12月25日、街中がクリスマスムードで賑わっている中、全国の少女たちは結局、「子宮頸がんワクチン接種事業」中止というプレゼントを手に入れることができずに終わった——。
厚生労働省は、12月25日に行われたワクチン副反応検討部会で、現状の措置を維持し、子宮頸がんワクチンの「積極的勧奨」の再開を見送った。ワクチンの「積極的勧奨」再開は見送られたが、ワクチン接種事業の中止を求める被害者の少女らの声はついに届くことはなく、今後もワクチン接種は継続されることになった。
全身痙攣、失神、四肢の機能障害、知覚異常、全身脱力など、子宮頸がんワクチンを巡って全国からは深刻な副反応被害が出ている。そのような被害報告を厚労省は聞き入れることなく、ワクチン接種事業は今も継続されている。副反応被害者となる少女は、増え続けるばかりだ。
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┏【IWJの視点】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◇「副反応の原因は緊張」「ワクチンを打てば幸せな家庭生活が送れる」――子宮頸がんワクチン推進派医師らから次々と飛び出す衝撃的な発言◇◆
(安斎さや香、鈴木美優)
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接種勧奨の再開を望む医師らがシンポジウムを開催
2009年に導入され、任意で接種することが可能になった子宮頸がんワクチンは、2013年4月から、予防接種法に基づき、「国や自治体が接種を勧める努力義務が必要なワクチン」に分類され、定期接種化された。
しかしわずか2ヶ月後の6月、接種者の副反応被害が相次いで報告されたことから、国は、十分な情報提供ができるまでの間、接種を積極的に勧めることを一時的に中止するとした。
積極的勧奨の中止後、全国の推進派医師らからはワクチン接種の勧奨の再開を求める声が上がった。日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本婦人科腫瘍学会の3団体は9月、厚生労働省の田村憲久大臣に子宮頸がんワクチンの接種勧奨再開を求める要望書を提出。
12月25日の副反応検討部会で、勧奨再開が見送られた翌日にも、日本産婦人科学会、日本産婦人科医会、日本婦人科腫瘍学会、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の推進派4団体は連名で、「一刻も早く、ワクチンの接種勧奨が再開されることを強く希望する」との共同声明を発表した。
海老名市役所で12月14日に行われた市民向けのシンポジウムでは、推進派の医師らから、子宮頸がんワクチン接種に関して、驚くべき発言が次々に飛び出した。市民ら100名以上が参加したシンポジウムだったが、登壇した医師らによる無責任な発言に、会場からは幾度も、押し殺した悲鳴にも似た、うめくようなどよめきが起こった。
神奈川県産科婦人科医会会長の東條龍太郎医師は、「積極的な勧奨がなくなり、ワクチン接種者が非常に少なくなってしまいました。どこの病院でも(接種者が)10分の1以下に減り、ワクチン接種事業が本当に成り立たなくなってしまいました」と、事業者の利益への配慮が第一であると「本音」をあからさまに吐露した。「定期接種の勧奨再開に向け、副反応発症時の迅速・適切な診療体勢の整備と、医師を含めた国民の十分な理解が必要だ」などと訴えた。
子宮頸がんワクチンの副反応について、東條医師は「副反応はたまにあるけど、めったに見られないのが現実。色んなメディアが副反応を悪く報道したが、市民の病気予防に務めるのが、我々医師の使命です」と発言。データの根拠も示さず、「副反応はめったにない」と発言した東條医師に、集まった市民たちの表情は凍りついた。
事実、厚労省の資料から、日本で認可されている「サーバリックス」、「ガーダシル」の子宮頸がんワクチン2種類における副反応の報告件数は、インフルエンザワクチンと比べて、サーバリックスが38倍、ガーダシルが26倍。重篤な副反応では、サーバリックスが52倍、ガーダシルが22倍と、非常に多いことが明らかになっている。これで「めったにない」などと言ってのける神経が尋常ではない。
自治体が行った調査を「アバウトなアンケートのデータ」と評価
同シンポジウムでは、神奈川県鎌倉市が2010年9月から今年8月にかけて、子宮頸がんワクチンを接種した女子生徒3060人を対象に行った実態調査を酷評する一幕もあった。同市は、11月22日までに回収した1795人分について、11日の市議会委員で調査結果を公表していた。
海老名市医師会長の田中昭太郎医師は、「新聞を読んでいたら、鎌倉市で子宮頸がんワクチンをして体調不良になったのが、全接種者のうち45%になったと出ておりました。こういうアバウトなアンケートのデータを大きく新聞記事に書いちゃいますと、市民の方は大変大きな誤解を受けちゃいます」と話し、同ワクチンに対する実態調査の結果を報じた記事を批判した。
鎌倉市が発表した資料によると、同市内で子宮頸がんワクチンを接種した小学6年生から高校1年生の女子生徒3060人を対象に、体調変化の有無について調べた結果、回答した1795人のうち、818人(45.6%)に体調変化があり、うち11人は症状が継続しているという。
「どんな注射であれ、何らかの副反応が出ます。しかし、45%変化というのは、非常に大きな誤解を得てしまいます」と田中医師は続けて主張したが、鎌倉市の調査結果が、なぜ、どう問題なのか、客観的なデータにもとづく根拠は何ら示されなかった。「アバウト」なのはどちらなのか、明らかだ。
深刻な副反応症状
子宮頸がんワクチン接種後に起こる副反応には、どのような症状があるのか。
東條医師は、同ワクチン接種によって起こる副反応について、厚労省のデータをもとに説明した。
じんましんや呼吸困難などを伴うアレルギー反応(アナフィラキシー)の発症率は、96万回に1回。手足のしびれや、両手両足に力が入らなくなるなど、重度になれば死に至る難病のギランバレー症候群や、発熱や全身倦怠感を伴う急性散在性脳脊髄炎の発症率は、430万回に1回。そして、疼痛や運動制限を起こす複合性局所陣痛症候群(CRPS)の発症率は、860万回に1回だと解説した。
IWJは、子宮頸がんワクチンの接種後に起こる副反応被害の取材を継続して行っている。取材を通して、被害者らから報告されている症状は、失神・激しい頭痛・発熱・全身の痛み・けいれん・呼吸困難・吐き気・記憶障害・計算障害・歩行障害から難病に至るまで、あらゆる症状が確認されており、東條医師が列挙した症状だけが、重篤な副反応ではない。
被害に苦しむ少女の多くは、中高生、主に10代の学生で、中には重篤な症状から学校に通えず、留年や、退学を余儀なくされているケースもある。重篤な被害者の多くは、車椅子での生活をせざるを得ず、日常生活さえ、介助者がいなければ営むことができない状況だ。
接種後の重篤症状は緊張によるもの?
他方、東條医師は、ワクチン接種後30分ぐらいは、接種部位の痛みや失神を起こす可能性があるとし、医師や看護師のサポートが不可欠だと述べた。これらの痛みや失神は、ワクチン接種に伴う血管迷走神経が反応したことが原因の可能性があるという。
「針を刺すことで逃走神経が緊張状態になりやすいため、ベッドで横になって打つなど、緊張をほぐした状態で打つことが大事だ」と、東條医師は解説した。
しかし、東條医師が指摘する血管迷走神経の反応は、他のワクチンについても同様であり、子宮頸がんワクチンに特例的にみられる症状ではない。子宮頸がんワクチンが、他のワクチンよりも副反応が出る確率が高くなっていることへの疑問は解消されない。
同シンポジウムの総合司会をつとめた、テレビ神奈川取締役営業部長の中村行宏氏は、東條医師の挙げた副反応発生率について、「神奈川県の女性人口は単純計算で450万人。しかし、(子宮頸がん)ワクチンで重篤副反応を訴える人が25人出ている。これでは計算が合わないのでは?」と質問。それに対し、東條医師は次のように答えた。
「私が出したのは、厚労省のホームページのデータです。地方からの報告を集めたものではありません。また症状が出ても、結果的に病気でないと判断されれば、我々はその症状の治療に入るのみです」
東條医師によると、ワクチンを打つときの緊張状態から、重篤症状が起こることが多いというが、それを示す根拠は何も提示されていない。さらに、「私が出したのは厚労省のデータで、地方からの報告ではない」という東條医師の回答は、子宮頸がんワクチンの副反応が多くみられているのはなぜか、という中村氏の質問に対する答えになっていない。
先にも述べた通り、厚労省のデータでも、子宮頸がんワクチンの副反応の発生率が他のワクチンと比較して非常に高いのは、動かしようのない事実である。根拠がなく、内容の曖昧さが目立った東條医師の答弁は、しどろもどろに話す東條医師自身が、自身の答弁のおぼつかなさを象徴しているかのようだった。
症状が出た患者の「記憶を失くしてあげる」
中村氏の質問の他にも、参加者から東條医師の示したデータを疑問視する質問があがった。
「副反応の出る確率が、サーバリックスのホームページを見たら、100人に4人が副反応を訴えているということですが、これも先ほどの(東條医師が示した厚労省の)データと異なる。これについてはどうなのでしょう?」
日本で導入されている子宮頸がんワクチンの1つ、「サーバリックス」のホームページには、臨床試験において、重篤な有害事象発現率がサーバリックス群で4.2%、4価HPVワクチン群(ガーダシルなど)で4.0%あると明記されている。質問者の発言にあったように、これは、100人中4人に重篤な副反応がみられたという結果である。
東條医師はこの指摘に対し、次のように答えた。
「重篤というのは何か。すごく痛い、あるいはしびれる、ということが多いんだなと思います。いつまで経っても運動機能や知識障害が残る、そのせい(ワクチンのせい)で残るかというのは、また別の話です」
東條医師は、重篤症状の原因が、ワクチンではないという主張をひたすら繰り返し、そのあげく驚くべき言葉を口にした。
「私たちは、(副反応)症状が出たときには、最初に患者さんの症状、痛みなどを軽減し、記憶を失くしてあげて、仕事が不安な場合には施設に置く、そういうシステムをちゃんとつくることによって、これは解消される」
症状が出た患者の「記憶を失くしてあげる」ことが、医療機関として、医師としての役割だというのだ。「記憶」さえなくなれば、薬害という災厄がこの世からなかったことにできるかのような言い分である。東條医師の口から次々と飛び出す突拍子もない発言には、言葉を失うばかりだ。
質問した参加者の一人は、東條医師に対して、半ば訴えるように質問した。
「重篤という表現が曖昧なのも分かりますが、やはり副反応が出たら困りますので、どういうのが重篤で、どれくらいの人数なのか、はっきりと分からないと、安心して受けられない」
これに対し東條医師は、「初期対応、我々がどう対応するかというのを、地域によるシステム、そして『やはり重篤は残りますよ』という専門家によるサポートシステムが大事かなと思います」と低い声で回答した。
正確に言葉を書き起こしているのだが、読者の皆さんは、意味がお分かりだろうか?「サポートシステム」なるものを整えても、「重篤な症状は残る」。それならばワクチンをやめればいいのに、ワクチンは続けるべきだ、という。ワクチンのためのワクチンを継続せよ、と言っているとしか聞こえない。気のせいだろうか?
重篤症状は「ワクチンを打つ際の恐怖や痛み」が原因?
東條医師の詭弁は、さらに続く。
「実際に痛みを訴えている人の話を聞くと、痛みだけでなく、脳や身体に機能障害が出ているとのこと。(東條医師の話では)痛みだけがクローズアップされているようですが、それ以外の問題はどうなのか」との質問に対し、東條医師は次のように述べた。
「テレビを見ますと、痛々しいことを示していますね。でもこれらの症状は、すぐに起きるわけではありません。半年後、かなり経ってから起こってくる例もあります。何と言っても、打つときの恐怖、痛みも含めてね、そういうものが強いことが原因であると考えております。ワクチンを打つ医療機関、あるいはそれをすぐにサポートする体制を、まず整えてやるっていうのが、できつつありますから」
東條医師によれば、あくまで重篤症状は「ワクチンを打つ際の恐怖や痛み」が原因であるそうだ。要するに、ワクチンの内容物には問題がないという主張である。緊張とは気のもちようの話である。副反応被害をすべてストレスに責任転嫁しようとしているとしか聞こえない。
福島第一原発の事故後、いわゆる「御用学者」たちが、被曝による健康被害をことごとく「ストレスのせい」「気のもちよう」とすりかえたのと同じ種類の詭弁である。
医療機関のサポート体制が整っているかどうかという問題以前に、ワクチン接種によって、機能障害や重篤症状が出るのかが、国民にとって最も気がかりな点であることは言うまでもない。どんなにサポート体制を充実させたからといって、ひとたび機能障害や重篤症状が出てしまえば、ワクチンを接種した本人にとって、取り返しのつかないことになる。
ワクチンを打てば「幸せな家庭生活を送れる」
東條医師は、低い声で自説を続けた。
副作用の危険性より、子宮頸癌防止効果の大きいのは、職業売春婦生活を長年送る人くらいじゃないかな。
普通の生活を送る女性には、感染予防だけで、発症予防効果のないワクチンは全く必要ないと思います。
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