまう米国社会!民主党支持層と共和党支持層でマスク着用義務化をめぐって米国社会が分断! 米国にとってマスクは命がけの問題! 2020.8.2

記事公開日:2020.8.2 テキスト
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(IWJ編集部)

 ミシガン州でマスクをしていない客の入店を断った警備員が射殺されるという事件が5月に起こった米国。トランプ大統領もついに、7月11日に公の場でマスクを着用するようになったが、ずっとマスクの着用を拒否し続けてきた。「たかがマスク、されどマスク」。米国のマスク嫌いは政治問題でもあり、11月の大統領選挙にも影響を与えている。

▲トランプ大統領(米議会図書館: Library of Congressより)(Library of Congress、2016)https://www.loc.gov/item/2017645723/

記事目次

米国社会のマスク嫌い

 米国社会には、マスクを着用することを「弱々しい」と嫌ういびつな気風が存在しているようだ。マスクの着用の義務化に対して反対デモが起こり、銃撃事件まで起こるのが米国という社会である。日本人からすると、理解しがたいことだが、「たかがマスク」ではすまされない。

 マスク着用と、着用の義務化に賛成か反対かという問題は、ほぼそのまま民主党支持か共和党支持かという政治的な分布図と重なっている。マスクは単なる感染防止の手段ではなく、国家と個人の関係、個人の自由という米国人の生き方の根っこにまでつながっている象徴的な問題のようである。その意味で、米国社会にとって、マスクは銃と同じ意味を持っているとも考えられる。

米国社会におけるマスクをめぐる動き(1)ニューヨークでマスク着用を義務化するまで

▲ロックダウン中で人影の消えたニューヨーク、タイムズスクエア(撮影 Paulo Silva、Unsplashより)

 ここで、米国のマスクをめぐる直近の動きを振り返ってみたい。

 中国で新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2月、米国政府対策チームのアダムズ軍医総監は、「マスクを買ってはいけない。一般人にとってコロナウイルスを予防する効果はない」と言っていた。米国だけではなかった。世界保健機関(WHO)でさえ、4月6日に公表したマスク使用に関する「暫定指針」で、健常者がマスクを着用することによる予防効果の証拠はないと主張していたのである。

 6月5日、WHOは、新型コロナウイルス感染拡大阻止のためのマスク利用の指針を改定し、流行地では公共交通機関利用時など人同士の距離を取ることが難しい場合、他人に感染させないためにマスク着用を推奨すると表明した。

 6月8日、米国でそれまで最も感染被害の大きかったニューヨーク州がようやく都市封鎖を解除した。米国では、ニューヨークでの感染が抑制されたことで、警戒が緩んだものと思われる。

 6月20日、トランプ大統領は、コロナ危機に対応して中断していた大統領選挙戦を再開、オクラホマで大規模集会を開催した。参加者には会場に入る前に検温を実施し、マスクを提供するとしたものの、多くの参加者はマスクをしていなかった。マスクをしないことこそが、トランプ大統領を支持することの表明にもなっていたのである。

 3月に入って、カリフォルニア州とニューヨーク州で新型コロナウイルスの感染が拡大し、19日にカリフォルニア州、23日にニューヨーク州が都市封鎖に踏み切った。4月3日に至ってやっと、米国疾病対策センター(CDC)が、マスクの着用を推奨したが、トランプ大統領は「自主的な措置で、義務ではない」「自分が着用するとは思わない」と反発した。

 4月上旬、ニューヨーク州は1日あたり1万人前後の新規感染者を記録し続け、感染拡大のピーク期を迎えた。4月16日、クオモ知事は公共の場所で他者と6フィート(約1.8メートル)以上の距離を確保できない場合、マスクなどの着用を義務づける知事令を発令した。

米国社会におけるマスクをめぐる動き(2)マスク着用を巡って射殺事件が起きる

▲銃、米国には民間に約2億7000万丁の銃があるとも言われている(撮影 Thomas Def、Unsplashより)

 5月1日には、オクラホマ州スティルウォーター市で、商店内でのマスク着用を義務づける命令が出されたが、市民の激しい反対を受けて、わずか数時間後に撤回されるという事件があった。

 5月4日には、ミシガン州でマスクをしていない客の入店を断った警備員が射殺され流という事件が起こった。米国では、マスクをしない者をとがめるということは、命がけの行為なのである。

米国社会におけるマスクをめぐる動き(3)ジョージ・フロイドさん事件が起きる

▲ブラック・ライヴス・マター運動(撮影Jacky Zeng 、Unsplashより)https://unsplash.com/photos/6ZeSn5jZzjU

 5月20日、50州の最後にコネチカット州で制限が緩和され、クオモ知事がニューヨーク州内の一日あたりの新規入院者数が3月のロックダウン(都市封鎖)以前の水準を下回ったと発表、ニューヨーク周辺での感染爆発が落ち着いてくると同時に、都市封鎖の解除を求める声が高まった。

 ミネソタ州でアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警官に首を膝で押さえられてなくなったのは5月25日、まさにこの時期であった。

 ジョージ・フロイドさん事件を受けて、ブラック・ライヴス・マター運動が激化、都市封鎖解除を求めるデモとともに、多くの人々が街頭にあふれた。それによってさらに感染も拡大していったものと思われる。

米国社会におけるマスクをめぐる動き(4)マスク着用がついに大統領選にも影響を及ぼす

▲ジョー・バイデン氏(wikipediaより)

 5月26日には、民主党大統領選候補となることがほぼ確実であるバイデン氏が、決してマスクをつけようとしないトランプ大統領を「完全なばか者」と罵り、トランプ大統領とマスクをめぐるののしりあいを繰り広げた。

※これはIWJ日刊ガイド2020.7.22日号~No.2869号に掲載された記事を加筆・修正したものです。

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