「サリドマイド」「イレッサ」「スモン」「タミフル」――。
8月23日、厚生労働省の向かいの道路に、これまで多くの薬害患者を生み出してきた薬の名前が掲げられ、薬害被害者らが薬害根絶を訴えた。
「サリドマイド」「イレッサ」「スモン」「タミフル」――。
8月23日、厚生労働省の向かいの道路に、これまで多くの薬害患者を生み出してきた薬の名前が掲げられ、薬害被害者らが薬害根絶を訴えた。
■厚生労働省前行動
■「誓いの碑」前行動
■集会
■宣伝行動
8月24日は「薬害根絶デー」と呼ばれている。1999年のこの日、厚生労働省の前庭に「薬害根絶 誓いの碑」が建立されたからだ。
そこには、以下のように記されている。 “命の尊さを心に刻みサリドマイド、スモン、HIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことをここに銘記する” しかし、24日の正午前から行われたデモで最初にマイクを握った中川素充弁護士(薬害対策弁護士連絡会)は「薬害の問題は依然として変わっていない。むしろ、医薬品の安全性そのものが揺らいでいる」と警鐘を鳴らした。
デモには、中川弁護士のほかにも、薬害スモンの被害者やイレッサ訴訟の原告男性、タミフルの副作用で子どもを失った女性など、実際の薬害被害者らが参加し、薬害問題の深刻さとその根絶を訴えた。
薬害根絶デーのデモは今年で14回目になる。デモを続けてきた理由について、薬害スモンの被害者・山田英子さん(86)は「ただひとつ、薬害をなくしたい(から)」だと語った。薬害問題について、山田さんは「役所の方々、あなた自身のことです」と語りかけ、「薬害をなくしてください。なくす努力をしてください。お願いします」と声を振り絞って訴えた。
またデモには、共産党の小池晃議員やみんなの党の川田龍平議員ら国会議員も駆けつけ、問題解決に取り組む姿勢を強調した。
有楽町マリオン前で行われた宣伝行動では、薬害根絶デー実行委員会が、オリジナルのうちわを通行人に配布。うちわには、日本で起きた薬害が書き並べられ、薬害根絶デー実行委員は有楽町を歩く人達へ薬害の実態を訴えた。
IWJは大学4年生の男性へインタビューした。1年生の時に薬害イレッサをきっかけに活動を始め、今回が4度目の参加だという。男性は薬害に関して、「おそらく10年後も、20年後もこの問題はあると思う」と述べ、「問題が起こる構造が変わっていないし、反省がみられない。厚労省の上の人に、反省点が引き継がれていないんだろうな、というのを感じました」と厚労省の姿勢に不満を漏らした。