【特集】政府と製薬業界、御用学者からの残酷な贈りもの ~IWJが追う「子宮頸がんワクチン」副反応被害

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 IWJでは2013年4月から、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の副反応被害について取材を続けてきた。

 このワクチンは、がんの約半分を予防することができるとされ、国や自治体が積極的に勧めるワクチンの1つとして、全国の小学6年~高校1年生を対象に同年4月から定期接種化された。

 ところが、ワクチンを打った接種者から、失神・頭痛・発熱・全身の痛み・痙攣・呼吸困難・吐き気・記憶障害・計算障害・歩行障害、難病に至るまで、あらゆる副反応被害が報告され、定期接種化されて2ヶ月余で、国は「ワクチンは接種可能だが、積極的なおすすめはしない」という緊急措置を取った。

 同ワクチンは、副反応に関する注意喚起がほとんどないままに導入されたことから、2013年9月までに2320件の副反応が報告されている。そのうちの2名は死亡が確認されており、重篤な副反応は1083件にのぼる。

 さらに、10代の女の子たちが、学校に通えない、家ではサングラス、杖や車いす生活を余儀なくされるなど、被害の内容は深刻さを増している。それにも関わらず、国は、ワクチンを「止めるほどリスクは高くない」とし、接種事業は継続されている。

 そもそもこのワクチンは子宮頸がんを予防するのか。なぜ、副反応被害が多数報告されている中、国はワクチン接種を勧めるのか。子宮頸がんワクチンを製造するグラクソ・スミスクライン社、メルク社はTPP推進企業であることも分かっている。

 IWJではこれまで、ブログやメルマガで子宮頸がんワクチン問題についてお届けしたが、ここに関連記事を一挙ラインアップする。

目次

  1. 注目記事ピックアップ
  2. 岩上安身のニュースのトリセツ
  3. IWJブログ

注目記事ピックアップ

 接種後に失神、けいれん、激しい痛み、記憶障害など、あらゆる副反応が報告されている子宮頸がんワクチン。2013年4月、主に女子中高生を対象として、国や自治体が積極的に接種を勧める定期接種に指定されたが、そのわずか2か月半後、全国各地で被害者が出たことから、厚生労働省はワクチンの勧奨を一時ストップするという、異例の措置をとった。  あれから2年以上が過ぎた現在も、この措置は継続され、子宮頸がんワクチンは全面禁止されるわけでも、積極勧奨が再開されるわけでもない、中途半端な状況が続いている。他方、多くの副反応被害者は、そのほとんどが補償を受けることもできず、重篤な症状に日々苦しんでいる。  今回、IWJの取材に応じてくれたAさんは、子宮頸がんワクチンが定期接種に指定される前の2011年8月、中学3年生で最初の接種を行なった。このワクチンは3回の接種を必要とするため、翌年に3度目の接種をした直後、Aさんの身体に突如異変が起きた。  それから4年――いくつもの重篤な副反応症状がAさんを襲い続けている。今も様々な症状に苦しみ続けながら、治療法の確立、症状の回復を求めるAさんとそのお母さんに、直接、お話をうかがった。
 「なぜ、なぜ、被害者に会わないとおっしゃるのか」――。  接種後に激しい痛みやけいれん、記憶障害など、重篤な副反応被害が出ている子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の製造元であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社(米メルク社日本法人)本社の前に2015年3月31日、被害者とその家族が全国から集まり、製薬会社に向かって被害の現実を訴え、救済を求めた。  被害者側が製薬会社に対話を求めたのは、今回が初めてではない。この日、被害者の側から製薬会社に出向くことにした、出向かなければならなかった理由はなんだったのか。全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会代表の松藤美香さんは、涙を流して、こう訴えた。
 子宮頸がんワクチンは、本当に必要なワクチンなのか――。  自分の名前が言えない、親の顔が分からない、階段が上れない、計算ができない。子宮頸がんを予防するワクチンだと信じて接種した後、歩行困難や記憶障害、失神や激しいけいれんなどの重篤な症状に苦しみ、通学を断念せざるを得ない少女たちが後を経たない。中には、将来が見いだせず、自殺をほのめかす少女もいるという。  2015年3月31日、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の副反応被害者とその家族らが全国から集まり、ワクチンの製造元である製薬会社2社と厚労省を訪ね、被害者の救済と早期全面解決を求める要求書を提出した。  その後、被害状況を訴えるため国会議員事務所を訪ねた被害者らは、参議院議員会館で、支援者、医師、国会議員らを交えた院内集会に参加。約10時間に及ぶ大行動は19時に幕を閉じたが、その間、被害者少女の中には、突然の発作で横になる姿もあった。  集会では、横浜市立大学附属病院の小児科医である横田俊平教授が登壇し、厚労省のワクチン検討部会の驚くべき実態を明らかにした。
 「普通の高校生として、みんなと一緒に笑い合ったり、ふざけたりする時間を過ごしたかった」――。  サリドマイド被害、薬害スモン、薬害エイズ、陣痛促進剤被害、薬害筋短縮症、MMRワクチン被害、薬害ヤコブ、薬害肝炎、薬害イレッサ、タミフル副作用被害――。私たちの生活に身近に存在している薬品によって被害が生じた、あらゆる薬害を根絶することを呼びかける「薬害根絶デー」の第15回目となる集会が8月25日、弁護士会館で開かれた。
 ワクチンを打てば、私たちの健康が本当に守られるのだろうか――。  「ワクチンで防げる病気から子どもたちを守る政策に関する学習会」と題した院内集会が7月16日、衆議院第二議員会館で開かれた。
 「お母さん、ワクチンを打ったこと、忘れませんか」  重篤な副反応被害が相次ぐ子宮頸がんワクチン――。被害者は今、どのような問題に直面しているのか。冒頭の言葉は、厚労省がワクチン副反応の専門治療機関に指定した病院の医師が、被害者の母親に発した発言だ。接種の勧奨がストップして1年以上が経過しても、医療機関の無理解は依然として変わらない。  7月4日、厚労省ワクチン副反応検討部会で、2013年10月から2014年3月末までの副反応件数が180件におよぶことが明らかになった。このうち、重篤と判断されたのは150件で、45件はまだ回復していないと報告があがっている。  日本で子どもに接種が勧められているワクチンは、17種類(※注)。これらワクチンの安全性は充分だと言えるのだろうか。7月6日、予防接種の問題点をテーマに、ワクチントーク全国集会が開催され、元国立公衆衛生院疫学部感染症室長の母里啓子氏をはじめ、医師や有識者が、ワクチンの接種に警鐘を鳴らした。
 「娘が、母親の私に向かってこう言いました。『お母さんを一緒に探して欲しい。お母さんはどこに行ってしまったのだろう、心配だ』と」――。  子宮頸がんワクチンによる重篤な副反応に苦しむ被害者らが5月29日、参議院議員会館で「子宮頸がんワクチン院内集会『聞いてください!被害者の声』」を開いた。東京都や神奈川県のほか、北海道から参加した被害者やその家族から語られた壮絶な闘病生活は、甚大な被害をもたらしている副反応の実態を浮き彫りにした。  この日、北海道美唄市から来た佐藤美也子さんは、16歳になる娘、Aさんの症状を涙ながらに訴えた。
 子宮頸がんワクチンの副反応に警鐘をならす医学者・研究者グループは2月26日、厚生労働省のワクチン副反応検討部会の審議後に記者会見を行った。  厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会は同日の26日、積極的勧奨が一時中止されている子宮頸がんワクチンについて、勧奨を再開するか否かの結論を今回は出さず、判断は次回の検討部会に持ち越されることになった。  しかし、検討部会は、報告されている副反応がワクチンによる影響ではなく、「心身の反応」によるものだとする判断を変えてはいない。検討部会の前には、今回会見に出席した、子宮頸がんワクチンに警鐘を鳴らす研究者らと意見交換会が開かれたが、意見交換会は形式的なものに過ぎず、あらかじめ結論を変える気はなかった厚労省側の態度が見え隠れした。  危険性を指摘する研究者らの意見に耳を傾けることなく、厚労省および副反応検討部会は、「安全性」「有効性」の根拠がないワクチンを、再びお勧めしようと、着々と準備を進めているようだ。  会見では、海外から来日した研究者らが、子宮頸がんワクチンに関するこれまでの研究成果を報告したほか、ワクチン接種後に相次いで報告されている副反応について、副反応検討部会がワクチンとの因果関係を認めず、「心身の反応」によるものだとする判断に厳しい意見が飛び交った。
 集会では、ワクチンの副反応被害者本人も発言。茨城県の菅原ミマさん(中学生)は、自身が今まで経験した悲痛な思いを語った。  「接種してから、すべて生活が変わりました。もし、元気だったらできたことが、できなくなりました。学校に行けない、友達とも会えない。このワクチンを打ってから、自分の身体は言うことを聞かなくなってしまって、自分一人じゃ何もできなくなってしまった。  勉強しようと思っても、頭痛がひどかったり、不随意運動とか、けいれんが起きて、勉強することもできないし、このままでは高校に行けるかどうかも不安な状態です。医者になる夢があったのですが、こんな身体じゃ、なれないだろうな、という諦めがあったりします。それでも、こんな身体に負けていられないと思って、一生懸命やっているのですが、やっぱり身体が言うことを聞いてくれません。  いろんな病院にもかかったのですが、『精神的だろう』とか、『気のせいだろう』とか、『そんな訳はない』と、接種したからなった訳ではなく、『精神的だからそんなことは忘れなさい』と、心のないことを言われています。学校でも、けいれんが起きた時には、みんなが『なんでそういう風になってるの』という目で見てきて、学校にも行けない、というか、辛い、というか、理解してもらえなくて…。  1月20日の(厚労省の検討)部会の時にも、(副反応症状は)『心因的』だということに決まったと聞いて、なんで、一生懸命こんな身体でもがんばっている子たちがいるのに、そういう子たちに向かって『心因的』だとか、責任逃れをするような言い方をするのか、すごく悔しい気持ち、怒りを感じました」
 被害者連絡会代表の松藤美香氏は、今回、子宮頸がんワクチンの接種事業が中止にならなかったことを「残念です」と語り、「私たちは今、困っていて、今、助けてほしい、今、救済してほしいんです」と、生活の困窮や、症状の回復がみられないことを背景に、国に対して救済を強く訴えた。  宮城県大崎市で診療しているさとう内科循環器科医院の佐藤荘太郎医院長は、「医師は、薬を使って異常が起こったら、すぐにやめて、警告を発しなければならない。医師も厚労省も、国民の健康を守るのが仕事。ワクチンの有効性も分からないワクチンを勧めるのはおかしい」と、国や一部のワクチンを推進する医療機関の判断を批判。  被害者連絡会の事務局長を務める池田利恵日野市議も、「このワクチンを打たなければ、確実に子どもたちの症状は出てこなかった。一体、これをなんのために執り行う必要があるのか、本当に疑問。なぜ、こういうことに意見を発する委員がいないのか。なぜ、このまま継続して放置しているのか。なぜ、止めないのか。危機管理が欠如している。ぜひ、苦しみに陥っている子どもたちを救ってほしい」と涙ながらに訴えた。
 今年6月に厚生労働省が作成した、HPVワクチンに関するパンフレットには、「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で受けてください」と記載されるようになった。このように、ワクチンの有効性とリスクに関連する記載がされるようになったのは、今回が初めてだ。  子宮頸がん患者が若い女性の間で増えていることを指すグラフはよく見かけても、子宮頸がんが部位別がん死亡率の中で、一貫して減り続けているがんの一つであることはあまり話題にならない。隈本氏は、「ここからさらに減らすために300億円かけてワクチン接種をうながす必要があるのか」と指摘する。
 子宮頸がんワクチンの接種で副反応被害が相次いでいることから、政府は、同ワクチン接種の「積極的な勧奨」を一時中止することを決定。同ワクチンが定期接種(※1)になった4月から7月までの短期間に、入院などが必要な重篤なケースが143件報告されている。  厚生労働省は対象となる小学6年?高校1年の女子に対し、「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」という新たな通達を6月に行ない、その中で「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にお勧めしていません」という注意喚起を盛り込んだ。しかし、ワクチンの有効性が優先的に紹介されていることには変わりはなく、現在も予防接種は継続中だ。  そんな中、千葉県野田市の根本崇市長が英断を下した。全国で唯一、子宮頸がんワクチンの予防接種を一時見合わせたのである。
 「これ以上、このような被害を拡大してほしくない」。ワクチン接種で被害を受けた少女たちと保護者らは、後遺症に苦しむ現状を切々と訴えた──。  2013年8月23日(金)、東京都千代田区の厚生労働省で、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が、田村憲久厚生労働大臣と初めて面会した。子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種で、副作用の現れた患者8人を含めた27人が、国の子宮頸がんワクチン接種事業を完全に中止することなどを求めて、田村大臣に要望書を手渡した。その後の記者会見では、被害者たちが自らの症状や、つらい心情などを語り、被害防止と原因究明、被害者救済を求めた。子宮頸がんワクチンは、2009年12月より2013年3月末までに、330万人弱の女性が任意接種を受け、880件近くの重篤な副作用被害が報告されている。
 全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が5月10日、下村博文文部科学大臣と面談。ワクチン接種後の副反応により義務教育を受けられないでいる生徒の状況について、調査を求める旨の要請書を提出した。下村大臣は、一通り提出した書面に目を通し、被害の報告も受けた上で、『要望書の内容について、文科省としてしっかり受け止め対応する』との見解を示したという。  記者会見では冒頭、大臣との面談と、提出した要請書の主旨に関する説明があった。文科省に調査を要請した経緯については、体調不良で学校を休んでいる生徒・両親の中にはワクチンとの関係性に気づいていない方が多く、学校としてもそれを仮病扱いにしてしまっている例があるなど、教育委員会も含めた教育機関のワクチンに対する理解不足が露呈し、被害者が苦しんでいると報告。早急に被害者の実態を把握し、ワクチンに対する理解を深めてもらうために、大臣へ陳情の申し入れを行ったと説明した。
 「自治体、国を信じ、子宮頸がんを予防できると思って接種したのに、HPVワクチンの副作用がこんなにひどいものであることは分からなかった。副作用によって起きた症状を治してほしい一心でここに来た」、「副作用があることは知っていたが、ここで報告されているような副作用の記載はなかった。現在車椅子の生活で、これが何年続くのか、(被害者本人も)落ち込み、自殺しかねない状態。なぜこんなワクチンを接種させるのか、こんな副作用が出るなら、どこの親も接種しなかったのではないか」と、会見に出席した被害者の親から切実な思いが語られた。

岩上安身のニュースのトリセツ

 「岩上安身のニュースのトリセツ」前編では、集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対し、首相官邸前に集まって抗議の声をあげた人々の声を、ドキュメント形式でお伝えし、続く中編では、集団的自衛権、さらに原発再稼働、TPP交渉参加など、様々な日本の施策が、ジャパンハンドラーたちの巣窟・CSISの「指示」に沿っていることをお伝えした。  そして、CSISはさらに、思いがけない分野について口を出してきた。子宮頸がんワクチンの積極的勧奨(日本政府が積極的に接種を国民に勧めること)の再開をせよ、というレポートを、2014年5月に発表したのである。  このレポートにも書かれている通り、子宮頸がんワクチンは、日本においては2009年に承認されたが、接種開始直後から全国各地で重篤な(場合によっては死亡するケースもある)副反応被害が報告され始めた。
 IWJウィークリー57号の「トリセツ」(前編)では、集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対し、首相官邸前に集まって抗議の声をあげた人々の声を、ドキュメント形式でお伝えした。  抗議行動では、中学2年生のグループから、自衛隊でレンジャー訓練を受けたという男性、公明党の支持母体である創価学会員の男性、赤ちゃんを連れた女性、小学生の時に終戦を迎えたという年輩の男性など、様々な世代、様々な背景を持った人々が一堂に会し、「戦争反対」の声をあげ続けた。  なぜ、安倍政権は、これほどまでの反対の声にも関わらず、米艦船が邦人を救助するなどという、誰にでもはっきりと分かる「嘘」までついて、集団的自衛権の行使容認を急ぐのか。その背景には、明らかに、米国からの「指示」が存在する。
 不条理が横行している。  憲法を正当な手続きによらず、一内閣の閣議で解釈の変更を決定してしまう。あげく、日本の防衛とは直接結びつかない、米国の引き起こす戦争へ引きずられていく集団的自衛権の行使を容認してしまうという「暴挙」。  他方、少女たちが全身のけいれんや痛みにのたうち回るほど苦しみ、記憶障害や知能低下によって母親の顔まで分からなくなってしまう、そんな危険な副反応をもたらす子宮頸がんワクチンの接種が、今なお続けられているという「異常」。

IWJブログ

 12月25日、街中がクリスマスムードで賑わっている中、全国の少女たちは結局、「子宮頸がんワクチン接種事業」中止というプレゼントを手に入れることができずに終わった――。  厚生労働省は、12月25日に行われたワクチン副反応検討部会で、現状の措置を維持し、子宮頸がんワクチンの「積極的勧奨」の再開を見送った。ワクチンの「積極的勧奨」再開は見送られたが、ワクチン接種事業の中止を求める被害者の少女らの声はついに届くことはなく、今後もワクチン接種は継続されることになった。  厚労省は、新たに2013年8月から9月末までの接種回数と副反応の報告件数を公表。いまだに5500人近くの女子が同ワクチンを接種しており、66件の重篤な副反応が報告されるとともに、そのうちの1件は死亡例だったことも明らかになった。  全身痙攣、失神、四肢の機能障害、知覚異常、全身脱力など、子宮頸がんワクチンを巡って全国からは深刻な副反応被害が出ている。そのような被害報告を厚労省は聞き入れることなく、ワクチン接種事業は今も継続されている。副反応被害者となる少女は、増え続けるばかりだ。
「日本」という国家から、この日の少女たちへのクリスマスプレゼントが、これなのか。クリスマスの夜、政府は少女たちの未来を危険に晒し続ける判断を下した――。  全身が痙攣し、失神にまで至ったり、四肢の機能に障害が出たり、知覚が異常になったり、全身が脱力するなど、深刻な副反応被害が出ている。そうした報告が相次ぎ、ワクチンの中止を求める声が高まる中、接種事業は今後も継続されることが本日(12月25日)決まった。判断を下したのは、厚生労働省である。  厚生労働省は、12月25日に行われたワクチン副反応検討部会で、現状の措置を維持し、子宮頸がんワクチンの「積極的勧奨」の再開を見送った。これは、ワクチン接種事業に対する多くの反対の声を無視できなかったためとみられる。とはいえ、接種事業が中止されることはなく、子宮頸がんワクチンの接種は継続されるので、結局、被害者の少女らの声は聞き入れられなかったも同然である。
「早く治療法が見つかることを願っています。国に、子宮頸がんワクチンの副作用(副反応)ですと認めてもらうことが大切だと思っています。私が通う高校では、理解してくれる先生やクラスメイトが多いですが、被害者の中には、理解が得られず、学校に通えなくなってしまった子もいます。だから国が副作用(副反応)だと認めてくれれば、周りの見方も変わると思います」  現在、高校2年生のAさんは、自分の症状と子宮頸がんワクチンの因果関係を証明するため、10月、「筋生検(けんせいきん)」と呼ばれる手術を受けた。これは全身に麻酔をかけて、ワクチンの接種部位から筋肉組織を取る検査だが、Aさんの左腕に12~13cmの傷跡を残した。  この検査で因果関係が確実に証明できるかは不明だ。しかし、Aさんは「辛いと言っているだけでは何も変わらない。国に証拠を提示するためにも、検査が必要だと思った」と、被害者を代表するように、手術を受けるに至った決心をこう話した。  25日、厚生労働省の検討部会は、子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を再開するかどうかの判断を下す。その結果によっては、再び、自治体の広報紙や、ポスター、インターネットなどでワクチンの接種が積極的に勧められることになる。  忘れてはならないのは、このワクチンの被害者のほとんどは小学校6年から高校1年の女の子たちなのだ。12、3歳の子どもたちが、ワクチン接種によって杖をついたり、車椅子生活を余儀なくされるなど、治療法も確立されていない症状に苦しんでいるのである。国が積極的な勧奨を再開するとしたら、被害に苦しむ女性やその家族が増えることを厭わないと判断したことになる。
 被害者保護者Aさん(福島県・被害高校生の父)から、医療機関の理解不足や深刻な被害状況が語られた。  「被害者は高校2年16歳の娘。サーバリックスを3回接種。6月初旬に高熱・体の痛みがあり座ると立ち上がれない状態で病院に行った。初めのお医者さんは(症状を)軽視し、内診もせずに風邪薬を処方した。全身が痛くぐったりしている娘を目の前にして、そのような対応。親として娘を見てきた限り、サーバリックスを注射するまでは元気だった。  2度めの接種をきっかけに、筋肉痛、肩こり、頭痛などが常に起こり、疲れやすく熱が出始めた。3度めの接種から、それら(症状)が強まり、加えて急に眠い、だるい、足がむくみ、手足・ひざ・足首などの関節が痛み出し、発熱も始まった。  やがて全身の痛みがひどく、階段も降りれなくなり、歩くことも寝返りもできず、手首の力も全くなくなり、ペットボトルのふたすら開けられなくなり、40度近い熱も続いた。  このままでは死んでしまうのではないかという思いで、急ぎ大学病院へ連れて行った。検査の結果、病名が『全身性エリテマトーデス』という難病と診断され、2ヶ月間入院した。それまでの娘は小学校~中学校まで病気一つせず、一度も学校を休むこともなかった。  初めは私たち自身も症状を軽視していたが、娘はずっと痛みを我慢していたことが分かった。(診断された)難病は他に何か原因があるのかもしれないが、サーバリックスを打ってから具合が悪くなったことは事実。  自治体、国を信じ、子宮頸がんを100%予防できると思って接種したのに、ワクチンの副作用がこんなにひどいものであることは分からなかった。親として情けない。一個人として娘の病気をただ治してほしいという一心で(会見に)来た」