日本時間2月1日午前5時頃、イスラム国は、後藤健二氏と見られる男性を殺害したとする映像を投稿した。イスラム国がヨルダン政府に求めた死刑囚釈放の期限が過ぎ、後藤氏解放の行方が懸念された中での突然のニュース。政府は、映像の信憑性は高いと見ており、安倍首相は1日朝の声明の中で、「非道、卑劣きわまりないテロに強い怒りを覚える。テロリストたちを決して許さない。罪を償わせるために国際社会と連携する。日本がテロに屈することは決してない」 とする見解を示した。
これまで、拘束された邦人の無事を願い市民によるアピール行動が連日行われてきたが、1月30日にも首相官邸前で、後藤健二さんと、ヨルダン人パイロットのムアーズ・カサースベ氏の解放を求める緊急アクションが行われた。
吐く息が白くなるほどの寒さの中、約100人の参加者が集まった。後藤氏解放の願いが届かなかったのは極めて残念な結果だが、この日、参加者が寄せたそれぞれの想いをここに、記したい。
「『テロ』が現実に起こるとは思ってなかった。安倍政権が取ってきた『戦争ができる国』にするという政策が、こういう形で現れたのではないか」
70代の女性は、後藤さんの解放を願うとともに、安倍政権がこれを機に、対テロ戦争に向けた武力路線を加速させるのではないかと、今後の先行きを案じた。
友だち同士で参加したという20代の男女も、それぞれの思いを口にした。
20代女性「集団的自衛権や自衛隊派兵、憲法改正などいろいろ動きがある。これから、戦争に向かって前進してくのではないかという怖さがある」
20代女性「今まで、外国人が対象だったが、今回は、日本人がオレンジの服を着ている。これまで身近ではなかった『テロ』が近くに迫ってきていることにショックです」
20代男性「(今後、自衛隊が派兵される可能性について)自衛隊の人たちはどういう思いで行くのか。今、起こっていることを前に、もう一度考え直す機会になるのではないかと思っている」