「自分の名前をひらがなで書くのが精一杯」――子宮頸がんワクチン被害者らが「薬害根絶デー」に訴え 2014.8.25

記事公開日:2014.8.29取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ・薊一郎、記事:IWJ・安斎さや香)

 「普通の高校生として、みんなと一緒に笑い合ったり、ふざけたりする時間を過ごしたかった」――。

 サリドマイド被害、薬害スモン、薬害エイズ、陣痛促進剤被害、薬害筋短縮症、MMRワクチン被害、薬害ヤコブ、薬害肝炎、薬害イレッサ、タミフル副作用被害――。私たちの生活に身近に存在している薬品によって被害が生じた、あらゆる薬害を根絶することを呼びかける「薬害根絶デー」の第15回目となる集会が8月25日、弁護士会館で開かれた。

 「薬害根絶デー」の起源は、1999年8月24日、当時の厚生省が薬害エイズ事件を反省し、薬害再発防止を決意して庁舎正面に「誓いの碑」を建てたことにさかのぼる。それから15年、薬害は現在も根絶できていないばかりか、過去には存在しなかった新たな薬害をも生む結果となっている。

 今回、集会のメインテーマとして取り上げられたのが、2013年に明るみになったばかりの子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)による副反応被害の問題だ。集会には被害者本人と家族が出席し、自身の身に起きた重篤なワクチンによる被害を訴えた。

 全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会には、8月25日現在、被害相談連絡が1000件におよんでいる。このうち、被害の詳細な情報がよせられたのは、260件。さらなる被害拡大が懸念されている。

■ハイライト

  • 集会 第1部:子宮頸がんワクチン
    被害の概要(隈本邦彦氏(薬害オンブズパースン会議))、被害者のお話、被害実態調査報告
  • ワークショップ:グループに分かれ被害者と交流
  • 集会 第2部:薬被連報告、薬弁連報告、行動提起

突然の意識喪失、激しい不随意運動

 被害者の吉川さんは、集会の最中、ナルコレプシーという突然眠りだしてしまう症状が出た。これも副反応の一種だという。

 吉川さんは、3回目の接種後の2013年9月12日、体育祭の練習中に全身の力が入らなくなり、車いす生活を余儀なくされた。はじめは、手足の不随意運動が中心だったが、次第にこれが変化し、上半身に激しい不随意運動が起きるようになっていった。

 突然意識を失ってしまうこともあるという吉川さんは、救急車で運ばれた際、救急隊員が吉川さんの指を強く握っても、全くそれを感じとることができなかった。病院へ運ばれても、点滴を打ったら、特に治療をしてもらうこともなく、ただ帰されるということを繰り返した。

 「記憶力はほぼなく、自分の下の名前をひらがなで書くのが精一杯。字も読めないし、書くことすらできません」

 吉川さんの父は、娘が苦しんでいる副反応をこう話し、続けた。

 「娘は受験を控えているんですが、答案用紙に名前を書くことができないので、(試験を)受けることができません」

 吉川さんの声は震えていた。

「もとの身体に戻して欲しい」

 被害者本人も、それぞれにマイクを握って、胸の内を訴えた。

 「普通の高校生として、みんなと一緒に笑い合ったり、ふざけたりする時間を過ごしたかった」

 「もとの身体に戻して欲しい。ただ、それだけです」

最大で1年間に1千万円もの治療費

 被害者とその家族には、治療費の経済的負担も重くのしかかる。いまだに補償がほとんどされていないのが現状だ。

 吉川さんは、10ヶ所もの病院を回り、最低でも1回1万円ほどの費用がかかるという。検査費だけでも多額の費用がかかり、症状が少しでも改善するならという思いで、高額な保険適用外の薬も購入しなければならない。

 被害者連絡会によれば、最高額で1年間に1千万円の費用を費やした被害者家族があるという。

「大丈夫」、副作用は「出ていません」と無責任な回答をする医療機関

 茨城県から参加した被害者の倉持さん母子は、ワクチンが定期接種化されたのを機にガーダシルを接種。医療機関にワクチンの安全性について確認したところ、サーバリックスについては「副反応が出ている」と言われたが、ガーダシルは「大丈夫」と言われたという。

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