IWJ記者が、米国とイスラエルによるイランへの「予防攻撃」の「法的正当性」と「日本の国益」について見解をたずねるも、茂木大臣はイランの核開発に責任があるかのように一方的に非難! 他方でイスラエルの核保有は黙認!!~3.3 茂木敏充 外務大臣 定例会見 2026.3.3

記事公開日:2026.3.5取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

特集 中東
※3/7テキスト追加

 2026年3月3日午後7時40分より、東京都千代田区の外務省にて、茂木敏充外務大臣の定例会見が行われた。

 会見冒頭、茂木大臣から、イラン情勢への日本の対応について、報告があった。

茂木大臣「昨晩(3月2日)、イラン、そして、イスラエルの大使、個別であります、それから、周辺国の大使、もしくは臨時代理大使と面会をいたしました。その件については、既に発表させていただいた通りであります。

 同時に、昨日、イスラエルから退避を希望する邦人について、5名の方、退避の支援を行いまして、無事ヨルダンのアンマンに到着したと。この件についても、既に発表させていただいた通りであります」

 他社の記者からは、イラン情勢について、「戦争長期化の可能性」「邦人保護」「イランの核開発」などについて、質問があった。また、「フランスの核戦力増強」「カーニー・カナダ首相の訪日」についても、質問があった。

 IWJ記者は、イラン情勢について、以下の通り質問した。

IWJ記者「イラン情勢について、うかがいます。

 イランには、米本土を直接攻撃する能力がなく、差し迫った危険性もないにもかかわらず、将来の危険性を理由に、体制転覆を目的とした先制攻撃を行うのは、国際法が禁じている予防攻撃であり、決して正当化できないことは明らかだと思われます。

 現在は、戦争抑止のための国際法や国際秩序が瓦解するかどうかの歴史的分岐点だと考えます。

 また、石油危機の再来は、狂乱物価の再来をもたらすと思われます。

 日本の国益の観点から、また、法的正当性の観点から、このたびのイランへの攻撃を、茂木大臣は、どのように御覧になっているでしょうか」

 この質問に対し、茂木大臣は、次のように答弁した。

茂木大臣「今、既に、先ほどの質問でお答えさせていただいたことで、今の質問にはすべてお答えしていると思います」

 事実上の無回答、回答拒否である。

 ちなみに、茂木大臣は、他社の記者からの、「日本として、イラン攻撃を支持できるのか?」との質問に、「イランによる核兵器開発は、決して許されない」と、あたかもイランによる核兵器開発が明白な事実であったかのように、イランのみを一方的に非難している。

 さらに茂木大臣は、「日本は、イランが核兵器を追求しているとするその主張を、どのような根拠にもとづいて行っているのか?」との質問に、「イランが核濃縮を進めていたことや、国際原子力機関(IAEA)との完全な協力に応じていなかったことは事実」だと強調した。

 また、「イスラエルの核兵器に対する日本の立場は?」との質問に対しては、「イスラエルは、自国の核兵器保有を確認も否定もしないとの方針をとっていると承知している」と、イスラエルが核兵器を保有していることは明らかなのに(否定していないことが何よりの証左)、イランに対する態度とは、正反対の甘い姿勢を示した。

 その一方で、「我が国は、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきた」「米・イラン間の核協議は、イランの核問題の解決のために極めて重要であり、我が国としては、これを強く支持してきた」と言いながら、核協議の最中に、国際法も米国の国内法も無視して、「予防攻撃」を行った米国とイスラエルに対しては、非難も、法的正当性に対する疑念の表明さえも、一切なかった。

 IWJ記者の質問は、このたびのイスラエルと米国によるイラン攻撃が、国際法が禁じている「予防攻撃」であること、そして、イランへの攻撃が、ホルムズ海峡の安全を脅かし、世界の原油供給網に危機をもたらすことによる物価高騰リスクについて指摘した上で、イラン攻撃の「法的正当性」と「日本の国益」について、茂木大臣の見解をたずねたものである。

 しかし、茂木大臣は、上記の他社の記者への答えで「すべて答えた」と、具体的な答弁はなかった。日本をも襲うであろう石油危機についても、懸念も示さず、早期の和平を求めるとの表明もしない点には、驚きを禁じえない。

 会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

■IWJ記者質問シーン

  • 日時 2026年3月3日(火)19:40〜
  • 場所 外務本省会見室(東京都千代田区)

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