重篤な副反応が相次いだことから、積極的勧奨が一時中止されている子宮頸がんワクチンが、再びお勧めされようとしている。厚生労働省のワクチン副反応検討部会は1月20日、ワクチン接種後に起きた痛みや運動障害などの副反応は、「心身の反応」によるものだとする論点整理を行い、ワクチンとの因果関係を証明できないとして、2月26日の審議で接種勧奨が再開される見方が強まっている。
※厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会は26日、積極的勧奨が一時中止されている子宮頸がんワクチンについて、勧奨を再開するか否かの結論を今回は出さず、判断は次回の検討部会に持ち越された。(2月26日更新)
厚労省の審議会を前日に控えた25日、「子宮頸がんワクチンの重篤副反応に関する国際シンポジウム」が開催され、海外から来日した研究者らが、それぞれの研究成果をもとに、子宮頸がんワクチンの問題点を指摘した。
書いた論文「発表できない」と出版社が拒絶
米ミルフォード医学研究所所長のシン・ハン・リー医学博士は、子宮頸がんワクチンの一つであるガーダシルの接種後に失明し、左半身が不随になった16歳の少女の例を紹介。血液中に含まれる白血球の1つ、貪食細胞とも呼ばれるマクロファージが、血管を取り囲んで炎症を引き起こすプロセスを写真を用いながら解説した。少女の脳の炎症は、現在治まってきているが、いまだ失明したままだという。
リー氏は、研究成果の論文を発表するまでに「非常に苦労した」と語り、出版社は、難癖をつけて、「論文を発表できない」と言って拒絶されたエピソードを明かした。
「子宮頸がんというのは、ほとんどおばあさんがなる病気。しかし、今、ワクチンは孫の世代が打っている。このワクチンでがんが減ったというのはおかしな話だ」とリー氏は批判する。「万が一、子宮頸がんになっても、女性は(閉経後の)50歳を過ぎたら(子どもを産む可能性がなくなるので)子宮は必要ない」と語った。
「重篤な副反応は稀と言っても、誰がなるか分からない、治療法もない」とリー氏は述べ、子宮頸がんワクチンの必要性を疑問視した。
子宮頸がんワクチン「打てば打つほどリスクが増す」
仏パリ大学のフランソワ・ジェローム・オーシエ教授は、子宮頸がんワクチンとマクロファージの関係性について解説。マクロファージ性筋膜炎は、ワクチンに含まれるアジュバント(抗原性補強剤)についているアルミニウムが原因で起こる疾病であるとされ、患者には筋肉の痛みが起きるほか、慢性的に長期間に渡って疲労感(慢性疲労症候群)が起き、脳の認知機能の低下、自己免疫疾患も起きるという。
症状が出るまでには、最初の注射から約12ヶ月かかるとし、症状の診断がされるまでには、さらにそれ以上の時間を要すことから、症状が発見されて治療を受けるまで、非常に長い時間がかかることが指摘された。
「打てば打つほどリスクが増す」とオーシエ氏は語り、「アルミニウムは神経毒だ」と断言。そのアルミニウムが、子宮頸がんワクチンに含まれていることから、ワクチンを接種することに警鐘を鳴らした。
「アルミニウムが入っているワクチンを接種すると、マクロファージが原因で神経細胞が激しく刺激されて炎症を起こし、毒性を発揮する」とオーシエ氏は述べ、子宮頸がんワクチンを接種することの危険性を強調した。
『心身の反応』という判断「ばかばかしい」
日本臨床ウイルス学会 総務幹事の堺春美 前東海大学医学部教授が紹介されたサーバックスの重篤な有害事象の論文は、Lancet Oncologyの下記のアドレスに無料公開されており、ダウンロード可能です。
重篤な有害事象とその発生率の数値は、Table 3: Safety and pregnancy outcomes throughout the study (TVC)に記載されています。
論文アドレス
http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(11)70286-8/fulltext
Pdfファイルのダウンロードアドレス
http://download.thelancet.com/pdfs/journals/lanonc/PIIS1470204511702868.pdf
Jan 2012, The Lancet Oncology, Vol. 13 No. 1 pp 89-99
Overall effi cacy of HPV-16/18 AS04-adjuvanted vaccine against grade 3 or greater cervical intraepithelial neoplasia: 4-year end-of-study analysis of the randomised, double-blind PATRICIA trial
Matti Lehtinen, Jorma Paavonen, Cosette M Wheeler, Unnop Jaisamrarn, Suzanne M Garland, Xavier Castellsagué, S Rachel Skinner, Dan Apter,
Paulo Naud, Jorge Salmerón, Song-Nan Chow, Henry Kitchener, Júlio C Teixeira, James Hedrick, Genara Limson, Anne Szarewski,
Barbara Romanowski, Fred Y Aoki, Tino F Schwarz, Willy A J Poppe, Newton S De Carvalho, Maria Julieta V Germar, Klaus Peters, Adrian Mindel,
Philippe De Sutter, F Xavier Bosch, Marie-Pierre David, Dominique Descamps, Frank Struyf, Gary Dubin, for the HPV PATRICIA Study Group*
堺春美氏の日本のサーバリックスの副作用の集計・研究論文は、下記のアドレスに無料公開されています:
子宮頸がんワクチン、堺春美 日本臨床ウイルス学会 総務幹事
臨床とウイルス Vol. 41 No. 5, 2013.12
http://homepage2.nifty.com/clin_virol/kikan/%8eq%8b%7b%e8%f2%82%aa%82%f1%83%8f%83N%83%60%83%93.pdf
医薬ビジランスセンターの浜六郎先生の講演スライドと要旨は、下記のアドレスに無料公開されています:
講演スライド http://npojip.org/sokuho/No167-1.pdf
要旨 http://npojip.org/sokuho/No167-2.pdf
2月26日開催された「子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会」における厚生労働省側の不適切な対応に関しては、薬害オンブズパースン会議の下記のサイトに状況が報告されています。
「2月26日のHPVワクチン(「子宮頸がんワクチン」)に関する厚生労働省意見交換会及び審議会の審議について」
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=861