【岩上安身のツイ録】偽「ふなっしー」騒動から考えるTPPと知的財産権 「モーニングバード」で岩上安身がコメント 2014.6.5

記事公開日:2014.6.5 テキスト
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※6月3日の岩上安身の連投ツイートをリライトして再掲します。

 6月3日(火)放送のテレビ朝日「モーニングバード!」で、レギュラーコメンテーターとして出演している岩上安身は、ワールドカップ開幕を目前に控えたブラジルがデモが多発しているというニュース、京都で登校中の高校生が車にはねられ約1キロにわたり引きずられたという事故、人気のゆるキャラ「ふなっしー」の偽物が登場したという3つの話題についてコメントした。

※6月3日の岩上安身の連投ツイートをリライトして再掲します。

ブラジルのワールドカップ反対デモ「毎日のように射殺」

 サッカー・ワールドカップの開幕が6月12日に迫るなか、開催地となるブラジルでは、開催に反対するデモが連日のように行われている。5月27日に首都ブラジリアで行われたデモでは、市民グループなどおよそ1000人が参加し、ワールドカップの開催に使う費用を福祉の充実などにあてるよう訴えた。

※ブラジル首都でW杯開催反対デモ(NHK、5月28日)

岩上「会場の建設の遅れとかデモが起きているということまでは、日本のメディアも報じるようになってはいます。しかし、現地の情報を丹念に集めてみると、起きていることの現実はもっとすごいことが分かります。

 UPPという軍の部隊が警察の代わりをしているのですが、普通に警棒で取り押さえるなんていうレベルじゃないんですね。銃なんです。目抜き通りで起こるデモに対してはゴム弾なんですよ。ところが、貧しい街でやる時は、これを鉛の玉にするんです。それで、ほぼ毎日誰かしら射殺されています。

 暴徒と化したとはとても言えない子どもとかお婆ちゃんだったりとか、託児所に子どもを迎えに行くお母さんだったりとか、とても麻薬にも関係なさそうな人が殺されています。それで、殺されることに対して、また怒りが爆発するような状態になっています。

 このように、かなりの悪循環が全国どこかで必ず起きているという状況で、そうとう壮絶です。この怒りは、おそらくワールドカップの間も、楽しむ人と怒りを持つ人とが同時に起こり、ものすごい熱狂になるのではないかと思います」

※ワールドカップを目前として民衆の怒りが爆発する状況を、IWJでも連続レポートします。ご期待ください!

新しく施行された自動車運転処罰法とは

 6月2日午前7時40分ごろ、京都府福知山市の不動で、自転車で登校中の高校1年の男子生徒が、土木建設業・古田健二容疑者(60歳)が運転する軽ワゴン車にはねられるという事故が発生した。ワゴン車は生徒を自転車ごと押すかたちで、パトカーが停止させるまで約1キロにわたり走行した。

 古田容疑者の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出された。京都府警は殺人未遂容疑での立件も検討している。

※酒気帯びではね1キロ引きずる 京都で高校生重傷、容疑者を逮捕(日本経済新聞、6月3日)

岩上「悲惨な事故が続いたために、危険運転致死傷罪というものが設定されました。お酒を飲んで事故を起こした場合は、最高で懲役20年という大変重いものです。

 ところがこれは、運転していた時に酩酊していたことが証明されないと適用されないんですね。そして、その下の自動車運転過失致死傷罪は懲役7年以下です。その間を埋めるべく、懲役15年以下の自動車運転処罰法が20日に施行されたばかり。

 この法律だと、酒気帯びだとアウトなんです。その時に酩酊していたかどうかの証拠はいらない。今回のケースは、この新たに制定された自動車運転処罰法がまず間違いなく適用されると思います」

TPPによる著作権の非親告罪化とは何か

 兵庫県高砂市で開かれた「ご当地博」に、千葉県船橋市非公認のゆるキャラ「ふなっしー」の偽物が現れるという騒動があった。偽物は会場で子どもたちに囲まれていたが、ステージ上のご当地アイドルに「ふなっしーだ」と指さされると、慌てて逃げ出したという。

 高砂署は6月2日、著作権法に触れないかどうかを調べた結果、違法性がないと判断。今後、この着ぐるみに入っていた男性から事情を聴く予定もないという。

岩上「いくつかポイントがあると思います。まずは営利かどうかという問題。ここでものすごく分かれますよね。それからもうひとつは、はっきりと信じこんでしまうほどそっくりなものかどうか。それとも、ちょっとだけ似ていて、明らかにコスプレだと分かるものであるかどうか。ここでも線引があるわけですよね。コスプレとどこまで違うかというと、非常に曖昧で難しいと思います。

 それともうひとつは、これを家族で楽しんでFacebookにあげたらもうアウトなのか、ということです。色々とグレーゾーンがあるわけですね。

 一番重要な点は、現状の著作権法違反は親告罪。つまり、著作権者が自分の権利を侵されたと言わない限り捜査にはならない。しかし、TPPに知的財産権の強化というのが入っていて、そこに著作権の非親告罪化というのがあります。当事者がことを荒立てるつもりがなくても、捜査当局が著作権法違反で逮捕できるようになります。刑事罰が重く課されるという案が入っています

 そうすると、無邪気にコスプレを楽しんでいた人が、多少の逸脱をしたら、すぐに逮捕されて刑事犯になる、ということになりかねないと言われています」

※「にせふなっしー」問題で急浮上してきた著作権問題! TPPによる著作権法違反の非親告罪化は、IWJではすでに2年前から取り上げています!

『「ネットの自由」vs著作権:TPPは、終わりの始まりなのか』など、著作権に関して多くの著書を発表している福井健策氏に、TPPにおける知的財産権の問題について岩上安身がインタビューしています。著作権の非親告罪化の問題点が、手に取るように分かる、必見のインタビュー!

★岩上安身がレギュラーコメンテーターとして出演中のテレビ朝日「情報ライブショー モーニングバード!」は、毎週火曜日午前8時から放送中! ぜひ、ごらんください。また、これを機会に、IWJへのご支援もよろしくお願いします。

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