【特集】IWJが追ったTPP問題 (2014-2013)

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特集TPP 2016-2015|特集TPP 2014-2013

 IWJでは、TPP問題について、旧民主党の菅政権の頃から、TPPを慎重に考える会を始め、キーパーソンへのインタビューや抗議行動など、繰り返し取り上げてきており、いまでは、TPP関連の記事数も590本を超えます。これらは、ほとんど既存メディアで報じられることはなく、IWJがほぼ独走して報じてきたものです。

 そのすべてを、特集ページとしてまとめました.。

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記事ピックアップ (2014-2013)

 なぜ、JAは解体されようとしているのか──。岩上安身は、このように問いかけ、「衆院選でも参院選でもJAは安倍政権を応援したのに、その安倍政権に殺される。その理由は、安倍政権を分析してもわからない。なぜなら、JA解体の意思はワシントンD.C.、ウォール街にあるからだ」と語った。

 「大西英男が取材を受けました、2013年5月14日の放送内容について閲覧させていただくか、もしくはデータをいただきたい」――。
 自民党・大西英男衆院議員の政策秘書の方からIWJ事務所にそう問い合わせがあったのは、11月17日のこと。安倍総理が記者会見で衆院解散を発表した前日でした。私が大西英男議員にインタビューした映像を確認したい、との依頼です。
 秘書の方が言うには、2014年10月30日付の日本農業新聞のコラム「万象点描」で、私が大西議員の発言を引用して書いた記述が気にかかったのだそうです。大変あわてている御様子だったのは、安倍総理の解散の発表直前という時期だったためなのでしょう。
 日本農業新聞は読者層のほとんどが農業関係者で占められており、私が取り上げた「TPP問題」には敏感な方が少なくありません。同紙のコラムを呼んだ読者から、大西議員の事務所に問い合わせが殺到したようです。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の首脳会合が11月10日、北京で開かれ、具体的な合意時期は示されなかったものの、「終局が明確になりつつある」などとした首脳声明が出されたと報じられた。

 環太平洋連携協定(TPP)の交渉で、甘利明TPP担当代表とフロマン米通商代表部(USTR)代表との閣僚協議が、2014年9月25日未明(日本時間)にワシントン市内で行われたが、話がまとまらずに終了した。次回の閣僚会合は10月25日にオーストラリアで開催され、日米の農産物関税をめぐる協議が一気に進展するのではないかと懸念されている。

 TPP締結により、日本国憲法の三大原則のうち二つまでが、完全に書き換えられる――。
 弁護士の岩月浩二氏はそう話す。国民主権は「投資家主権」となり、基本的人権の尊重は「企業基本権の尊重」となる。何よりも投資家の意向が尊重される国。人びとの生命や健康よりも、企業の利益追求が優先される世界。
 「TPPはグローバル企業による侵略で、国家の乗っ取り」。岩月氏は静かに憤る。

 2014年10月12日(日)18時より、山田正彦・元農水相と山本太郎・参議院議員を招いて「TPPを考える緊急市民集会」が札幌市内のかでる2・7で行われた。

 日本を売り渡す歴史的な譲歩が、密室で行われてようとしている。11月に開催されるAPECでTPP交渉の「大筋合意」を狙う日米両政府は、9月23、24両日、甘利明TPP担当相と米通商代表部のフロマン代表との間で会合を行った。結果は「物別れ」に終わったものの、日本側は相当の譲歩案を用意していたとの観測もある。
 問題は、日本側がどこまで譲歩を行うつもりなのか、現段階でどの程度両者のあいだで折り合いがついているのか、その一切が国民に開示されない「秘密交渉」である点だ。日本が歴史的な譲歩をしていても、それを国民は知ることができない。

 農林水産大臣時代から、いち早くTPPの危険性を見抜き、反対し続けてきた山田正彦氏は、「アメリカの制度に合わせて、国を作り変えることが、TPPの本質だ。環境も食の安全もアメリカ基準に統一させられる」と警鐘を鳴らした。
 2014年9月21日、福岡市中央区の福岡市民会館で、元農水相でTPP(環太平洋経済連携協定)反対の論陣を張る山田正彦氏と、山本太郎参議院議員を招いて、「9.21 山本太郎×山田正彦『本当の事しゃべっちゃいます』」が開かれた。会場から活発な意見が相次ぐ中、秘密交渉が進むTPP問題を中心に議論が繰り広げられた。

 大阪市北区・国労大阪会館で開催されたシンポジウム「ほんまにええの?TPP PART II~規制緩和が私たちのくらしに及ぼす影響を考える~」では、規制緩和とTPPが各分野に及ぼす影響について、雇用、中小商工業、医療、保育行政において報告・討論が行われた。

 三日月大造候補はTPPについて、「農業分野において不利な合意内容となった場合には、農家に対して経営支援策を講じるよう国に求めるとともに、近江米や近江牛の食味水準や品質の向上に向けて、県として支援を強化する」との考えを明らかにした。

 山田正彦元農水大臣は、福岡市で進められようとしている雇用特別区は、「2か月分の賃金を払えば、正社員であっても、いつでも解雇できるようになる」もので、「これまでの特区とは明らかに違う」と指摘。
 また、「TPPのISD条項は、最高裁判決をも覆すことができ、違憲である」として、TPP交渉差し止めを求める集団訴訟を計画中であると明かした。

 安田節子氏によると、長らく、遺伝子組み換え表記を不要としてきたアメリカでも、表示を求める運動が活発になってきているのだという。5月8日に米バーモント州で、遺伝子組み換え表示の画期的な州法が制定されたのは、成長ホルモン剤を投与され、通常のサケの2倍の速度で成長するサケを、FDA(アメリカ食品医薬品局)が認可したことが、きっかけになっていると説明した。
 加えて、TPPによる知的所有権の強化は、特許のある種子の交雑を受けた側が、特許侵害で賠償請求することが現実に行なわれていることを挙げ、生物特許と種子支配につながると警告した。

 6月3日(火)放送のテレビ朝日「モーニングバード!」で、レギュラーコメンテーターとして出演した岩上安身は、「ふなっしー」の偽物騒動に、TPP交渉に知的財産権の強化が入っていることで、著作権法違反をめぐる状況が変わる可能性を指摘。著作権の非親告罪化で、当事者がことを荒立てるつもりがなくても、捜査当局が著作権法違反で逮捕できるようになると解説した。
 「無邪気にコスプレを楽しんでいた人が、すぐに逮捕されて刑事犯になる、ということになりかねないと言われています」とコメントした。

 鳩山邦夫氏は、自身が 日露協会会長を務め、露政界とパイプがあることを前提に、「日本とロシアが仕事をしていく中で、北方領土問題は解決する」と分析した。
 またTPPに関して、食料が外国から買えなくなる時代が25~30年後くらいに必ずくると予測。TPPに反対する立場から、「食料自給率を100%に近づけることが大事だ」との持論を展開した。

“>2014/05/28 「TPP交渉ストップのためには、イラク派兵差し止め訴訟に範をとれ」 ~池住義憲氏から緊急提言


 5月19日、20日にシンガポールで行われたTPP交渉閣僚会合。現地入りした山田氏は、国際NGOのスタッフたちとの情報交換で、『日米間の関税交渉は、ほぼ合意しているのではないか』と指摘を受けたことを報告。
 「自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の会」元代表の池住義憲氏は、2008年4月17日、名古屋高裁でイラクでの自衛隊の活動を「違憲」とする画期的な判決が下されたことを挙げ、同様のやり方で、市民が日本政府のTPP交渉を阻止することが十分可能との見解を示した。

 オバマ大統領来日にあわせ、「TPP阻止国民会議」などが呼びかけ、衆議院議員会館前で座り込みの抗議が行われた。
 TPP阻止国民会議からは、元日本医師会会長の原中勝征氏や、山田正彦元農水大臣、首藤信彦前衆議院議員、北海道選出の民主党・徳永エリ参議院議員が参加した。
 北海道・茨城の農業団体の農民連も朝10時から座り込みに参加。また、この日は与党自民党からも、茨城選出の上月良祐参議院議員、同じく茨城選出の岡田広参議院議員、同じく茨城選出の新谷正義衆議院議員、田所嘉徳衆議院議員、千葉県選出で、自民党農水部会長の齋藤健衆議院議員らが参加した。

 オバマ氏の狙いとして考えられるのは、「停滞している医療やISDS条項といった分野の交渉に弾みをつけること」であるとワラック氏は語った。
 ケルシー氏からは、TPP交渉と並行し日本とオーストラリア間で協議が進むEPA(経済連携協定)に、「もし日本が他の国とよりよい条件で交渉したならば、オーストラリアにも自動的に同じ条件が適用される条項」(最恵国待遇)が盛り込まれているとの指摘があった。
 より良い条件を欲するオーストラリアが、TPP交渉で米国などと共に、日本に対してさらなる関税ゼロ圧力をかけてくることは必至だ。

 米NGOパブリック・シチズンのロリ・ワラック代表は、今回の来日でオバマ大統領が担う役割は、TPPの主導役を自認する日米の交渉の進展度合いを、他のTPP交渉参加国にアピールすることにある、と指摘する。昨年末と今年2月のシンガポール閣僚会合で、続けて合意に失敗したTPP交渉には、すでに「漂流感」が漂い始めているだけに、オバマ氏はTPP交渉をもう一度、勢いづかせたいと考えている、との見立てだ。
「TPP交渉での米国の対日圧力は、安倍首相が米国の要求をすべてのむまで弱まらない」――。今回の東京での日米協議で、大筋合意に至る可能性は低いとみる、ニュージーランド・オークランド大のジェーン・ケルシー教授は、こう断言した。

 馬総統は、「サービス貿易協定」について「撤回はない」と断言。国会を占拠する学生らに対し「違法行為だ。許せない」と言い切った。これに対し学生らも現地時間午後2時から、占拠する国会内で記者会見を開催。馬総統が対話に応じないことについて、同協定の内容の不平等さや、協定成立のプロセスの不透明さなどをあらためて批判した。
 馬総統は会見で、台湾の貿易自由化の遅れは、最も主要な競争相手である韓国に利することになり、この遅れが、台湾のTPPやREP(東アジア地域包括的経済連携)参加にも影響をおよぼす、と訴えた。

1.「TPP交渉とアベノミクス農政」
田代洋一氏(大妻女子大学教授/農業政策論)
2.「TPPに代わるアジア・太平洋圏の通商・貿易構想」
萩原伸次郎氏(横浜国立大学名誉教授/アメリカ経済論)
3.「TPPで暮らしはどうなる? 地域医療の現場から」
色平哲郎氏(佐久総合病院医師)、司会 金子勝氏(慶応大学教授/財政学・地方財政論)

 2月22日から閣僚会合が行われたシンガポールでのTPP交渉に関する報告と、パブリックシチズン・Brucu Kilic氏による知的財産分野に関する勉強会が、参議院議員会館で開催された。

 山田元農水相は挨拶で、「米パブリック・シチズンのロリ・ワラック氏の情報によると、参加各国や、米国内でも反対の声が強く、今年は妥結は無理だろうという。しかし中間選挙のあとは米政府は再び巻き返してくるだろう。TPPを叩き潰せるかどうかは今年一年にかかっている」と、TPP交渉の状況報告と今後の意気込みを語った。
 鳩山元総理は、「ベトナムに最近行き、枯れ葉剤の影響が今も続いていることを知った。この枯れ葉剤を製造したのがモンサント。それを除草剤に応用した。TPPの背後にいるのがこのモンサントだ」と指摘した。

 TPP交渉は現在、日米では農産品などの関税撤廃を巡って難航している。その溝を埋めるべく2月18日、大江博首席交渉官代理とカトラーUSTR次席代表代行が、都内で実務者協議(いわゆる日米並行協議)を始めた。甘利大臣は17日の記者会見で、米国に対して譲歩案を示す考えを示した。
 IWJは会見で、譲歩案を示す場合にその項目に関わる利害関係者や農業団体などに、事前に説明、協議、やり取りを行う予定はあるかどうかを聞いた。甘利大臣は「具体的に詳細な協議をするということは、少なくとも事前には予定していない」と、きっぱりと否定した。

 安倍総理は昨年5月17日、農業分野の成長戦略として、今後10年間で農業・農村全体の所得を倍増させる戦略を打ち出した。そのための施策として、この「企業の農業参入」が検討されているのだ。
 企業が農地を買いあさり、大規模なプランテーションを敷く。安価な労働力と、単一種の大量栽培により、利益をあげる。このように、大資本の利益のためだけに、その土地の文化や雇用や生活を打ち砕くのが、国家戦略特区であり、これは「聖域なき規制緩和」というTPPにもつながってゆく。

 山口千春氏(市東さんの農地取り上げに反対する会事務局長)は日本の製薬会社が作る薬が、副作用が強いため国内では使用が制限されているのに、アメリカでは認可されている例を挙げて、「日本がTPPを使って、アジア諸国に対して加害者になることもある」と指摘した。
 京都府京丹後市に、米軍のXバンドレーダー基地ができることに警鐘を鳴らしている、大湾宗則氏が登壇した。「今、自衛隊は、オスプレイなどの米海兵隊の軍備を買って、海兵隊の代わりになろうとしている。京丹後市にも米軍基地ができて、沖縄と同じことが起きるかもしれない。日本人はもう少し、目や心を開いて、危機感を抱いたほうがいい」と力説した。

 日本社会に、「食」をもキーワードにした格差拡大が始まる、というのである。内田聖子氏(アジア太平洋資料センター)からは、「TPPがスタートすれば、たとえば、残留農薬を巡る安全基準が、商売の障壁と見なされ、米国並みの緩い水準に引き下げられることが十分考えられる」との言及があり、TPP妥結後は、日本の低所得者層は、従来の日本の安全基準から外れた食品を、買わざるを得なくなる恐れがあることが伝えられた。
 佐久間智子氏(アジア太平洋資料センター)は、日本人の食生活は、すでに「輸入」に大幅に依存中で、しかも食料市場には投機マネーが流れ込んでいるため、価格が高騰しやすいことが指摘した。また、日本が外貨不足に根ざした食料輸入難に見舞われる可能性、つまりは日本の「飢餓国化」への懸念は、決して小さなものではないことも訴えた。

 すべての関税を撤廃するよう強硬な姿勢を示しているフロマン米通商代表に対し、日本側は農産品5項目の例外(聖域)を求めており、依然として関税分野の交渉は難航している。
 農産品の関税を巡っては、米国・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアの牛肉生産者団体が「農産品の関税撤廃に例外を設けてはならない」とする声明をまとめるなど、日本に対する風当たりは強い。
 日本側もTPPの地ならしと言われる「国家戦略特区」を拙速に推し進めるなど、日米双方で「早期妥結」への圧力が強まるのは必至だ。

 篠原孝衆議院議員が、次のように語った。「アメリカでは、昨年、200名近い民主党議員たちが、TPA(大統領に強い通商権限を与える法案)を通さないという書簡をオバマ大統領に送った。オーストラリアでは草案開示を上院で決議した」。また、「とにかく、草案を検討して議論すべき、ということで、7ヵ国(オーストラリア、カナダ、日本、マレ-シア、メキシコ、ニュ-ジ-ランド、ペル-。アメリカとチリは単独実施)が連携して、公開を求める書簡を共同提出することになった」と説明した。
 市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会の谷山博史氏は「情報公開にこだわる理由は、見えない不安と、解決策がまったくないこと。政府の交渉担当官は『国際交渉に秘密はつきもの』と言うが、こんな権威主義が当たり前になってしまった」と警鐘を鳴らした。

・子宮頸がんワクチン「承認」を軽率に進めた舛添氏
・舛添氏の「私も脱原発」は本当か?
・選挙の争点にならない「築地移転問題」
・田母神氏が撒き散らす「放射能で死んだ人はいない」という大嘘
・舛添要一氏のドメスティックでパブリックな問題
・「人間」という言葉が一度しか出てこない安倍総理の「特区」構想

 只友景士氏(龍谷大教授)は、TPP加盟後の米保険会社による民間医療保険の販売で、民間保険へのシフトという大きな動きが起き、結果的に国民健康保険制度が「財政的支柱」を失うシナリオについて警鐘を鳴らした。
 谷山博史氏(日本国際ボランティアセンター [JVC] 代表理事)は「MDGs(ミレニアム開発目標)」との関係性の尺度でTPPを語った。「2015年末までの達成を目指す目標の1つに、エイズなどの感染症を減らすことがあるが、『TPPを推進した場合、この目標の達成が難しくなる』と指摘する声が、国際NPO『国境なき医師団』などから聞こえてくる」と話した。また、東アフリカのモザンビーク北部で行われている、大規模農業開発事業について言及した。「日本が食料基地を確保するために、ODAを使って行っている。(掲げられている目的は、貧困の縮小や食料増産だが)、これにより地元の小規模農民から農地が奪われようとしている」。

 ウィキリークスが2014年1月15日に新たに掲載した、TPPにおける「環境」分野の交渉資料から三点に着目した。
 まずは、環境分野に関しては、「いかに環境規制を強化するか、実効性を高めるか」という議論が中心だということ。先進国が、規制強化に「積極的」な立場であり、途上国は拙速な規制強化に反対の立場、という構造だ。
 二点目は、環境分野については、意外にもTPP当事国が「公共性」や「透明性」を重視しているということである。しかし、実効性のある環境保全を進めるためには、TPP交渉全体をオープンにすべきだろう。
 三点目は、「補助金」の扱いについてである。ベトナム、ペルー、マレーシアが「化石燃料補助金」の削減に反対の立場であり、進国と途上国の経済格差による対立が、TPP交渉でも表に出た格好だ。大手メディア各紙の報道によると、世界でもっとも金額が大きい日本の「漁業補助金」は、「乱獲を助長する目的」ではないとして、撤廃の対象外になっている模様だ。

 岩月浩二弁護士(TPPに反対する弁護士ネットワーク共同代表)は、TPPについて、「狙いは関税ではなく、非関税障壁をなくすこと。条約という形で、国の法制度を変えるグローバル企業の企み」と解説した。また、「そのほとんどが企業側のステークホルダー(利益授受者)」と、食品の安全基準を決める立場にあるWHO(世界保健機関)を批判した。さらに、『超憲法的状況発生の危険』と指摘した韓国法務省の例をとり、ISD条項に警鐘を鳴らしつつ、「ISD条項で訴えられたら、憲法違反だと突っぱねればいい」と説いた。

 甘利明TPP担当大臣は「1月中に日米間の段取りはつけておかないと、全体はまとまらない」と、2014年1月22日からスイスで開かれるダボス会議に出席し、フロマン米通商代表と会談を行う意向を示した。早期決着を目指す米国が、一定の譲歩と引き換えに日本側へ強硬に譲歩を求めてくる可能性もあり、1月~2月の協議は最大のヤマ場になるとみられている。

 ともすれば視点や活動の方向性が分散しかねない「マルチイシュー」の方法を取るのはなぜなのか。インタビューでは、火炎瓶テツ氏が街頭でのスピーチを始めるきっかけとなったのは、イラク戦争だったというところから話が始まった。

 ウィキリークスがリークした、TPP交渉の内部テキストには、これまで伝えられている以上の「米国と世界の溝」が鮮明に書かれている。交渉が難航している、そのほとんどで、米国の横暴と、それに対する各国の不平が根底に存在し、議論の進展を妨げている様子が見て取れる。
 重要と思われる箇所の仮訳も掲載した。

 東京の日比谷野外音楽堂で開催された、反TPPを訴える大規模集会に、年内妥結に危機感を抱く多くの人々が集まった。冒頭で、「TPPは植民地主義の再来」と表明している、マレーシアのマハティール元首相からのメッセージが代読された。
 篠原孝衆議院議員、日本共産党の紙智子参議院議員、生活の党・鈴木克昌幹事長ら政党代表の挨拶の後に、「全村挙げてのTPP参加反対デモ」を開催し話題となった、長野県中川村の曽我逸郎村長がリレートークに登壇した。

 ジャーナリストで市民バイオテクノロジー情報室代表の天笠啓祐氏は、日本がTPPに参加すれば、日本では使ってはいけない成長ホルモン剤や、抗生物質を使った海外の食肉が貿易障壁となり、食品の輸入条件や、国内基準の緩和が行われることになると指摘した。また、2009年5月に発表された米国環境医学会のポジションペーパーの動物実験の分析から、遺伝子組み換え作物が、免疫システム、生殖や出産へ悪影響をおよぼすことが明らかになっていることをとりあげ、遺伝子組み換え食品の避け方を指南した。

 醍醐聰東大名誉教授は「環境、知財、関税分野では、むしろ米国の提案が孤立している現状もある。交渉をストップさせられる可能性は残っている」と訴えた。
 宇都宮健児元日弁連会長は「ISD条項」について、あらためて懸念を訴えた。また、IWJの石川優記者の「いよいよTPPと安全保障がリンケージされてきたのはないか」との質問に答えて、「米国は、安保問題ではなく多国籍企業の進出を容易にするために、中国を口実に使っている」と指摘。さらに「他方、最大の貿易相手国である中国に対しては、差し障りの無い事を言う」と、その二枚舌外交を厳しく批判した。

 神子島(かごしま) 健・東京大学助教(社会思想史、相関社会科学)の特別寄稿。

 山田正彦元農水相が手に入れたリーク文書で判明した、TPPでは漁業権が外資を含めた入札制度になる、という衝撃の事実を日本の水産庁や全漁連は「全く知らなかった」という。日本の小規模の漁業組合が、海外の巨大資本と入札で競り合うのは難しいと山田氏は語った。
 またTPP交渉の今後について、交渉内容の開示により米国議会で膨れ上がった反対の声を納得させるために、日本への譲歩要求・搾取をエスカレートするのではないかとの懸念もあがっていると指摘した。

 2013年11月28日(木)、千代田区永田町衆議院第二議員会館で、 郵政産業労働者ユニオン主催による「NO!TPP 郵政公共サービスを守る院内決起集会」が行われた。

 「医薬品の安全性確保とTPP」をテーマに行われた講演で、水口真寿美弁護士(薬害オンブズパースン会議事務局長)は、 TPPには医療分野という項目はないが、知的財産権や物品アクセス(関税)、横断的事項などの項目に関連していると解説。TPPで混合診療が解禁されれば、「自由診療」の領域が大きくなり、民間業者の保険が売れる。医療自由化とはすなわち、「保険が売れるシステムにすること」であると評した。
 醍醐聰東大名誉教授は、ウィキリークスがリークしたTPPの知財条項草案から、TPPは米国が自国産業の海外販路拡大を相手国に強要するイデオロギーであり、その一方で、自国の既得権を擁護するために特許規制の維持強化という「保護主義」を打ち出していることが明らかになったと分析。

 安田美絵氏は、TPPによりモンサント社製の遺伝子組み換え食品を日本に流入させることで、「日本の食料をアメリカに依存させようとしている」とその危険性を訴えた。また郭洋春氏は、特定秘密保護法案とTPP交渉の結びつきについて指摘した。

 2013年11月23日(土)、八王子市民のがっこう「まなび・つなぐ広場」主催で、東京大学教授で農学博士の鈴木宣弘氏の講演会「日本の風景を変えるTPP」が行われた。

  • シンポジウム「TPPでどうなる?私たちのお仕事」 2013.11.23
  • ■内容
    ・パネリスト:
     谷山博史氏(JVC 代表理事、JANIC 副理事長)
     川口英治氏(福岡ゼネラルユニオン)
     早崎直美氏(RINK すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク 事務局長)
     山田實氏(釜ヶ崎支援機構 理事長)
    ・コーディネーター:神田浩史氏(AMネット 理事)

 米国在住の国際コンサルタントで、米国議会の専門家でもあるトーマス・カトウ氏は、米国がTPP交渉を進める目的の一つ、「米国の輸出増戦術」について解説した。TPPの本質を「WTO協定の強化」と分析し、厳密にはその中で知的財産権に関わる「TRIPS規定」の強化が目的であると指摘した。知財の強化に対抗する手段として、米国に根付く「フェアユース」の原則が紹介された。

 「TPPより、愛と世界で繋がろう」と呼びかけたデモが、11月16日に行われた。週末の若者で賑わう渋谷・原宿の通りを歩きながら、沿道の若者たちに、「原発」「TPP」そして「秘密保護法」の危険性を訴えた。

 国際コンサルタントで米国の議会動向の専門家でもあるトーマス・カトウ氏が、通商交渉の権限を一時的に大統領に付与するTPA(貿易促進権限)について解説。また、「知的財産権の強化」の問題や、日韓FTAには盛り込まれている『フェアユース』の周知の必要性について指摘した。

 TPP交渉において、米国が日本車にかけている輸入関税の撤廃が、日本の求めていた5~10年での撤廃ではなく、協定発効から20年程度先となる公算が大きくなったという(読売新聞の11月5日付の記事より)。
 米韓FTAでは、米国は韓国車の輸入関税(2.5%)を発効後5年目に撤廃で合意されており、報道が事実であれば、日本は韓国に比べ、長期的に不利な条件を強いられていることになる。

 TPP交渉のなかで、最も論点の多い知的財産分野において、日本は今回初めて議長国となり、議論のまとめ役を担った。「非常に順調に、成功裏に終わった」と強調した大江博首席交渉官代理だが、TPPと並行して行われ、日本の生活・国益に大きな影響を与える日米並行協議に関しては、外務省主導のため、内容を把握していないことが明らかとなった。

 アジア太平洋資料センター (PARC)の新作DVD『誰のためのTPP? ―自由貿易のワナ』の完成記念上映会後にトークライブ「TPP参加撤回・批准阻止に向けてできること」が行われた。白石淳一氏、宇都宮健児氏、鈴木宣弘氏ら3名のゲストがTPPの問題点を語り、「TPP参加を撤回させるためには、このDVDを使って、その実態を全国的に広めることが必要」との認識が示された。

 TPP阻止国民会議事務局長である、首藤信彦 前衆議院議員は、TPP交渉のなかで米国から撤廃を求められている日本の軽自動車規格について、日本の「サプライチェーン」に手を入れることで、米国内の中小企業に需要を作り出そうとしているとの、米国側の狙いを説明した。また、東南アジア諸国でTPPに反対する声が強まっていることから、TPPを推進する現在の日本は、東南アジアから「アジアの裏切り者」と強く批判されていると指摘した。

 篠原議員は、西川公也・自民党TPP対策委員長が6日バリ島現地で、重要5項目(聖域)の関税撤廃ができるか検討する意向を示したことや、石破茂幹事長が重要5項目を選り分けて一部の加工品はゼロにする可能性に言及したことについて、「自民党は聖域をなし崩しにする魂胆である」と厳しく批判した。
 多国籍企業を長年研究している首藤信彦 前衆議院議員は、「コメをブロックしても、例えばウォルマートなどが全国展開し、コメに色んなものを混ぜた『ピラフ米』のような半製品を輸入すれば、ふるいにかけてそこからコメだけを取り出せば、市場価格の数分の1で売ることができてしまう」と、マレーシア議員の指摘を紹介。

 TPPの問題を当初から追い続けてきた、日本農業新聞の緒方大造 論説委員室長へのインタビュー。緒方氏は、自民党・西川公也TPP対策委員長の農産品の重要5品目も関税撤廃に含めるとした発言に対し、TPPを農業だけの問題に落とし込み、他の非関税分野から目を逸らせるためではないかと指摘。

 民主党政権時から一貫してTPP交渉参加への反対を主張してきた、東京大学の鈴木宣弘教授(専門は農業経済学)への緊急インタビュー。鈴木教授は、地域の農地は崩壊し、関連産業も成り立たなくなることから、日本中が限界集落になってしまうと指摘した。

 大学教員や弁護士らが、聖域を守れないTPP交渉からの即時撤退を求め、西川委員長と安倍総理に対して、要望書を提出。要望書に名を連ねたのは、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」、「TPPに反対する弁護士ネットワーク」、「主婦連合会」。

 2013年10月6日、名古屋市で「『やろまい』デモ 脱原発・反TPP・ついでに秘密保全法反対!」が行われた。金曜日に金山駅前で行われている「ちゃぶ台ミーチング」の参加者が企画し、50人余りが参加した。

 パネリストとして登壇した神田浩史氏(西濃環境NPOネットワーク副会長)はTPPの基礎的な知識を解説。松尾由美氏(コープ自然派ピュア大阪理事長)は食の安全が脅かされてしまうことについて危機感を示した。色平哲郎氏(佐久総合病院内科医)は医師としての立場から、国民皆保険制度をスタートし、薬価をこれまでの100分の1に下げてHIV治療薬を毎日服用できるようになったタイにおいて、たくさんの命が救われている現状を紹介した。その上で、医師としての立場から、国民皆保険制度を失わせる制度だと批判した。

 山田氏が副代表世話人を務める「TPP阻止国民会議」が、マレーシアの野党幹部と、TPPの先行モデルである米韓FTAの苦境にあえぐ韓国の弁護士を招き、「TPPを考える国際会議」を開催。マレーシアでは、与野党の国会議員が協力し、政府に圧力をかけることによって、徐々に情報開示させることに成功しているという。また韓国側ゲストとして報告を行った郭洋春(立教大教授)は、米韓FTAにおいて韓国に打撃を与えたのは、ほとんど関税以外の非関税分野であると解説した。

 インドネシアのバリ島で始まったTPP主席交渉官会合の交渉初日となった、2013年10月1日、首相官邸前で、日本のTPP参加に反対する市民らによる「STOP TPP官邸前アクション」が行われ、日本共産党の紙智子議員と吉良よし子議員、社民党の福島みずほ議員、元農林水産大臣の山田正彦氏らも駆けつけ、市民とともに声をあげた。

 前大田区議の奈須りえ氏は、この国家戦略特区関連法について、「バーチャル特区」という構想まで検討されていることに言及。立教大学・郭洋春教授は、米韓FTAの事例から、TPP・国家戦略特区で懸念される事態を解説。2012年4月に始まった、韓国での経済自由区での自由診療の変容を紹介した。

 9月22日渋谷で始まった、山本太郎参議院議員の「反TPP・反秘密保全法!全国街宣キャラバン」が、2日目の23日、大阪の難波、梅田駅周辺で行われた。

 世界から冷たい視線を浴びる汚染水問題、秘密性を増すTPP、パブコメ期限の迫る「子ども被災者支援法」、IWJが追った9月のトピックをダイジェストで一挙お届け!

  • 「TPP参加で国民皆保険は崩壊する」日本医師会原中勝征前会長 ~シンポジウム「9.21国民生活とTPP」 2013.9.21
  • 「TPPを考える市民の会」主催
    ・シンポジウム「9.21国民生活とTPP ―交渉の内幕・憲法から見たTPP―」
    ・パネリスト:
    原中勝征(はらなか・かつゆき)氏(前日本医師会会長、TPP阻止国民会議代表世話人)
    首藤信彦氏(前衆議院議員、TPPを慎重に考える会幹事長代理)
    内田聖子氏(アジア太平洋資料センター[PARC]事務局長、STOP TPP!! 市民アクション)
    宇都宮健児氏(前日弁連会長、TPPに反対する弁護士ネットワーク共同代表)
    ・ゲスト:安部芳裕氏(作家)、高橋巌氏(日本大学生物資源科学部教授)ほか
    ・司会:三宅雪子氏(前衆議院議員、TPPを慎重に考える会役員)

  • 「来年以降、遺伝子組み換え大豆の毒性はますます強まる」 ~Occupy Monsanto モンサント社前抗議行動 2013.9.17
  • ■内容
    ・モンサント社に対する申し入れ書の提出(主催者)
    ・ゲストトーク:
     「タネの支配を許すな」 安田節子(食政策センタービジョン21)
     「チリの“反モンサント法”ほか南米遺伝子組み換え事情」 印鑰智哉(環境活動家)
     「日本のGM最前線 茨城からの報告」 戸田桃子(生活クラブ生協)にゃんとま~(市民活動家)
     「遺伝子組み換えと食の安全」 西分千秋(遺伝子組み換えに反対する活動家)
     「映画『世界が食べられなくなる日』に見る遺伝子組み換えの問題」 松下加奈(アップリンク)

 シンポジウムでは、農業団体からTPPの情勢や問題点、十勝の取り組み事例、また、食品・医療など健康面への影響、法律に関するTPPの制約などが述べられた。また、交渉の進展状況と撤退・批准阻止についても語られ、8月22日、23日に行われたブルネイでの閣僚会議の内容なども報告された。

 安倍晋三総理は9月5日に行われた日米首脳会談で、米国が要求していた「TPPの年内妥結」に同意した。元農水大臣で、8月30日に閉幕した第19回ブルネイ交渉会合にステークホルダー(利害関係者)として参加し、情報収集にあたった山田正彦氏(TPP阻止国民会議 副代表世話人)は、「マレーシアやチリなど他の参加国、また米国内からもTPPへの反対意見が強まり、米国も焦っている」と明かす。

 9月9日、岩上安身のインタビューに応えた山田氏は、ブルネイで鶴岡首席交渉官や、マレーシアの首席交渉官と意見交換した内容を詳細に語った。

 「日本が参加する最初で最後の交渉」と懸念されていた、第19回TPPブルネイ交渉会合が、8月22日~30日の日程で幕を閉じた。日本政府は、交渉の中身はもとより、何を「守るべきもの」として各国に提示したかも、「秘密保持契約」をたてに国民に明かそうとしない。僅かに漏れ伝えられる報道では、日本が自らISD条項をTPPに含めるように主張したという驚くべきニュースや、マレーシアのマハティール元首相が強硬にTPPに反対していること、今回で全体会合は打ち切りとなり、今後は分野別の作業部会と首席交渉感だけの会合で話し合われる、といった内容が伝えられている。

 果たして、実際のTPP交渉は今どうなっているのかーー。

 9月3日、現地で情報収集にあたった、山田正彦元農水相、首藤信彦前衆議院議員など「TPP阻止国民会議」(旧・TPPを考える国民会議)のメンバーが、緊急報告会を行った。

 ツイッターで情報発信をしている『にゃんとま~』氏は、国内でのTPP批准手続きについて、「鍵を握っているのは衆議院の優越の関係から、日本維新の会やみんなの党。仮に自民党のTPP反対派が議決で反対に回っても、維新とみんなが賛成してしまえば、通ってしまう。いずれにしても厳しい戦いになるだろう」と語った。

 TPP交渉の全体会合は、8月末に行われた第19回ブルネイ会合で、実質最後となる見通しとなった。今後は各分野に分かれて作業部会が行われ、9月18日から米ワシントンで、首席交渉官のみの会合と関税についての作業部会が行われる予定だ。

 TPP交渉は今回のブルネイ会合以降、より「秘密性」の高いものとなる。どんどん地下に潜っていくTPP交渉と対照的に、軽自動車税増税や、ゆうちょのがん保険参入凍結なっど、TPPの「前倒し」ともいわれる政策が次々と浮上している。そのひとつに、政府が進める「国家戦略特区」がある。

 山本議員は、TPP参加によって、日本国民が受けるデメリットを語った。そして、農業、労働環境、医療、知的財産権、原発などへの影響に言及し、「TPPが国益に利することはない。多国籍企業の経済の奴隷になる条約だ」と警鐘を鳴らした。

 「党派を超えてTPP問題を考える国会議員を結集し、各国のTPP交渉官に日本国内の事情を説明すべきだ」

 ニュージーランド・オークランド大学のジェーン・ケルシー教授と、米NGOパブリック・シチズンのロリ・ワラック代表が連名で、今月から行われるTPP(環太平洋経済連携協定)のブルネイ会合に向けて、日本の政治家に訴えかけていることが、前衆議院議員で「TPPを考える国民会議」副代表の山田正彦氏に送られたファックスで明らかになった。

 会見に臨んだのは大西広氏(慶應義塾大教授)、楜沢能生氏(早稲田大教授)、鈴木宣弘氏(東京大教授)、醍醐聰氏(東京大名誉教授)の4人。まず大西氏が、衆参両院の農林水産委員会委員長には8月19日に、安倍総理にはこの記者会見当日の会見前に、それぞれ要望書を提出したと伝えた。

 原発の問題を訴えると同時に、TPPを取り上げるウェイトも徐々に大きくなったことについて山本議員は、「当初、所属の垣根を超えて、反TPPを掲げる新しい勢力作りの試みがあった」と明かし、「この国を売るか、守るかの2項対立を選挙ではっきり打ち出すには、TPPを取り上げるしかないと思った。すべての問題はつながっているが、原発、TPP、労働問題の3つに絞り込んでいった」と語った。

 米国の通商代表部(USTR)の代表であるマイク・フロマン氏は18日、今週の22日から行われるブルネイでのTPP交渉会合に向け、日本と会談を行うために来日した。それに合わせて19日午前、日本のTPP交渉参加に反対する人々は炎天下の中、官邸前で約2時間の抗議行動を行った。

 輸入されるトウモロコシの約9割を、日本は最大生産国アメリカに依存している。アメリカのトウモロコシ作付面積は、なんと日本の国土面積ほどあるという。私たちが日々、口にする牛乳や「国産」とラベルの貼られた牛肉、豚肉、鶏肉は、アメリカからやってくる大量のトウモロコシによって支えられている。

 4月19日、米ワシントンDCにある超党派シンクタンクCSIS(米戦略国際問題研究所)での講演で、麻生さんは「日本の水道を全て民営化します」と発言した。

 抗議行動の場には日本共産党の紙智子議員と吉良よし子議員、社民党の福島みずほ議員、そして同時間帯で会見を行なっていた山本太郎議員も駆けつけた。

 7月23日、日本政府のTPP対策本部は、日本人の生活と国益を全身に背負って、マレーシアで行われていたTPP交渉に初参加した。24日には特別に、参加11カ国が日本にこれまでの交渉の経緯を説明したり、日本が自身の立場を表明する「日本セッション」の場が設けられた。日本がかねてから「聖域」と位置づける、「農産品の重要5品目の関税撤廃の除外」を主張する絶好の機会だと、誰もが思っていたはずだ。しかし、この初陣で、日本の政府交渉チームは、自国の国益を何も主張しなかったし、できなかった。

※全文文字起こしを掲載しました。(7月31日)
 「TPPは農業や医療の問題とされがちだが、我々はISD条項について問題視する。TPPは関税ではなく非関税障壁の問題が本質だ」――。

 7月29日、弁護士会館において「TPPに反対する弁護士ネットワーク」の結成記者会見が開かれた。このネットワークは、日本のTPP参加に懸念を示す弁護士14名が結成を呼びかけたもの。記者会見に先立ち、全国の弁護士318人が賛同人に名を連ねた「TPP交渉参加からの撤退を求める弁護士の要望書」を政府に提出した。会見では、共同代表を務める3名の弁護士がそれぞれ挨拶した。(詳細なサマリーの続きは記事をご覧ください)

【岩上安身インタビュー】

 TPP関連で内田氏が帰国後一番に目にしたニュースがアフラックと日本郵政の業務提携の記事だったと語り、「提携するまで報道もされなかった。2国間の並行協議で決まってから発表したという流れで、こうした事例が今後どんどん増える」と、市場の開放がすでに始まっていることに警鐘を鳴らした。

 猪瀬直樹東京都知事は26日の定例会見で、IWJによるTPPに関する質問に答え、東京都のTPPに対する甘い認識があらためて浮き彫りとなった。

【IWJブログ・TPP特別寄稿vol.10】

【IWJブログ・TPP特別寄稿vol.9】

【IWJブログ・TPP特別寄稿vol.8】

【IWJブログ・TPP特別寄稿vol.7】

 内田氏は「TPPの全29章のうち、14章分は条約レベルまで仕上がっている。参加後に情報が漏れると他国にとってまずいので、『徹底して秘密保持に努める』と、政府は言い切る。また、TPP条約は一括締結で、TPPをのむか、否かしかない。ただ、安全保障や軍事ではないので、とにかく突き崩していくしかない」と力を込めた。

 ツイッターでTPPに関する情報発信をしている、にゃんとま~氏は、TPPでよく語られるのは農業問題ばかりだが、真っ先に影響を受けるのは、労働者(サラリーマン)であると、指摘した。

 「TPP」については、醍醐聰氏(東京大学名誉教授)が、TPP参加による農林水産業への都道府県別影響試算を例示した上で、「安倍政権は、『10年後に農家の所得を倍増』という計画を主張しているが、『所得倍増計画』ではなくて『所得枯渇計画』である。農産物がダメになると、川下にある加工業や流通業などの事業所得も減り、雇用にも影響が出る」と懸念を示した。

※全文文字起こしを掲載しました(2013年7月30日)
 試算によると、TPPの関税撤廃による農業生産の減少が加工・運搬など関連産業に及ぼす影響は、11兆6918億円の減少、全国の所得が1兆7692億円減少とする結果となった。

【関連記事】

【岩上安身インタビュー】

 TPPの先行モデルと言われる「米韓FTA」について、山田氏は、豚を育てて出荷すると一頭につき日本円にして約一万円の赤字になる、という数値を示し、「(韓国の)畜産は7割が廃業です」と衝撃の数値を語った。さらに、韓国側が唯一勝ち取った聖域である「コメの関税」についても、「2014年から段階的に撤廃していきます」と説明し、「韓国は農業を捨てたのです」と慨嘆した。

2013/07/14 【東京】米韓FTAは国の主権を損なわせたと韓国の裁判官143名が不服申し立て ~比例区 みどりの風 山田正彦候補 個人演説会

【TPP識者特別寄稿vol.6】

【TPP識者特別寄稿vol.5】

【TPP識者特別寄稿vol.4】

【TPP識者特別寄稿vol.3】

【TPP識者特別寄稿vol.2】

【TPP識者特別寄稿vol.1】

 6月25日に行われた第一回目は、プロジェクト99%代表の安部芳裕氏をゲストに迎え、TPPとは一体どういうものなのか、何が問題なのか詳しく話を伺った。

 東京大学名誉教授の醍醐聡氏、TPPに反対する人々の運動の菅野芳秀氏、先月ペルーで行われたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉会合に参加した、PARC事務局長の内田聖子氏をパネリストに迎え、行われたシンポジウム。

 醍醐氏は、「メディアは農業と消費者を分断し、日本のTPP参加を推奨しているが、それに対抗するには『食』という視座が必要だ。ぜひ『食料自給力』をキーワードにして、TPPの危険性を友人知人に説明してほしい」と呼びかけた。

 甘利大臣は成長戦略の一つ、国際フロンティアでは、TPPを決断したと大きく評価した。さらに、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)、日欧EPAも進めていくと、安倍政権の自由貿易協定の方針を示した。

※本講演は録画NGだったため、詳細なサマリーと全文文字起こしを掲載しました。
 ハスタート氏は日本のTPP参加について、「日米の経済ステージが整い、防衛協力関係にメリットをもたらし、強固な日米関係が環太平洋にもメリットをもたらす」と強調した。また、エネルギー政策で揺れる日本に対し、「LNGを安価で輸出することも可能である」とした。

 「一体、誰のためのTPP協定交渉なのか」。

 6月17日、内閣府でTPP政府対策本部による、「TPP協定交渉に係る意見提出等のための業界団体等への説明会」が行われた。呼びかけで参加した128団体に対し、政府のTPP交渉の参考とすることを目的として、7月17日を期限に各業界団体の意見・要望を募った。

 当初はマスコミ非公開で行われる予定だったが、共産党やみどりの風、自民党の国会議員らの働きかけにより、急遽マスコミフルオープンとなった。説明会は午前と午後の2回ずつ行われたが、いずれの回でも業界団体からは政府のTPP交渉に対する姿勢に、疑問を投げかける声が目立った。

 「アメリカに従順な安倍総理に、なぜ対応が悪いのか」と尋ねる岩上に、孫崎氏は「アメリカが相手国に求めるのは、自分たちが儲けられるかどうか。それを外交の基準にしている」と答えた。

 植草氏は、「多くの市民は原発をなくすことに賛成だし、TPPについても中身をよく知れば、日本は入るべきでないという考えに至る。消費税についても、政府の色々なムダを斬らないで税率を上げていくのはおかしい」と批判した上で、「それらは政府の約束だったのに、全部横に置かれて、自民圧勝になってしまった。その流れを汲んで7月の参院選も、主要争点を横に置いたまま進もうとする策略が見えている」と述べた。

 この日は、IWJが幹事役となって「IWJ NIGHT」が開催された。今回は4つのテーマに分かれ、それぞれ多彩なゲストを招いてのクロストークを行った。

■テーマとゲスト
「TPP」:郭洋春氏、内田聖子氏、安部芳裕氏
「日米関係とメディア」:堀潤氏、想田和弘監督
「憲法 ~橋下市長の発言と慰安婦問題について~」:梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士、想田和弘監督
「被災者支援法」:川田龍平議員、後藤政志氏

 JAグループ代表の万歳章(ばんざい・あきら)氏は「我々の最大の役割は日本の消費者、国民の皆様に安全で安心な食を安定的に届けることにある」とした上で、「農業や食料への影響」「復興への影響」「日本人全体の生活への影響」などの点から、JAグループとしてはTPPへの参加は反対であるとの見解を示した。

主催者のoffice99%・遠藤修一氏は、TPPだけではないグローバリズムの問題点に特化して抗議行動をしていくと抗議行動のテーマ変更を報告した。

 5月15日から24日までの日程で、ペルーのリマで行われたTPP交渉会合に米NGOパブリックシチズンのメンバーとして参加したアジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子氏に、岩上安身がインタビューした。

 内田氏は交渉後に出されたUSTR(米通商代表部)のリリースを紹介。リマで行われた交渉後も、7月に日本が参加するマレーシアでの交渉会合の前に、「中間会合」と称する秘密会合が行われるだろう、と指摘。内田氏は「これは、日本が参加する前にイニシアティブを握りたいアメリカの意志が働いたものだろう」と語った。

 毎月第一火曜に行われている「STOP TPP!! 官邸前アクション」。4日、約130人ほどが参加し、TPP反対の声を挙げた。「自民党の断固反対TPPは何だったのか」「TPPだけでなく、日米事前協議でも譲歩した」「TPP参加では何一つ国益は守れない」など、多岐にわたるTPP参加のデメリットが挙げられた。

 築地市場で働く旦那衆代表で青果商卸の南雲雅雄氏は、「青果では、各農協が仕分けしたものが、築地に回ってくる。鮮魚も同様。セリは、この20年で電子取引に移行し形骸化している。

 そして、今、国がやろうとしていることは、市場を、東北・北陸に各1市場、関東に6市場、中部2市場、関西3市場に集約しようとしていることだ。あとはネット取引でまかなう方針。つまり、『手に入らない食材はあきらめろ、そのかわりTPPが、安い食材を補填する』ということのようだ。しかし、市場とは、皆さんが考えている以上に、食の安全を守っている。それを言いたい」と語った。

 日本が大幅に譲歩した「牛肉」「保険」「自動車」分野について、詳細に解説。韓国が米国の「経済植民地」となってしまった途方もない「不平等条約」とも評される「米韓FTA」よりも、さらに不平等な条件をのまされてしまった「自動車」分野の譲歩内容は、特にすさまじいものとなっている。。日本の軽自動車の雄、スズキの鈴木修会長にして「内政干渉だ」と言わしめるほど。

 後編となる「87号」では、この日米事前協議の合意内容が、米国と日本で大きく食い違うことに着目。日本政府の担当者に取材したところ、「国内向け、国民向けに都合よく、どこをどうつまんで説明用のペーパーを作ろうが、政府の自由」という開き直りとも言える、驚くべき答えを得た。またこの政府担当者への取材からは、、TPPの「入場料」だったはずのこの事前協議が、「日米並行協議」にかたちを変え、TPP交渉がご破算になろうが、別協議として継続し、今後さらなる譲歩を米国は要求してくることも判明した。

 5月15日~24日まで、ペルーのリマで開催された第17回TPP交渉会合の取材のため、IWJは安斎さや香記者を現地に派遣。帰国後の30日に、番組にて、ペルー取材の報告を岩上安身とともに行った。交渉会合の取材は交渉官をはじめ、セキュリティガードが厳しく、取材が困難であったため、交渉会合に対する抗議行動の模様や、ペルーにおいてTPPの問題点を指摘し、市民運動をリードしているNGOの取材を敢行した。

 1990年に民営化された、メキシコの固定電話会社の労働組合に所属する活動家、マリカルメン・リャマス・モンテス氏は「TPPは、NAFTAの再現。それ以上に悪い結果が待ち受けていると思う」と述べ、NAFTAがメキシコにもたらした実態を報告した。

 「メキシコ政府は、外国人投資家を招くため、自国民の労働賃金を下げた。NAFTAの発効(1994年)以前は、1人の労働者が1日4時間働くことで、一家を食べさせることができた。しかし、2000年以降、1日8時間働くか、2人で働かなければ、同じだけの食料が買えなくなった。それ以降も状況は悪化し、2012年には3人の働き手が必要になった」。

 賃金が下がり、福利厚生も充実しておらず、労働条件も悪いが、メキシコ政府は投資を引きつけるため、国内労働者の低賃金雇用を促進させていると、モンテス氏は話した。

※公共性に鑑み、非会員向けに全文文字起こしを掲載しました(6月6日)。
 「米国主導の協定なのに、なぜ日本が参加したがるのかわからない」 ――29日、参議院議員会館でTPPに関するシンポジウムが開かれ、ニュージーランドとアメリカの反TPP派の識者が見解を述べ、韓国の金弁護士がTPPの先行モデルである韓米FTAの実態を説明した。また、「アメリカ主導の協定であるのに、なぜ、日本がTPPに参加したがるのかわからない」と、参加者たちは述べた。

シンポジウム後に行われた記者会見の動画記事はこちら→

 現地時間5月24日0時、TPP交渉会合に米NGOパブリックシチズンのメンバーとして参加したアジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子氏に、帰国の直前、リマの空港にてインタビューを行った。本記事では、インタビューの模様と、内田氏がこれまでに発信している情報のまとめ、TPP関連での周辺情報なども合わせて報告する。

 5月25日は、世界各地で遺伝子組み換え作物に反対の声をあげ、その代表的なモンサント社に抗議する日となっている。日本では、東京の東銀座にある日本モンサント社に対して、抗議行動が行われた。参加者の中には、イギリス、オーストラリア、チリ、ポーランド出身の人もおり、遺伝子組み換えに反対する連帯のシュプレヒコールが上がった。参加した人たちは、「遺伝子組み換えの影響がわからない」「子どもたちには、遺伝子組み換え食品を与えるべきではない」と話した。

 集会では、14人の登壇者によるリレートークが行われ、TPPの危険性を熱く語った。長瀬文雄氏(全日本民主医療機関連合会事務局長)は、「民間医療保険を発行しているのは、アメリカンホームダイレクト、アリコジャパン、AIU、全部アメリカです。これ以上自己負担が増えたら、アメリカの資本が大儲けします。これがTPPの本質です。アフラックが日本で売り上げているのは年間5兆円です。5兆円あれば、国民の医療費、窓口負担をすべて無料にできます。TPPの問題は経済の問題ではありません。人間の命の問題であり、健康の問題であり、日本の主権の問題であります」と訴えた。

 5月24日(日本時間)、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の第17回交渉会合が開かれているペルーのリマで、同国のNGO(非政府組織)、RedGE(公平なグローバリゼーションを求めるペルーネットワーク)のポール・マルケ氏が、IWJの安斎記者の取材に応じた。ペルーのTPP参加に強く反対しているマルケ氏は、「薬が買えない国民を増やしてはいけない」と力を込めた。

 安倍総理は5月17日、農業分野の成長戦略として、今後10年間で農業・農村全体の所得を倍増させる戦略を打ち出した。しかし5月22日、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の作業チームが発表した独自の影響試算によると、農家の所得は増えるどころか、全国で3483億円減少するという結果になった。作業チームの鈴木宣弘・東大教授(農業経済学)は安倍総理の成長戦略について、「所得倍増は、架空のアドバルーンであって全く根拠はない。TPPで所得は大幅に減少するのにどうやって10年で倍増できるのか」と厳しく批判した。

※全文字起こしを掲載しました(6月6日)。
 醍醐聰氏(東大名誉教授)は、非関税障壁をめぐっては農業分野以外での懸念が語られがちだが、「農業分野でも非関税障壁はある。そのひとつがトレーサビリティ(生産履歴)制度。食の安全・安心のための食品検査・認証制度が、TPP参加によって脅かされるのではないか」と警鐘を鳴らした。

 進行・冨田貴志氏、講演・安部芳裕氏(プロジェクト99%代表)で行われたシンポジウム。安部氏は、TPPの内容を具体的な資料を挙げながら解説し、7月の参議院選挙で自民党を落とすことが、原発とTPPを止める鍵だと強調した。

 トークゲストとして招かれた岩上安身は、ISD条項、ラチェット規定、NVC条項、スナップバック条項など、TPPには多くの毒素条項や不平等・差別的な条項が仕組まれている事実を述べた。

 TPP交渉取材のためにペルーのリマを訪れたIWJ安斎さや香記者が、日本時間の2013年6月21日に、リマ北部・アウグスティーノの貧困地域(スラム街)を取材した。同23日には、ベンタニージャ市の貧困地域で開業しているエマヌエル協会病院を訪れ、ペルーにおける医療の現状や貧困の実態などについてインタビューした。

 来日した、映画「幸せの経済学」監督のヘレナ・ノーバーグ=ホッジ氏は講演で「グローバル化に関していくつか問題がある。それは金融・貿易の規制緩和、グローバル化を進めた先にある失業、そして経済不安」と語った。

 現地時間の5月17日12時30分から、TPP交渉会合が行われていたリマのJWマリオットホテルの前でTPP交渉に反対する抗議行動が行われた。この抗議行動では、TPPをはじめ、自由貿易やグローバル化によって発生する諸問題の解決について取り組んでいるペルーのRedGE(公平なグローバリゼーションを求めるペルーネットワーク)や、米パブリックシチズンなど、各国の国際NGOや労働組合などが参加し、各々がTPP交渉に抗議する声を上げた。

愛知県名古屋市熱田区のJR金山駅南口で、「第2回名古屋ストリートミーティング」が行われた。

 みどりの風の谷岡郁子代表と日本未来の党の阿部知子代表が共同会見を行い、阿部氏のみどりの党入党を発表した。両者は選挙目的の合流ではなく、あくまで政策に一致による合流であることを述べ、具体的には脱原発、消費増税凍結、反TPPなどの政策を掲げた。未来の党の政策アドバイザーを務める嘉田由紀子知事は今後とも協力を続けるという。

 前衆議院議員の首藤信彦氏は、米国議会および関係団体におけるTPPの現状報告で「TPPを考える国民会議」の米現地調査で、日米間のTPPに関する認識のギャップに驚き、米国ではすでに、TPPにおいて農業問題が語れることはないという。つまり、日本は農業における米国の条件を飲んだと解されているということである。にもかかわらず、日本政府が『聖域がある、聖域が守られる』といった主張をするのは茶番であると批判した。

「最後の国会批准まで反対していく」ーー醍醐聰東京大学名誉教授を中心とする「TPP影響試算作業チーム北海道現地調査団」は、札幌滞在の2日目となる朝、まずはJA北海道中央会との意見交換を行った。

北海道は、3月18日付けで、「国民に対する十分な情報開示がない中で、3月15日、安倍首相がTPP協定交渉への参加を表明されたことは極めて遺憾」との文書を発表している。47都道府県では最もTPPに反対している自治体のうちの一つ。2013年5月13日(月)、北海道札幌市中央区の北海道庁で、醍醐聰東大名誉教授他「TPP影響試算作業チーム」と、北海道庁担当者との意見交換会が行われた。

 大西議員は、かねてからTPPには「条件付き賛成」であると語った。しかし、毎日新聞が「『関税を原則ゼロにする』TPPへの参加に賛成ですか、反対ですか」という問いをしてきたため、反対にマルをしたのだという。

 岩上安身が「『聖域なき』というのはどういう解釈なのでしょうか?」と問い、4月22日~25日まで訪米し、TPPの実情調査を行った調査団による報告で、USTRのカトラー通商代表補が「コメにおいても、セーフガードか、もしくは長期ステージにおいて(関税を)撤廃していく」と語ったことをあげると、大西議員は「もちろん、半永久的に関税を残せとはいっていない」と答えた。そして、これは自民党のスタンスでもある、と明らかにした。


インタビューに際し、IWJが大西議員に事前に質問した内容と、その回答を公開。

 東京大学農学部教授の鈴木宣弘氏は「民主党の野田政権は、TPPについて2年かけて秘密交渉を続け、聖域なき交渉になった。FTAごとの日本のGDP増加率をみると、TPPは0.54%だが、日中韓+ASEANが1.04%増加が期待でき、一番効果があるとの試算がある。農業は過保護に守られていた業界だから、もっと競争にさらされた方がいい、という意見はあるが、アメリカやオーストラリアなどの生産規模とは、環境が違いすぎる。10年間の猶予期間があったとしても、環境は変えられないので、日本は太刀打ちできない」と、日本の農業政策の実態を説明し、TPPの危険性を訴えた。

4月30日に行われた醍醐聰東大名誉教授へのインタビューの実況ツイートまとめに、加筆・訂正したものを掲載

フォーラム参加者:内田聖子氏(アジア太平洋資料センター 事務局長)/近藤康男氏(TPPに反対する人々の運動)/谷山博史氏(日本国際ボランティアセンター 代表)/池住義憲氏(南山大学非常勤講師)/神田浩史氏(西濃環境NPOネットワーク 副会長)/松平尚也氏(AMネット 代表理事)/武田かおり氏(AMネット 事務局長)

 4月22日から25日まで訪米し、TPPの調査を行なってきた「TPPに反対する国民会議」による報告が9日、衆議院第二議員会館で行われた。訪米団のメンバーである首藤信彦前衆議院議員は、米国が今、自動車分野で求めてきていることは、「米国の中小企業の自動車部品を買いなさい」ということが、具体的な要求のようだと報告。前回、訪米した際にはこういった話がなく、今回はじめて明らかになったことだという。

 選挙・原発・TPP・アベノミクスなど日本が抱えている様々な問題を議論する「69の会」が、21回目を迎えた。冒頭、竹村英明氏から、参議院選に向け脱原発を目指し、緑茶会という政治連盟の立ち上げの説明と、選挙の得票率の関係をスライドを使って解説。慶応大学の金子勝氏は、アベノミクスを単なる株価があがっただけで、中身が無いと批判した。TPPを巡り、政府が前のめりになっている現状を思考能力がなくなっているとも批判した。

 3月7日に行われたみどりの風の谷岡郁子代表へのインタビューの模様。谷岡代表は、TPPについて「米政府を動かしている多国籍企業が、自分たちの利益の観点から、各国の固有の文化や命を守る制度を、関税障壁だとして排除しようとする。これは、人類の英知の伝統に反している」とした。その上で、「日本の国民は、しかるべき情報を与えられれば、正しい判断ができるはず。そう信じて、TPPの危険を訴え続けていく」と語った。

ツイッターで、TPPなど自由貿易協定に関する情報発信をしている、にゃんとま~氏は、「TPP推進派は必ずISD条項について、他の協定にも入っている。大丈夫じゃないか」と主張してくる点を紹介。しかし、他の協定にも含まれているISD条項とTPPとでは、投資家にとって自由度の高さが違うと指摘した。

 TPPについて、ベトナム外遊での成果を問われた甘利大臣は、進捗状況についての情報収集とTPPの抱える懸念について聴取した事を報告。「高い目標を掲げることと、全員が参加することの整合性を、どうとっていくかということについて、まだ課題があると感じた」と語った。

 今後の交渉については、「できるだけレベルの高い、ひとりの脱落者も出さない、最大公約数をいかに出すか、という協議になってくる。まだ正式参加していないので、先方が出せる情報も当然制約がかかってくる。そうしたルールに配慮しながら、できるだけ情報共有したい」と語った。

 主催者のえみむめもさんは、脱原発運動やTPP反対運動の経験から、従来とは違った形のデモが必要だと感じ、このデモを企画。「『反対!』と訴えると、街頭の人が引いてしまうこともあるとわかった。だから、ネガティブな言葉を控え、『愛で繋がろう』と訴えようと思った。『北風と太陽』でいう『太陽』のようなデモにしようと考えた」と、デモの趣旨を語った。

俳優の山本太郎氏、緑の党共同代表の長谷川羽衣子氏、プロジェクト99%代表安部芳裕氏による講演。

これまでTPPをはじめ米国からは何度となく日本の自動車産業の構造改善の要求がなされてきた。主催者のoffice99%・遠藤修一氏は、TPPなどで要求されてきている自動車項目については、日米事前協議で、日本側が大幅に譲歩させられた形となったが、いずれは軽自動車の優遇税制についても撤廃されるのではないかと指摘した。

インタビューで醍醐名誉教授は、この日米事前協議の合意で日米の発表が食い違うことや、日本政府がのまされた屈辱的な合意内容そのものについて、詳細に解説。甘利TPP担当相が「聖域、特定せず」と発言し、安倍政権が「守る」と言ってきた「聖域」をぼかすようにしていることについて、「すでに逃げの作戦に入っているのではないか」と分析した。

 IWJでは、3月にシンガポールで行われたTPP第16回交渉会合直後に発表された、米国通商代表部(USTR)による声明の中で、「いくつかの交渉グループは、最終段階の会合まで集まる予定はない」という内容が含まれていることをお伝えした。

 特にその中の「customs」という用語に関して、米国政府の担当者への独自の取材を加えた上で、「この『customs』は『関税』と解釈できる。つまり関税の全体交渉も、今後はもう行われないということではないか」との見解を示した。

 参加者からは、「原発を停めるために声を挙げることも重要だが、原発を停めるためには、いまTPP反対の声を挙げなければならない」といった意見や、農政についての院内集会に参加した参加者からは、「院内集会に多くの省庁の職員がいた、TPPについて大丈夫なのかと聞いたが、土を触ったこともないような人ばかりでまさに机上の空論だった」と問題意識のなさを批判する意見が挙がった。

 「TPPと安全保障はリンケージしない」――26日、帰国したばかりの「米国におけるTPPに関する実情調査団」が記者会見し、団長の原中勝征前日本医師会会長の他、山田正彦元農水相、首藤信彦前衆議院議員、舟山康江参議院議員が、アメリカで行なったTPPに関する調査内容を報告した

 記者会見で「TPP参加交渉からの即時撤回を求める大学教員の会」(以下、大学教員の会)の呼びかけ人の一人である、大西広慶応義塾大学(理論経済学)は、「(TPPに日本が参加するための)『日米事前協議』の結果は、日本側全面屈服以外の何物でもなかった」と断じた。

 4月10日に続き、2度目の記者会見を行った大学教員の会は、「民主党」「生活の党」「社民党」「共産党」「みどりの風」など反TPPを掲げる政党の国会議員に対し、国会質問や質問主意書など議員が持ちうる「質問権」を駆使し、政府に情報公開を促すよう要請したことを発表した。

 参加者らは、アメリカでの高額医療の話を取り上げ、「自由貿易」、「移民政策」について反対の声を上げた。

※4月11日に行われた、岩月浩二弁護士インタビューの実況ツイートまとめに加筆・訂正したものを掲載しました。

 「サンフランシスコ講和条約以降の日米関係は、単に日本がアメリカに従属したというだけの関係ではありません。これは、日本側が国家の意思として明確に打ち出した、”自由意志による従属”なのです」――著書『吉田茂とサンフランシスコ講和』(大月書店 1996.09)で、膨大な一次文献の検証を通して、いわゆる「吉田茂神話」を解体してみせた中部大学の三浦陽一教授は、2013年4月23日(火) 15時より、愛知県春日井市の中部大学の研究室で岩上安身のインタビューに答え、戦後の日米関係をこのように表現した。

 東京・渋谷で「TPP断固反対! 自民党公約違反糾弾デモ」が行われた。また、これに先立って12時からは渋谷駅ハチ公口でTPPに反対する演説会が行われた。

 内容は、安部芳裕氏(プロジェクト99% 代表)の講演「おカネの流れで見てみるとよーくわかる社会のしくみ~原発、増税、TPP、憲法~」と、質疑応答。

 「あなたはTPPについて賛成ですか?反対ですか?どちらかわかりませんか?」。JR高円寺駅前にて、通行人に尋ねた内容である。シールを貼ってもらい、通行する市民がTPPについてどのように考えているのかを可視化した。このストリートミーティングは、一般の市民と対話し、TPPについて共に考えることが主な目的だ。

 この日の抗議行動では、表現の自由に大きく関わる、憲法21条やヘイトスピーチ規制法について取り上げた。

 「みどりの風」は17日、都議会議員選において、目黒区議会議員の鴨志田リエ氏の擁立を発表。鴨志田氏は、猪瀬都知事がTPPを巡り、「東京都は大きな問題がない」と発言したことについて、TPPが農政に与える影響について意識が薄いのではないか、との見解を示した。

 埼玉県深谷市で上柴中央公園をスタート地点として、「TPP反対デモ深谷」が行われた。

 日本のTPP参加の「入場料」とされる「自動車」「保険」分野で、ほぼ米国の要求をのむ形で、日米事前協議が決着した。日米両政府は4月12日(金)、事前協議の合意文書を発表、18時より内閣府本庁舎で甘利明TPP担当大臣が記者会見を行った。発表された合意文書によると、自動車分野では、米国の(輸入する日本車にかける)関税撤廃までの期間は、最大限に後ろ倒しされるとしている。加えて文書では、乗用車は5年(トラックは10年)としている、米韓FTAにおける米国の関税撤廃までの猶予期間を「実質的に上回る」ことを確認したとしている。

 この自動車分野での日本側の大幅な譲歩について、甘利大臣は「参加が遅れた分だけ、主たる交渉国である米国の注文も多いんだと思います」と語った。日米両国は、今後も自動車分野について、TPP交渉と並行して、二国間交渉を行なっていく。

 岩月弁護士は、ISD条項について、「外国投資家ができるだけ儲かる仕組み」をつくる制度だとし、「外国投資家に内政干渉を強制させる権利を与えるという意味では、非常にグロテスクなもの」だと説明した。また、その内政干渉という側面に対しては、「日本国内でいえばクーデターに近い」と述べ、憲法違反の可能性も指摘した。

 主催者のoffice99%共同代表・遠藤修一氏は、あらゆる自由貿易協定において、議会での事前承認を経ないのは問題があるとし、国内法よりも上にくるTPPをはじめとする自由貿易協定に反対であると主張。議会の下に管理されていない自由貿易が問題であって貿易を否定している訳ではないと話した。

 金融庁長官・畑中龍太郎氏が講演。畑中氏は講演の中で、6月にも取りまとめられる成長戦略が鍵であると話し、「中小企業経営者が、これからの日本が変わると確信を持っていただくことが重要であり、そのためにはTPPも積極的に取り組む必要がある。様々な規制緩和に取り組んでいく。また、諸外国との競争条件の均衡において法人税の実効税率も大きな議論になってくる」と話した。

 同会の呼びかけ人で東京大学名誉教授の醍醐聰氏は、教員から寄せられたTPP問題に関するメッセージについて「私の予想をはるかに超えていた。TPP参加は『アメリカの属国』になるという意見や、TPPとは『日本の国家主権の上にアメリカの大きい外国企業を置く』、そういう本質を持つものだという意見が非常に多かった」と述べた。

 同会の呼びかけ人である東京大学名誉教授の醍醐聰氏ら大学教員6名と、「TPPを考える国民会議」の世話人で弁護士の岩月浩二氏や消費者連盟、JA全中など各界関係者4名が参加。横浜国立大学教授の萩原伸次郎氏は「TPPは『第3の開国』などではなく、『第3の構造改革』である」と述べ、橋本・小泉構造改革の流れを汲む、いわゆる「新自由主義」がより台頭し、多国籍企業に都合のいいルールで国内構造が改悪されていくことに懸念を示した。

 「内容については申し上げられないが、日本は非常に厳しい事前交渉のさなかにある」。4月5日夕、甘利明経済再生兼TPP担当相は、内閣府でTPP政府対策本部の看板かけ後に行われたぶら下がりで、記者団に対し語った。安倍政権は、7月に開かれる可能性がある交渉会合への参加を目指し、米国など参加国との事前協議を進めている。意気込みを問われた甘利大臣は、「タフな交渉になると思う。まずは日本の国益をしっかり踏まえ、日本の国益が、参加国すべての国益だという理解をしっかり届ける。すべての参加国がウィンウィンとなるような仕上がりに向けて、最大限取り組んでいきたい」と語った。

 TPP抗議運動を毎週金曜日、経産省前にて行なっている火炎瓶テツ氏は、5日、TPP抗議行動に変わり、初の試みとして「脱被曝対話集会」を行った。原発事故後、 実際に自分たちで線量を測りに行ったアーティストなどを招き、当時の様子や被曝についての報告。また、ドイツから帰国した山本太郎氏も駆けつけた。

 「彼(自民党・大西英男議員)は日本人をなめきっているのでは」―岩上安身のインタビューに対し、元外務省国際情報局局長の孫崎享氏が、自民党の大西英男議員を痛烈に批判した。3月21日、平成25年度のNHKの予算を審議する衆議院総務委員会で質問に立った自民党の大西英男議員が、今年1月1日にNHKで放送された「NHKスペシャル2013 世界とどう向き合うか」に出演した孫崎氏の、日中間の尖閣諸島をめぐる領有権問題に関する発言を問題視。「NHKの番組において、正しい認識とは思えないような主張を延々と続けていく。こういうことが許されていいのかどうか」と答弁した。

 この日のインタビューで孫崎氏は「私は事実に基いて話をしている」と反論。当時の外務官僚の論文などを示しながら、歴史的事実として日中間に「棚上げ」合意が存在したことを解説した。話題は他にも、TPP、新大久保を中心に行われている「排外デモ」、米軍が想定している「統合エアシーバトル構想」など、多岐に及んだ。

 先月からは、日中韓FTAの交渉会合が、韓国・ソウルで開催されるなど、TPP以外にも各自由貿易協定の交渉に動きが出てきた。しかし、日中韓FTAやRCEPなどTPP以外の自由貿易協定は、ほとんど議会で議論されず、交渉が開始されている。

 今後の動向が注目を集める日本の農業について石破幹事長は、「高い関税率で外国からの産品の輸入を防ぎさえすれば農業は良くなるわけではない。今までも高い関税を一部の産品に張ってきたが、農地は減る一方。農業に後継者はいない。生産額も手取りも減る。いかなる生産者も一緒に取り扱うことをやっていては強い産業はできない」とTPPの参加に前向きな姿勢を示した。

 NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子氏、鈴木宣弘東大教授、日本共産党・紙智子参議院議員、全国保険医団体連合会(保団連)の室井正氏などがマイクを握り、降りしきる雨の中、TPP加盟への危険性を訴えた。鈴木教授は「TPP加盟国でルール決めがすでに行われており、日本が今から参加してもわが国に有利なようにルールは変えられず、国益が守られることはない。政府関係者は『もし、国益が守られないと判断すれば、途中で席を立つ』などと言っているが、そんなことはできない」と政府の姿勢を批判した。

 「TPPへの参加を阻止するために何ができるか?」というテーマのもと、社民党の福島みずほ氏や民主党の篠原孝氏をはじめとした5人の超党派議員、様々な業種の団体、そして全国各地の市民活動団体が衆議院第一議員会館に集結し、各方面からの問題提起や活発な意見交換が行われた。

 国民の食糧と健康を守る運動連絡会の坂口正明事務局長は開会の挨拶で、「自民党が選挙で掲げた6項目の公約を守ろうとするならば、TPPの参加表明はあり得ないと思う。交渉の中で国益を守る、或いは国益が守られないのなら交渉離脱もするという言葉を並べ公約違反はないと強弁しているが、普通の感覚から言えばこれは公約違反」と安倍政権を痛烈に批判。

 「2022年までは普天間が危険な状態のまま、その後も沖縄県内に移設される」。
我部氏は基地問題に関してこう話した。他にも安倍政権が交渉参加を表明したTPPについても言及。我部氏は、日本の「アメリカ任せの外交」を批判し、日本がむしろグローバルな方向へ向かっていることに懸念を示した。

 対談では、安部氏が、タウンミーティングで聞かれることの多いという、原発、TPP、集団的自衛権について、「なぜ、こんなメリットのないものを、日本の政府や官僚は進めようとしているのか」と、孫崎氏に尋ねた。孫崎氏は「男性は、組織の中のポストを求める。何が正しいか、を追求するのではなく、その行動はポストにどう結びつくか、で意見を変える」と、組織における自分の立場を最優先しがちな、日本人の生き方と結びつけて答えた。

 原発、TPP、憲法改正など命をテーマにした経済産業省対話集会が29日、経済産業省前で行われた。原発事故を起こした人間に対して、犬・動物も意見陳述をさせていただきたいと、参加者から代弁の読み上げを行い、原発事故で失ったものは人間だけではないと怒りの声が挙がった。

 今月から、JTビル前の工事の影響で、JTビル前の交差点に移動し活動。原発・TPP・オスプレイなど様々な問題でアメリカの圧力が絡んでいることを周知させようと今回から、通行人にチラシを配布することも開始した。

 この日、各政党の党本部を訪問し、各自由貿易協定に関する質問状を元に回答を得た。日本共産党は、TPPだけでなく、FTAAPについても反対と回答し、TPPと同様、懸念される内容であるとの見解を示した。これに対して、みんなの党は、TPP・日中韓FTA・RCEP・日欧EPA・・FTAAPについて、いずれも推進であると回答を得た。

 「インターネットを解放せよ木曜官邸前抗議」を主催しているoffice99%・遠藤修一氏を中心に、28日、交渉が開始された日中韓FTAを含む各党の経済連携協定の認識を伺うべく、日本共産党をはじめ、各政党本部を訪問した。

 TPPに関しては、「中国排斥政策だと言う声もあるが、TPPは参加したければいつでも交渉参加できる仕組みだ。しかし、中国はTPPの要求する高い水準を満たす準備ができていない」との考えを示した。

 WTOの内国民待遇、TPPとの関連性を岩上安身がコメントした。また、「ニュース本音と建前」では、「地球温暖化と原発ルネッサンス」というテーマで、本当に、地球は温暖化しているのかについて語った。最後にIWJの現在の状況について、説明した。

 築地市場で働く参加者の男性は、「新自由主義で自由になった人間おらず、競争社会に国民は諦め切っている」とスピーチし、経団連や国に任せっきりにするのではなく、「国民の力で物事を進められると示してやろう」と参加者らに訴えた。

 TPPの本質とは何なのか。3月15日に安倍首相がTPP交渉参加を正式に表明した。大手メディア早速世論調査を実施。「TPP交渉参加を評価する」という回答が、朝日新聞の調査で71%、産経新聞が64%、毎日新聞が63%、読売新聞が60%となり、国民の大半が「賛成」であるという印象を植え付けようと必死である。

 しかし、TPPの「中身」については、国民のほとんどが「よくわからない」という意見だろう。政府やマスコミは意図的に情報を隠し、中身の議論は「密室」の中で行われている。IWJは、TPPについて数年前から精力的に取材・報道を行なってきた、日本農業新聞の緒方大造氏へ、昨年4月4日にインタビューを行った。インタビューでは、膨大な取材に基づき、TPPの歴史的経緯と、その本質に迫った。

「サルでもわかるTPP」著者・安田絵美氏が、TPPのデメリットを様々な角度から解説。

 2013年3月23日(土)19時40分より、東京・六本木の国立新美術館で開催されている第66回日本アンデパンダン展において反ACTA/TPPチームらによる館内パフォーマンスが行われた。

TPPに関する認識については、石原慎太郎・前東京都知事が、遺伝子組み換え食品の表示義務の撤廃に疑問符を持っていることを明かしていたが、現職の都知事から、TPPについての甘い認識が初めて明かされた形となった。

 もし、日本がTPPに加入してしまった場合、国内農業が壊滅するのは確実とみられているが、それはすなわち、日本が全面的に海外産の農作物に頼らなければならなくなることを意味する。米国から日本へ向けて、洪水のように輸出されるであろう遺伝子組み換え農作物による人体や生態系への影響が懸念されるほか、他の国々からもさらに汚染の深刻な作物が、日本に大量に輸入されるリスクを警戒しなくてはならない。

 深刻なのは、中国の土壌汚染である。かねてよりこの問題に警鐘を鳴らしてきた日本環境学会の前会長の畑明郎氏は、「取り返しのつかない規模で深刻な環境汚染が進行している」と私に語った。

 議員会館でのロビー行動での感触として、各政党からは、TPPについて、水を得た魚のように話をしてくれているが、日中韓FTA、RCEPについては口をつぐんでいると話した。いまだ、日本共産党は、TPPには反対との立場を取っているが、ACTAには賛成と答えているという。

 USTRの声明文の「customs」を「関税」と邦訳したIWJのIWJブログに対し、「誤訳ではないか」というご指摘が届いた。IWJは「誤訳ではない」という見解に立ち、その根拠を掲載した。

 シンガポールでの第16回TPP交渉会合に入った、アジア太平洋資料センター内田氏が、岩上安身とのインタビューの中で語ったスクープを取り上げた。

 この日、TPPに対する認識を問われた小沢代表は「国民は『なんとなく』のムードでTPPを支持している」と繰り返し述べた。「TPPの本質的は、農業だけでなく医療や知的所有権、郵政など、日本の制度を変革しかねないものだ」と語り、その理由として「メディアが正確な事実を伝えていないから」だとした。

 2013年3月17日、名古屋市栄で行われた「反TPPデモ」の模様。

 日米関係とは、つまるところ不平等条約の押しつけと、それに対する屈従、抵抗の歴史である。TPPを「第三の開国」とはよく言ったものだ。これは第三の不平等条約の押しつけ、国家主権のさらなる喪失、米国への隷属の深化に他ならない。

 安倍首相がTPP交渉参加を表明をすると言われている3月15日午前11時、約200名ほどの市民が集まり、衆議院議員会館前で座り込み行動を行った。呼びかけ人の一人であるPARCの内田聖子さんは、先日、シンガポールで開かれたTPP交渉会合に参加。見聞した内容の報告スピーチを行った。

 散会後、13時からは、隣の衆議院第一議員会館前で、主催団体「TPPを考える国民会議」がバトンタッチし、座り込み抗議を開始。メンバーである、前衆議院議員の山田正彦氏を始め、すとう信彦氏など、TPP反対運動の中心的役割を担ってきた面々が集まり、挨拶。TPP交渉参加表明断固反対を訴えた。

 2013年3月15日、経済産業省本館前で行われた「STOP TPP!! 経産省前アクション」の模様。

 18時から始まった安倍首相会見。主催の「STOP TPP!!官邸前アクション」の集会に集まった参加者はこの会見を視聴した。その後記者会見が行われ、内田聖子氏は会見中に作成した抗議文を読み上げた。

 シンガポールで行われていたTPP第16回交渉会合が13日に終了した。その閉幕に際し、アメリカ通商代表部(USTR)は声明を発表。その声明には、関税を含むいくつかの交渉グループは、最終段階の会合まで集まる予定はない、という驚きの内容が含まれていることが明らかとなった。

 3月4日から13日までの間、シンガポールで開催されていたTPP交渉会合の中で飛び出した、米国側の驚くべき発言が明らかになった。14日、この会合に米国NGO「Public Citizen (http://www.citizen.org/)」のメンバーの1人として参加した内田聖子氏(アジア太平洋資料センター 事務局長)が岩上安身の緊急インタビューに答えて、その内幕を赤裸々に語った。

 3月4日からシンガポールで開かれているTPP交渉会合の内幕について、3月13日(水)、13時より行われた「TPPを考える国民会議・TPPを慎重に考える会 緊急報告会」で、アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長 内田聖子氏が報告した。内田氏は、米国NGOパブリック・シチズンの一員として参加。国際NGOチームと共に、交渉官や出席したステークホルダー(利害関係者)への聞き取り調査を行った。

 「アーミテージさん、ありがとうございます」。2月22日、日米首脳会談のために米国を訪問していた安倍総理は、会談後に行ったCSIS(米戦略国際問題研究所)の講演で、冒頭こう発言した。そして、昨年8月15日に発表された『第3次アーミテージレポート』に書かれた「日本は二流国家に成り下がってしまうのか?」という問いに、馬鹿丁寧に「アーミテージさん、わたしからお答えします。日本は今も、これからも、二流国家にはなりません」と述べ、講演を始めた。ジャパンハンドラーが下した「指令」に対する、日本現役総理からのダイレクトの「応答」である。

 TPPの本質とは何なのか。現在、大手メディアはこぞって、その交渉参加の有無や判断時期ばかり報じている。各社が実施した世論調査では、「TPP参加に賛成」が、日経新聞の調査で47%(2月24日)、産経新聞とFNNの合同調査では53%(2月25日)と、国民の大半が「賛成」であるという印象を植え付けようと必死である。

 しかし、TPPの「中身」については、国民のほとんどが「よくわからない」という意見だろう。政府やマスコミは意図的に情報を隠し、中身の議論は「密室」の中で行われている。IWJは、昨年4月4日、TPPについて数年前から精力的に取材・報道を行なってきた、日本農業新聞の緒方大造氏へインタビューを行った。インタビューでは、膨大な取材に基づき、TPPの歴史的経緯と、その本質に迫った。

 農業にとどまらず、医療、知的財産、ISD条項など、様々なTPPのデメリットを指摘する反対派と、「安全保障」を盾に、空虚な反論を繰り返す推進派の、熱い議論は必見である。

 7日、官邸前に集まった人々は、「表現の自由を規制するTPP、RCEP、日中韓FTAの日本参加」に反対の声をあげた。また、「多くのマスコミは日本がTPPに参加表明を出しているように報じているが、そのような話は出ていない、何故そのような報道をするのか」とマスコミの報道に対して疑問の意を示した。

 また、参加者はNGOパブリック・シチズンのロリ・ワラック課長(貿易担当)の言葉を引用し「TPPはいわばドラキュラです。陽に当てれば退治できる」と主張した。

 国民的関心事になって久しい印象の「TPP」。農産品をめぐる関税の問題をテーマにその議論が熱を帯びがちだが、米国がTPPで日本に強いようとしているのは“非課税障壁の撤廃”であり、そこに著作権・特許などに関する「知財」という項目が含まれることは意外と知られていない。

 実はこの8月6日、日本国民の視線がロンドン五輪に集中する中、国会はひっそりと、ある国際条約の批准を、世界で初めて決めた。その名は「偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)」。これはTPPの「マイルド版」とも言えるものだが、欧州はその“マイルドTPP”にさえ「NO」を言っているのだ──。

 欧州の、この一件が持つ意味は大きいと話すのは著作権法を専門とし、民主党の勉強会「TPPを慎重に考える会」にも講師として招かれている弁護士の福井健策氏。IWJのジャーナリスト、岩上安身は9月13日、福井氏を、彼が代表パートナーを務める骨董通り法律事務所(東京・港区)に訪ね、インタビューを行った。

「4年先まで情報公開の無いTPPは秘密交渉、アメリカ有利の不平等条約であるため加入反対」、「TPP加入で、薬の値段も上がり、国民健康保険も崩壊。弱者に死ねと言っているのか」と参加した人々は声を上げた。

2013年3月1日、東京都千代田区の経済産業省本館前で行われた「これでいいのかTPP!経産省抗議行動」の模様。

■内容 宋基昊弁護士「米韓FTA批准後の影響と問題点」

2013年3月1日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で行われた「TPPを考える国民会議 緊急集会」の模様。

初の超党派による、TPP推進議連の総会が開かれ、民主党・維新の会を中心に41名の議員が参加した。呼びかけ人は、枝野幸男前経済産業相、みんなの党 浅尾慶一郎政調会長、維新の会 中田宏国会議員団政調会長代理 他。国際大学学長の北岡伸一氏が講演を行った。

亀井亜紀子議員は、選挙の争点の1つとしてTPPを挙げ、「市場がすべてを決めるのではなく、日本型共生社会をつくっていく」と決意を語った。また、谷岡郁子代表は、今後の公認候補者について、公募する考えを示した。

呼びかけ人であるOffice99%の遠藤修一氏がインタビューに答え、抗議活動の前に行なっている国会議員へのロビイングについて報告。「TPPへの交渉参加は、参院選が終わるまで表明できないだろう」と、活動から得た感触を語った。遠藤氏はRCEPや日中韓FTAについても触れ、「TPPを隠れ蓑とし、他の経済連携協定が水面下で進行しているのではないか」と危険性を訴えた。

「本音と建前」のコーナーでは、TPPの先行モデルとされる米韓FTAに詳しい、郭洋春氏(立教大学経済学部教授)にインタビューした内容を紹介。実体のない「国際慣習法」に則り、米国資本が韓国の土地を買えるようになってしまう「待遇の最小基準」など、米韓FTAに含まれる危険な毒素条項を解説し、TPPは「米国による現代の植民地政策」と警鐘を鳴らした。

25日に「(TPPの)交渉に参加するかしないか、その判断の時期は私に任せて欲しい」と要請し、一任されたことを受け、集まった100名を超える自民党の反対派議員からは、「情報開示がない」「国民的議論がない」など批判が相次いだ。

■内容 「北海道の農民と共に考えるグローバル農業投資、土地争奪と日本の援助~モザンビーク最大の農民組織は何故抗議声明を出したのか?」

講師の守田敏也氏(市民と科学者の内部被曝問題研究会常任理事)は、「TPPの前身のNAFTA加入により、急速に自由貿易化が進み、アメリカからジャンクな食べ物が洪水のように入って来たため、と言われている。日本がこのままTPPに参加すれば、同様のことになりかねない」と話した。

TPPについて、海江田代表は「今の段階では、賛成とも反対とも言えない」と明言を避けた。

孫崎氏はTPPについて、「自民党で『TPP反対』を打ち出して当選した議員が、安倍首相が決めたことに反対できますか? もうそんな議員はいないんですよ。TPPというのは、ある意味、日本の法体制を捨てるということ。『米国の企業が、一定の利益を確保する国の体制にします』ということなんですよ。ISD条項は、日本が国家であるということを明け渡すというルールなんです」と指摘した。

日本時間2月23日未明、安倍総理とオバマ大統領による日米首脳会談が行われた。安倍総理は会談後の記者会見で、TPP=環太平洋経済連携協定について「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないとの認識に立った」と表明した。ところが、首脳会談の後に発表された共同声明には「全ての物品が交渉の対象とされる」との記載がある。これは、例外を求めた「聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉参加に反対する」という自民党の方針と著しく矛盾をきたしている。安倍総理は、帰国後、与党である自民党と公明党からの一任を受けたうえでTPP交渉参加に向け「早い段階で決断したい」と述べたが、言葉上でのごまかし重ねて米国の言いなりになっただけとの批判は免れようがない。

「米韓FTA」が締結されたのは、2012年3月15日。その後、韓国の経済・貿易はどのように変化した(させられた)のか。その惨状を、TPP問題に詳しい郭洋春教授にうかがった。郭氏は、米韓FTAに含まれている「ISD条項」によって、外国企業が自国の「土地」すらも収奪できてしまう仕組みを解説し、「TPPは現代の植民地政策」と批判した。

講師として招かれた弁護士の岩月浩二氏が、投資家が他国政府に対して訴訟を起こすことを可能にする「ISD条項」について講演した。

ヘリテージ財団、CSIS、アメリカ進歩センター、新アメリカ安全保障センター、プロジェクト2049などの米国の若手専門家達が、保守・リベラルの枠を超え、今後の米中関係・日中関係、米国のアジア太平洋地域戦略について笹川平和財団で講演を行った。専門家たちは、中国の脅威、エネルギー問題など、様々なアプローチから、日本の早期TPP交渉参加を促した。

孫崎氏は「日本は劣化した社会になっている。原発・TPP・増税…一番大切な事を論じずに事実を曲げている。尖閣では、戦後の外務次官で最も優秀だった一人の栗山尚一氏が、棚上げ論があったことは当時の共通認識だった、と述べている」と語った。

自民党外交・経済連携調査会は13日、「聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加に反対」など、6項目の懸念項目の順守を政府に求める基本方針をまとめた。これを受け茂木大臣は、「重く受け止める。参加した場合に生じる影響の統一試算を作成中だ」と回答した。

参加者らは、このデジタル時代に、従来の著作権法の適用をネット上に転用するのは問題があるとし、公共性、公益性を保障する「フェアユース制度」を導入すべきと主張した。

個人の火炎瓶テツ氏の呼びかけにより、原発、改憲、TPP等「命/生活」の問題。そして、それらをどう捉え、どう人に伝えるか?を主軸に、自由な意見交換がなされた。

坂根会長はTPPについて、「参加しないという前提の話は、論外だ。TPPは、最終的にアジア戦略だと考えている。アジア圏での経済発展を考えれば、アジアの政治的安定が第一である。日本にとっての国益を考えれば、アメリカよりもアジアが大事だ。しかし、アジア圏を考える上で、アメリカの存在がいかに日本にとって大切かを強調したい」と述べた。

ACTAやTPPによって、知的条項は非親告化し、多くの言論の規制対象になる可能性が出てくる。参加者らは、このデジタル時代に、従来の著作権法の適用をネット上に転用するのは問題があるとし、公共性、公益性を保障する「フェアユース制度」を導入すべきと主張した。

主催者によると約200名ほどが参加。「郵政民営化の時みたいにまたやられてしまうんです」。参加者からは、自民党所属議員にTPP交渉参加反対を働きかける必要があるなど、様々な意見が挙がった。

茂木大臣は、「政府の中で幾つもの試算があったことが、疑心暗鬼を生んだ」と述べ、TPPに参加した場合の国民生活や経済への影響について、政府統一の見解を近く発表する方針を示した。

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原発の維持推進、オスプレイ配備、TPPの交渉参加、そして改憲と集団的自衛権の行使の容認。即ち日米の軍事的一体化への前のめりの姿勢において、とりわけ顕著である。衆院選において、自民党が多くの得票数を得たのは、大手メディアの報道によれば、「民主党野田政権に対する失望から」であったはずである。しかしその自民党政権が、民主党野田政権に比べ、より米国への従属性を深めていることに、驚きを禁じえない。

主催者は、米韓FTAについて言及し、日本がTPPに参加することへの危険性についても訴えた。

参加者らは「協定を結ぶ国が変わるだけで中身は変わらないRCEP、TPP、日中韓FTA全てに反対」と主張。アメリカ同様、日本もフェアユース制度を導入するよう訴えた。

茂木大臣は、ダボス会議でのUSTRのカーク通商代表との会談について、「TPP交渉において例外が認められるのか? 関係者との間で感触は得ているか?」との質問対し、「感触は得ている」と、例外品目の交渉が前進していることをにおわすコメントを述べた。

IWJ安斎記者は、23日に開かれた、自民党の『TPP参加の即時撤回を求める会』の会合で配布された会員名簿に、茂木大臣の名前もあった件に関して質問した。大臣は「名簿の件は、どなたが悪いとは申し上げないが、入会はしていない。会の事務局にも(大臣の)事務所から話はしており、名簿から名前を削除するか否かは、会の判断に任せる」とした。

茂木大臣は、ダボス会議での、米国USTRの通商代表との会談における調整がつけば、日米の経済関係、地域での経済連携の問題、更にはTPPの問題などについて、意見交換をする見通しであることを明らかにした。

主催の遠藤修一氏は、RCEPの知財条項などについて周知されていないなどと指摘し、「TPPに反対してきた人達が、RCEPに賛成している。非常に残念」と訴えた。

ノンフィクション作家の関岡英之氏が「TPPに関する主要な論点の整理」と題して講演。関岡氏は、「鳩山内閣で廃止された年次改革要望書に変わり、日本に構造改革と非関税障壁の撤廃を求めているのがTPPに他ならない」と強調した。

参加者らは「『TPP・RCEPが結ばれることにより発生する多大なデメリット』は、多くの人々に関係するが、あまり認識されていない」とし、TPP・RCEP参加に対し強く反対を訴えた。

自民党は、選挙期間中こそ農協の顔色をうかがってTPPに対して慎重な姿勢を見せていましたが、政権発足後、党役員から交渉参加に賛成する意見が相次ぐなど、TPP推進の本音を見せ始めています。近く行われる日米首脳会談で、安倍総理がオバマ大統領に、TPP交渉への参加表明をする可能性も否定できません。TPPは単なる経済連携協定ではなく、米国発の新自由主義を日本に押しつけ、社会の構造を変えてしまおうという構造協議に他なりません。

ACTAやTPPといった条約に反対の声を挙げてきた抗議行動。中国主導と言われるRCEP(アールセップ)が急速に動き始めており、危惧しているとの声も挙がった。

自民党主導に政権が変わり、初めて行われたTPPに関する抗議行動となった。参加者の人数は、主催者の発表によると約150名。

茂木大臣はTPPの交渉参加について問われると、「聖域なき関税撤廃という前提であれば参加しないのが政権公約」と繰り返し、過去の協議の内容を再検証し、最善の道を求めていくと語った。

岩上安身は発足した第2次安倍政権について、「TPPでは、そう簡単に応じないような姿勢を見せていたが、軟化し始め、防衛費も高騰してきている」とアメリカの圧力に負けつつある現状を問題視した。