2013年10月4日(金)19時、大阪市淀川区の淀川区民センターにおいて、「TPPって、都会もヤバい。~TPPに便乗してすすんでいるもの~」と題する学習会が開かれた。
NPO法人AMネットが主催したもので、パネリストとして神田浩史氏(西濃環境NPOネットワーク副会長)、松尾由美氏(コープ自然派ピュア大阪理事長)、色平哲郎氏(佐久総合病院内科医)が、TPPの問題点を語った。
特に、農業問題ととらえられがちなTPPが、農業分野だけにとどまらず、都会に住む市民の生活にも大きな影響を与えることを説明した。
- 第一部 各スピーカーによる「TPPの基礎講座」
- 第二部 スピーカーによるトークセッション
- 質疑応答
- 登壇者
色平哲郎氏(佐久総合病院・内科医)/松尾由美氏(コープ自然派ピュア大阪 理事長)/神田浩史氏(西濃環境NPOネットワーク副会長、AMネット理事)
- 日時 2013年10月4日(金)19:00~
- 場所 淀川区民センター(大阪府大阪市)
- 主催 AMネット(告知)
神田氏は、TPPの問題点として、「徹底した秘密主義」「短期的な利害得失を『国益』として、賛否を唱えることへの違和感」「アメリカの政治パフォーマンスへのおつきあい」という3項目を挙げ、基礎的な知識を解説したほか、輸入自動車について、日本が米国に対し米韓FTA以上の優遇措置を講じる見込みであることや、自動車の基準や認証などについて日米二国間での並行協議が行われていること、さらに、産業競争力会議による「カジノ特区」などの国家戦略特区構想が「TPPに『便乗』して行われている」ことなどを説明した。
松尾氏は、TPP参加によって食の安全が脅かされてしまうことについて危機感を示した。特に、「アメリカ国民は、ものすごく危険なものを食べさせられている」と述べ、「食品表示基準の法案ができても潰される。モンサント社は30分に1回、『表示制度によって、すべての食品が値上がりするが、あなたたちは高いものを買って平気ですか』というテレビCMが流れている」ことを紹介した。その上で、「TPPの本質は、国が多国籍企業に変われるという状態」と述べ、警鐘を鳴らした。
色平氏は、TPPを「とんでもない、ペテンの、プログラム」、ISD条項を「インチキ訴訟で、大損害」と皮肉り、会場の笑いを取りつつ、医師としての立場から、国民皆保険制度をスタートし、薬価をこれまでの100分の1に下げてHIV治療薬を毎日服用できるようになった東南アジアのタイにおいて、たくさんの命が救われている現状を紹介した。その上で、「TPP加入は、患者を治すどころか、とんでもない方向に持っていくもの。我々が持っているもの(国民皆保険制度)を失わせる制度だ」と批判した。