「TPPで得をするのはアメリカの多国籍企業。なぜ、われわれが犠牲に?」 識者と市民がTPP反対の大規模集会とデモ開催 ~これでいいのか?! TPP 12.8大行動 2013.12.8

記事公開日:2013.12.8取材地: テキスト動画
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(IWJ 石川優/奥松)

特集 TPP問題

 「平成の開国だ、TPPというバスに乗り遅れるな、と煽ったのは誰か。経済界、経産省、外務省、自民党、マスコミではないか」──。

 2013年12月8日、東京の日比谷野外音楽堂で、反TPPを訴える大規模集会「これでいいのか?! TPP 12.8大行動」が行われた。前日の7日からシンガポールで開かれているTPP閣僚会合では、年内妥結の恐れもあることから、危機感を抱く多くの人々が集まった(主催者発表:2700人)。集会後、参加者は「TPP反対!」のシュプレヒコールとともに銀座をデモ行進した。

■全編動画

  • 12:40~ 文化イベント
  • 13:00~ 集会
  • 14:30~ デモ行進
    日比谷公園 → 外堀通り → 数寄屋橋 → 東京駅手前で解散

「TPPを含めた自由貿易協定は必要ない」とマレーシア元首相

 冒頭で、「TPPは植民地主義の再来」と表明している、マレーシアのマハティール元首相からのメッセージが代読された。マハティール元首相は、第2次世界大戦後の世界の貿易体制の変遷に触れながら、「本来、国内の産業や企業を守るのは必要なこと。アメリカは多額の補助金で農業を保護しているし、日本はコメを守りたい。真に自由な国際貿易体制など、ありえないのだ。そんなものがなくても、これまで世界の貿易は発展を遂げてきた。TPPは必要ない」と、明快な意見を寄せた。

衆院選での自民党の公約は何だったのか?

 政党代表の挨拶では、TPPを慎重に考える会代表の篠原孝衆議院議員のメッセージを、前参議院議員の大河原雅子氏が代読した。「自民党は、昨年12月の衆院選で『TPPには参加しない』という公約を掲げたはずだが、その後、変節と妥協を重ねている。財界、経産省、外務省、マスコミも、TPPというバスに乗り遅れるな、と煽った。だが、今回のTPP閣僚会合では、病気の甘利大臣の代わりに出席した西村副大臣が、米通商代表部のフロマン代表との会談を後回しにされるなど、日本軽視があらわになった。自民党は選挙公約通り、国益に反するTPPから撤退するしかない」。

肝心なことは国民に何ひとつ示していない

 日本共産党の紙智子参議院議員は、「先日、自民党は数にものを言わせて、秘密保護法を強引に成立させた。TPPについても、都合の悪い情報は国民に知らせない。そもそも、政府は『TPPに参加しないと内容がわからない』と言っていたのが、参加後は『秘密交渉だから話せない』という。国民に何ひとつ示せないなら、ただちに撤退すべきだ」と主張した。

日本は危機的な政治状況にある

 先月古希を迎え、政治活動を40年間続けているという生活の党・鈴木克昌幹事長は、「長くやってきた私から見ても、今がもっとも危機的な政治状況だ」とし、「日本は、まったく違った方向に進んでいる。怒りをもって現状を憂いている」と語気を強めた。「TPPで得をするのはアメリカの多国籍企業だ。なぜ、われわれはアメリカの多国籍企業の犠牲にならなければいけないのか」と訴えかけ、TPP締結阻止を強く求めた。

文化を受け継ぐ地域づくりに冷や水を浴びせるTPP

 続いてリレートークに移り、長野県中川村の曽我逸郎村長が登壇した。中川村は2011年2月、「全村挙げてのTPP参加反対デモ」を開催し話題となった。曽我村長は「地方に住んで、農業や工芸産業に携わる若者たちが増えている」と述べ、文化を受け継いで地域づくりをしていこうという動きがあることを紹介した。しかし、TPPは「そういう動きに対して冷水を浴びせ、日本中の地方を限界集落にしてしまうものだ」と批判した。また、TPPは日本の経済を破壊するばかりではなく、日本の自治そのものを壊してしまうと危惧し、「主権を国民に取り戻すことが求められている」と訴えた。

ISD条項は主権を乗っ取る「クーデター条項」

 閉会挨拶は、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会・呼びかけ人の醍醐聡氏(東大名誉教授)。醍醐氏は「日本政府は、知的財産権でアメリカに譲歩するかわりに、農産物の関税を維持するという。しかし、私たちの食の安全、暮らしと命にかかわる規制には、切り売りしていいものなど、ひとつもない」と力説。

 「先人が築きあげた日本の農業と、世界に誇るべき国民皆保険制度を守り、大人の責任で、次の世代に引き継がねばならない。また、ISD条項は、ひと握りの投資家の利益のために、国民の主権を乗っ取るクーデター条項だ。このような内容を含むTPPは、きっぱり拒否すべきだ」と述べると、会場から大きな拍手がわき上がった。

 なお、シンガポールで7日から開幕したTPP閣僚会合には、JA全中・萬歳章会長、首藤信彦元衆議院議員が赴き、情報収集をしている。

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