舛添要一氏が都知事就任 子宮頸がんワクチン問題について「厚労省と協議して考えたい」 2014.2.12

記事公開日:2014.2.12取材地: テキスト動画
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 終始にこやかに、意外なほど低姿勢で舛添新都知事は記者の質問に応えた。

 2月12日、13時40分より舛添要一新東京都知事の就任会見が行われた。記者からは、「2億5000万円の不正返済疑惑」「原発政策へのスタンス」「過去の女性蔑視発言」「厚労相時代に、副反応被害相次ぐ子宮頸がんワクチンを優先承認した問題」など厳しい質問が飛んだが、舛添都知事は、終始温和な表情で、激昂することなく記者の質問に丁寧に答えた。

■ハイライト

 以下、会見の主要なやり取りの報告ツイートを掲載します。(※ サマリー記事は現在作成中です。)

舛添都知事による冒頭挨拶

 「これからは、多くの都民の方々に耳を傾けて、私以外の候補に投票された方々のご意見も、謙虚に聞きたいと思っています。都議会の各会派の皆さん方にご挨拶も行って参りました。

 政策は選挙の期間中、すでにお伝え申し上げましたが、世界一の街、東京を作りたいということで、福祉でもがんばってやらないといけないし、直下型地震を含めて、災害は待ったなしですので、その準備をやる。

 さらに治安対策も必要だと思いますし、何よりも2020年のオリンピック・パラリンピックに向かって、ハード的なインフラだけではなくて、さまざまな準備をしないといけない。議会も正当な選挙で都民に選ばれ、私も直接選挙で選ばれたわけですから、この2つが車の両輪として、都政を担っていくということは、しっかりとやっていきたい。

 知事の意見と議会の意見が異なることもあると思いますけども、都民のためにともに働くんだという原点を忘れなければ、解決策というのは必ず見つかると信じております。メディアの皆さん方にも、今後いろんな機会で対話を重ね、議論をし、ご協力を願うことがあると思っております。

 きちんと事実を国民に知らせるという危機管理は前提であると思いますので、本当に明日にでも直下型地震が起こるか分からない時に、メディアの皆さんが国民の命を守るためにがんばるんだとやってくださることは、本当に大きな成果につながり、危機管理につながると思っていますので、皆さん方の都民の生命財産を守るんだという原点を、私もともに協力しながら大切にしたいと思っています」

質疑応答より抜粋

東京新聞「新党改革が銀行から借りられた2億5000万円を政党助成金で返済されたのではないか、という報道があったが、これに関してご説明を。また、どんな理由で借りられたのか?」

舛添都知事「基本的なことはすべて法律に則って問題なく処理している。これに尽きる。その件については、今の新党改革代表の荒井広幸氏が記者会見を開き、これは間違っている、これはどうだということを、すでに説明しているので、それをご覧ください」

フリー田中龍作氏「いつも嫌な質問ばかりして申し訳ありません。知事は選挙期間中に『すぐにゼロというのは無責任』と。それは分かるが、東電は7月にも柏崎刈羽原発の再稼働を事業計画に盛り込んでいる。東電の大株主として東京都はどういう判断をするのか?」

舛添都知事「決して嫌な質問ではなくて、大変立派な質問だと思っております。どうか偏見を持たずに、私に接していただければと思います。私は全然偏見を持ってません。基本はやっぱり国の政策であるということは押さえないといけない。

 私たちは実は発言権も何もない。東電は基本的に国が支えている。極論をすれば、国が決めるんだと言った時に、東電の株主だからって、東京都が何が言えるかっていうのは非常に限られているなという感じがします。

 そこで、自分たちで作れるエネルギーから原発依存をやめようじゃないかということ。ただ実際、電力自由化や発送電分離は検討課題が多々あり難しいのも実態。なのでゼロから検討してみたい。私の諮問的な懇談会でも検討していきたい」

IWJ安斎さや香記者「厚労大臣時代の子宮頸がんワクチン『優先承認』推進について。現在副反応被害が相次ぎ、承認の当時も『時期尚早』の声があった。当時の厚労行政のトップとしてどのような責任を感じているか? また東京都での対策は?」

舛添都知事「当時、女性議員の先生方が毎日のように大臣室に陳情に来られ『早く進めてくれ』と。グラクソ・スミスクライン社を含め製薬会社の臨床データを見て、単純にデータでいうと打った方がはるかに良いと…。それで承認した。

 当時、打たないで子宮頸がんにかかる方々がたくさんいる、それは、こういう席では申し上げにくいのですけれども、未成年で、ある段階で、いろんな経験をなさる。その前にやっておかないとというご意見が、女性議員からあった。

 今、特にそういう年齢の方々に、非常に副反応被害が出てますので、東京都としても実態を把握して、何らかの救済手段ができるか。厚労大臣時代に私も関わっておりますので、厚労省とも協議しながら、一番良い方法を考えていきたい」

東京新聞「1989年の対談で、『女性は、生理のときはノーマルではない、異常なのではないか。そんな時に国政の重要な決定や戦争をやるかどうかなんてことを判断されてはたまらない』という発言、それからまた『大半の女性議員は論理、整合性ではなく、非常に感情にもとづいて政治に進出してきている。本質的に政治に向かないのではないか』という発言が当時あったということで、過去の発言ではありますが、今のご見解は?

 また都庁にも優秀な女性がいらっしゃると思いますが、これから都庁の女性に関する登用について、どのようにお考えになられているのか?」

舛添都知事「そういう発言をいつ、どこでしたかなと、まったく記憶にない。ただ、そういう発言をしていたとすれば、それはまったく過去の話であって、今はまったくそういう考えではない。

 いろんな形で例えばTVタックルなんて番組に出たりして、田嶋陽子さんとやり合ったりしていて、男の立場でどうだとか、女の立場でどうだという、そういうこともあったかと思いますけども、25年前、だからもう記憶にもありませんし、人間はその後、成長も、進歩もするし、考え方も変わる。

 待機児童ゼロにしても、働く女性が人生の目的を遂げられないというのは、絶対ダメですよと言ってきた。女性の視点から政治を変えていかないといけない。そういう発言が本当にあったとすれば、全部取り消していただきたい。

 厚労大臣時に、今の次官である村木さんを局長に登用したのは私。それは女性だからではなく、彼女の能力を総合的に評価してのこと。そういう女性がもっともっとこの都庁でも出てくることを期待しています」

世界日報「子宮頸がんワクチンについて『データを集める必要がある』とのことだが、被害者連絡会は、全国的なアンケート調査を実施するべきだとおっしゃっている。東京都としては何か具体的な調査等の踏み込んだことをされるのか」

舛添都知事「私自身が関わっていたわけですから、当然他の方よりはるかに興味を持ってこの問題を扱ってますが、全国的な調査はやはり厚労大臣に指揮をとってもらはわないと。必要があれば、『ぜひそうしてくれ』と厚労大臣に言うことはできると思います」

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「舛添要一氏が都知事就任 子宮頸がんワクチン問題について「厚労省と協議して考えたい」」への1件のフィードバック

  1. hotaka43 より:

     にこやかに会見。
    これは保守系の人達の何時ものポーズ。あのニヤケタ顔は好きになれないなァ。出馬時の田中龍作氏からの質問回答でもそう思った。石破なんか本当に気持ち悪いもんね。そういえば安部がニヤケている顔この頃見ていないなあ。
     子宮頸がんの調査も、都内(都立病院。保健所への訴えやアンケートなど)だけなら権限で出来る筈。そこに言及しないのは、する気なし、と判断する。薬屋さんに儲けさせる方が先決と考えている証拠。宇都宮氏は被曝調査をすると言及していた。これは同じ系列のことで、この件は今後も事ある毎に追及すべき事柄だと思う。
     自分の子供への対応についての質問が出ていないのが疑問。追及すべき事柄。これから先都政に置いて子供達の生活をどうするのかの、重要な判断材料に成る事柄だ。

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