TPPで揺れる畜産王国・宮崎「TPPで一番怖いのはISD条項。補助金が非課税障壁であると訴えられて日本が負けたら対策もやめるのは目に見えている」〜宮崎県西都市の和牛繁殖農家へIWJがインタビュー! 2016.10.27

記事公開日:2016.10.31取材地: テキスト動画独自

特集 TPP問題

 10月26日、宮崎県と北海道の二カ所でTPP協定に関する地方公聴会が行われた。28日には衆議院で承認案が強行採決されると危惧されたが、採決は一旦見送られた。だが政府与党は、今国会会期中での協定承認と関連法成立を狙っており、予断を許さない状況だ。

 IWJは、地方公聴会が行われた翌日27日、宮崎県西都市で和牛繁殖業を営む橋口秀一氏にインタビューを行い、繁殖農家の現状やTPP協定で予想される畜産業への影響等について、話を聞いた。


【4.4国会ハイライト】子宮頸がんワクチン接種の「勧奨中止」がTPPでISD条項違反に!?山本太郎議員が国会で徹底追及!対する塩崎厚労相は「心配ない」と答弁するも明確な根拠を示さず 2016.4.4

記事公開日:2016.4.19 テキスト

 「日本政府は、米国の『子宮頸がんワクチンの勧奨を再開せよ』という指示に、従ってしまうのではないか?」——2016年4月4日、山本太郎議員が国会で追及した。

 山本議員は、「TPP推進」を日本に要請したシンクタンクが、子宮頸がんワクチンについても、「勧奨を再開せよ」とするレポートを出していることを指摘.。TPPが発効した場合、米製薬業界が、日本政府が現在行っている「ワクチンの勧奨取り止め」を不服としてISD条項で多額の賠償請求をしてくる可能性について、塩崎恭久厚労大臣の認識を問い質した。


「カナダの企業が米国政府をISDで訴えた!」「日本の教科書から『イラク侵攻』の文字が消える!?」政府と大手メディアが黙殺をはかる安倍政権の「不都合な事実」~岩上安身によるインタビュー 第629回 ゲスト 岩月浩二弁護士 2016.3.25

記事公開日:2016.3.25 テキスト

特集 TPP問題
※本記事はIWJ会員に毎朝無料で発行している「日刊IWJガイド」2016年3月25日号から転載し、大幅加筆したものです。

 「カナダの企業が米国政府をISDで訴えた!」「日本の教科書から『イラク侵攻』の文字が消える!?」——これは、どちらも2016年の重大ニュースだ。前者は世界中を震撼させ、後者は今後の日本の教育の根幹・安全保障政策の根幹に関わる、どちらも、我々国民の生活に大きなインパクトを与える出来事である。

 しかし不思議なことに、この2つのニュースについて、日本の大手メディアは、ほとんど報じていない。「問題の重大性に応じた標準的な報道が存在しない」——こう指摘するのは、岩上安身も原告に名を連ねている「TPP交渉差止・違憲訴訟」では弁護団共同代表を務め、TPPの危険性について岩上安身も数度インタビューし、IWJの年末恒例のシンポジウム『饗宴』にも登壇していただいている、岩月浩二弁護士だ。


「TPP秘密主義=違憲」TPP交渉差し止め・違憲確認を求め国会議員を含む1063人もの原告が国を提訴!――「日本にとってのTPP交渉は、実に不利な中身で進んでいる」 2015.5.15

記事公開日:2015.5.19取材地: テキスト動画

特集 TPP問題
※5月19日テキストを追加しました!

 環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる交渉は、憲法が定める国民の生存権や幸福追求権、そして、「知る権利」に違反する──。2015年5月15日、「TPP交渉差し止め・違憲訴訟の会」の1063人は、国を相手に交渉差し止めと違憲確認を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 その日のうちに東京都内で開かれた報告会には、原告の1人であるIWJ代表の岩上安身も出席し、「交渉内容がわからなければ、裁判が成り立たないのではないか」「海外からのTPP漏えい情報を、この裁判に集めるのも有意義だ」などと発言した。


政府がTPPの一般向け説明会を初めて開催 反対派の主張を「間違い」「都市伝説」と否定するも、矛盾と疑問拭えず 2015.5.15

記事公開日:2015.5.17取材地: テキスト動画

特集 TPP問題
※5月17日テキストを追加しました!

 日本がTPP交渉に参加して2年、政府は初めて一般市民向けの説明会を開いた。2015年5月15日に都内のホールを貸切って行われた説明会は、1000人規模の会場にも関わらず空席が目立ち、参加したのは業界関係者を含め400人ほどだった。


TPP交渉差止・違憲訴訟の会が訴状素案の意見交換会を開催 TPPで基本的人権の根本が侵害されることを改めて強調、あらゆる点から憲法違反を提起 2015.4.6

記事公開日:2015.4.7取材地: テキスト動画

特集 TPP問題
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※4月7日テキストを追加しました!

 山田正彦元農水大臣らが呼びかけ人となり発足した「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」は、2015年4月6日、衆議院第一議員会館で、訴状素案に関する意見交換会を開いた。

 この会は、昨年2014年9月24日に、準備会設立の集会を開き、多くの入会・原告を募っていくことを確認。現在、会員数は、約3000人を超えて、そのうちの約1000人程が原告に参加している。


「ISD条項のほかにも、TPPにはサーティフィケーション(承認手続き)という悪玉が隠されている」~ジェーン・ケルシー教授が米国の手口を明かす 2015.1.24

記事公開日:2015.1.29取材地: テキスト動画

特集 TPP問題

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉のカギは、日米協議にあると言われる。農業と自動車の分野で日米の交渉団が歩み寄れば、早期妥結も可能との見方は有力で、米民主党政権は、2016年の大統領選に向けてTPP交渉の妥結をアピールする腹づもりだ、との指摘もある。

 だが、2015年1月24日、東京都内で講演したオークランド大学教授で貿易交渉問題に明るいジェーン・ケルシー氏は、オバマ大統領がTPP早期妥結の手柄を立てるのは難しい、と占う。また、たとえ日本に配慮した形で合意がなされたとしても、米国は、あとになって平気で前言をひるがえすような理不尽を強いてくるだろう、とも述べた。


水道の「民営化リスク」巡り意見続出 ~5時間集会、登壇者からは「市民の議論不足」憂う発言も 2014.8.24

記事公開日:2014.8.29取材地: 動画

 2015年度中の水道民営化を目指す大阪市は、民間会社へ2300億円以上で運営事業を売却する方針を示している。運営会社は、当初は市が100パーセント株主となるが、その後、外資を含めた民間企業の出資比率を広げていく。将来的に民間企業が100パーセント株主となるのか、ある程度市が株を保持し続けるのは、現時点では不明だ。

 市が8月12日に発表した「パブリックコメント」の集計結果では、「英国の水道民営化で起きたような、民間株主による高配当要求に根差した料金値上げ」や、「不十分な品質管理の可能性」など、多くの懸念の声が寄せられた。


【IWJブログ・特別寄稿】都知事選の隠された争点! 〜郭洋春著『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』を担当した女性編集者の視点から 2014.1.29

記事公開日:2014.1.29 テキスト動画

 来たる2月9日は、東京都知事選の投票日ですね。

 都民の皆様は、どの候補者に投票するか、もうお決めになっているでしょうか?

 ちなみに、私はまだです。

 私の周囲では、特にこれまでなら選挙を盛り上げる立場で大活躍をしていたオピニオンリーダーほど、投票する候補者を決めかねている傾向があると感じています。


「日本国民とグローバル企業、命がけの戦争だ」 〜改めて基礎から知るTPP勉強会 ─講師 岩月浩二弁護士 2014.1.26

記事公開日:2014.1.26取材地: テキスト動画

特集 TPP問題

 「すでに、日本は198種類の遺伝子組み換えトウモロコシの輸入を認可した。アメリカでは、枯れ葉剤で枯れない遺伝子組み換え大豆やトウモロコシの商業栽培は認められていない。しかし、日本では、商業栽培をやっていいことになった」──。岩月浩二氏は、知らぬ間に食の安全が脅かされていることを指摘した。

 また、特定秘密保護法について、「特定秘密を国民に教えずに、適合事業者には教える。適合事業者とは、グローバル企業ではないのか。情報を握る者が政策決定ができるのだから、グローバル企業が日本の政策を決定し、日本を乗っ取っていくのではないか」と警告した。

 2014年1月26日、岐阜市のワークプラザ岐阜において、講師に弁護士の岩月浩二氏(TPPに反対する弁護士ネットワーク共同代表)を迎えて、「改めて基礎から知るTPP勉強会 in ぎふ」が行われた。岩月氏は「日本では、すでに食の安全の防波堤は決壊している」と述べて、NAFTA、米韓FTA、WTOの実態を解説し、TPPの危険性を語った。また、「特定秘密保護法も、TPPでやって来るグローバル企業のためのものだ」とし、その根拠を説明した。


【TPP】宇都宮健児氏「米国は多国籍企業のために安保問題を利用している」 ~大学教員の会、弁護士ネット、主婦連が12月8日の反対集会への参加を呼びかけ 2013.12.5

記事公開日:2013.12.5取材地: テキスト動画

特集TPP問題

 強行な「年内妥結」はあり得るのか。12月5日、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」「TPPに反対する弁護士ネットワーク」「主婦連合会」の3団体が参議院議員会館で記者会見を行い、12月7日からシンガポールで始まるTPP閣僚会合をふまえ、12月8日に日比谷公園で行う大規模な反対集会への参加を呼びかけた。

 醍醐聰東大名誉教授(「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」事務局)は、「環境、知財、関税分野ではまだ各国が対立している。むしろ米国の提案が孤立している現状もある。冷静に分析すると、まだまだ交渉をストップさせられる可能性は残っている」と訴えた。


「ISD条項は『インチキ訴訟で、大損害』だ」~学習会「TPPって、都会もヤバい。~TPPに便乗してすすんでいるもの~」 2013.10.4

記事公開日:2013.10.4取材地: テキスト動画

 2013年10月4日(金)19時、大阪市淀川区の淀川区民センターにおいて、「TPPって、都会もヤバい。~TPPに便乗してすすんでいるもの~」と題する学習会が開かれた。

 NPO法人AMネットが主催したもので、パネリストとして神田浩史氏(西濃環境NPOネットワーク副会長)、松尾由美氏(コープ自然派ピュア大阪理事長)、色平哲郎氏(佐久総合病院内科医)が、TPPの問題点を語った。

 特に、農業問題ととらえられがちなTPPが、農業分野だけにとどまらず、都会に住む市民の生活にも大きな影響を与えることを説明した。


私たちは安全なものを食べたい! ~放射能やTPPが心配~ 安田節子氏講演 2013.9.7

記事公開日:2013.9.7取材地: テキスト動画

特集 TPP問題

 「今まさに日本は、放射能汚染とTPPという2つの難題の前で崖っぷちに立たされている」。こう切り出した安田節子氏は、放射能汚染とTPPが、いかに私たちにとって危険であるか、主に食品の安全の観点から警鐘を鳴らした──。

 2013年9月7日、大阪府豊中市のとよなか男女共同参画推進センターすてっぷホールで、「私たちは安全なものを食べたい! ~放射能やTPPが心配~」が開かれた。講師の安田氏は、食品の放射能汚染や遺伝子組み換え問題などに詳しく、『食べ物と放射能のはなし』(クレヨンハウス・ブックレット)、『自殺する種』(平凡社新書)などの著作がある。さまざまな事例を示しながら、「日本がTPPに参加すれば、食の安全がさらに脅かされる。あきらめずに反対の声を上げよう」と呼びかけた。


「TPPの『ISD条項』は国家主権の侵害につながる」有志の弁護士318名が政府に撤退を求める要望書を提出 ~TPPに反対する弁護士ネットワーク設立記者会見 2013.7.29

記事公開日:2013.7.29取材地: テキスト動画

特集 TPP問題

※全文文字起こしを掲載しました。(7月31日)

 「TPPは農業や医療の問題とされがちだが、我々はISD条項について問題視する。TPPは関税ではなく非関税障壁の問題が本質だ」――。

 7月29日、弁護士会館において「TPPに反対する弁護士ネットワーク」の結成記者会見が開かれた。このネットワークは、日本のTPP参加に懸念を示す弁護士14名が結成を呼びかけたもの。記者会見に先立ち、全国の弁護士318人が賛同人に名を連ねた「TPP交渉参加からの撤退を求める弁護士の要望書」を政府に提出した。会見では、共同代表を務める3名の弁護士がそれぞれ挨拶した。

 宇都宮健児弁護士(日弁連前会長)は、「TPP反対の動きにおいて、我々弁護士グループは遅きに失したが、今後は弁護士会の中からも賛同者を募っていきたい」と意気込みを述べた。加えて、ISD条項(投資家対国家紛争解決条項)に強い懸念を示し、ISD条項の問題啓発を重点課題として取り組んでいく姿勢を示した。

 伊澤正之弁護士は、米韓FTA締結に至る経緯を振り返り、「韓国では裁判官157名が、『ISD条項は、司法主権を侵害する可能性がある』として、タスクフォースチーム(特別対策部門)設置の建議書を大法院(最高裁)に提出した」と述べた上で、「同じことを日本の裁判官には期待できない。在野法曹である我々弁護士が、これを担っていく必要がある」と決意を述べた。


ISD条項は日本資本が日本を訴える状況を生む可能性も ~ STOP TPP!! 首相官邸前アクション 2013.7.2

記事公開日:2013.7.2取材地: 動画

特集 TPP問題

 STOP TPP!! 官邸前アクション実行委員会は2017年7月2日(火)、首相官邸前でTPPに対して直接抗議を行ない、農民団体の方や国会議員なども一般市民と共に官邸へ向けて声を上げた。


「日本のTPP加入は降伏宣言にほかならない」 ~TPPをとめる!5.30国際シンポジウム 米韓FTA・NAFTAからの警告 2013.5.30

記事公開日:2013.5.30取材地: テキスト動画

特集 TPP問題
※全文文字起こしを会員ページに掲載しました

 「TPPは21世紀型の自由貿易だというが、それはモンサントによる、シティバンクによる、ハリウッドによる、支配する権利があると信じている大企業による主張にほかならない」。早くからTPPの危険性に警鐘を鳴らし続けてきた、オークランド大学のジェーン・ケルシー教授は、2013年5月30日(木)18時から、東京都千代田区の連合会館で開かれた「TPPをとめる!5.30国際シンポジウム 米韓FTA・NAFTAからの警告」で、このように述べ、TPPに対する自身の見解を語りはじめた。


プロジェクト99%タウンミーティング「いまさらきけないTPP ~TPPでかわる!? 私たちの暮らし~」安部芳裕氏講演 2013.5.26

記事公開日:2013.5.26取材地: テキスト動画

 2013年5月26日(日)13時30分より、愛知県犬山市の犬山観光センターフロイデで「プロジェクト99%タウンミーティング『いまさらきけないTPP ~TPPでかわる!? 私たちの暮らし~』安部芳裕氏講演」が開催された。作家で社会活動家の安部芳裕氏が、TPPの歴史と交渉の経緯、その内容と危険性を語った。特に、アメリカが目論むさまざまな戦略や、知謀奸計を指摘し、日本に対してのTPPの必然性の有無、日本の現状、遺伝子組み換え作物や非関税障壁の問題、ISD条項の危険性などを説明した。


RedGE(公平なグローバリゼーションを求めるペルーネットワーク)ポール・マルケ氏インタビュー@ペルー、リマ 2013.5.24

記事公開日:2013.5.24取材地: | | テキスト動画独自

特集 TPP問題

 2013年5月24日(日本時間)、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の第17回交渉会合が開かれているペルーのリマで、同国のNGO(非政府組織)、RedGE(公平なグローバリゼーションを求めるペルーネットワーク)のポール・マルケ氏が、IWJの安斎記者の取材に応じた。ペルーのTPP参加に強く反対しているマルケ氏は、「薬が買えない国民を増やしてはいけない」と力を込めた。


「推進派が必ず主張するISD条項論を論破していかなければならない」 ~STOP TPP!! 官邸前アクション 2013.5.7

記事公開日:2013.5.7取材地: 動画

特集 TPP問題

 毎月第一火曜日に行われているSTOP TPP官邸前アクション。日米事前協議では、日本が自動車分野などで大幅に譲歩させられた形となった。参加者からはこの点をはじめ、「TPPによって国内の政策に矛盾が生じてくる」「米国政府と日本政府の言っていることが違う」など、TPPをめぐる懸念が露わになり、不満の声が噴出した。

 ツイッターで、TPPなど自由貿易協定に関する情報発信をしている、にゃんとま~氏は、「TPP推進派は必ずISD条項について、他の協定にも入っている。大丈夫じゃないか」。と主張してくる点を紹介。しかし、他の協定にも含まれているISD条項とTPPとでは、投資家にとって自由度の高さが違うと指摘した。例として、日中韓投資協定を挙げ、自由度が低いため、いままでISD条項によって訴えられなかった、つまり、ISD条項はその協定の自由度によって作用するものだと指摘した。NAFTA・米韓FTA・TPPは自由度が高いため危険であると発言。


【IWJブログ:「TPPは憲法違反。国民主権から外資主権へ権力が移行する一種のクーデター」 国家の主権と民主主義を空洞化させるTPPの危険性を徹底議論 ~岩月浩二弁護士インタビュー】 2013.4.24

記事公開日:2013.4.24取材地: テキスト動画

特集:TPP問題

 安倍総理がTPP交渉参加を表明したのは2013年3月15日(金)。それからおよそ1ヶ月あまり。この間、日本政府は参加各国と二国間事前協議を急ピッチで進め、2013年4月20日(土)、11カ国すべてから正式に交渉参加の承認を得るに至った。現在、日本政府は7月の交渉会合参加を目指している。

 大手メディアは、日本の交渉参加入りの過程については大々的に報じるものの、TPPがはらむ本質的な危険性については、いまだに直視しようとはしていない。TPPは、「国家の仕組みそのもののを変えさせられ、その主権を脅かす」と、多くの識者が警鐘を鳴らしているにもかかわらず、である。

 2013年4月11日(木)に岩上安身のインタビューに応じた弁護士の岩月浩二氏(愛知県弁護士会・司法問題対策委員会TPP部会長)は、ISD条項は米国が押し付ける「不平等条約」と批判した。そして「憲法違反」「内政干渉」「外資主権」、さらには「クーデター」というキーワードでTPP問題の焦点を大きく浮き彫りにし、同様に米国から「不平等条約」を押しつけられた韓国政府も、米国とのFTA(自由貿易協定)締結の際に、ISD条項の盛り込みを回避しようと必死に抵抗を試みたことを指摘した。

 岩月弁護士のように、正面から真摯にTPP問題に取り組んでいる法曹関係者は、ごく稀である。「TPPは違憲です。法律家は、とりわけ憲法学者は何をしているのか」と憤慨する岩月氏は、「絶望的だが、この状況を覆すことは可能と信じる」と力強く訴えた。