「いまだ知られざる壊国TPP」 日本農業新聞 緒方大造編集局長 インタビュー 2012.4.4

記事公開日:2012.4.4取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・原佑介)

 TPPの本質とは何なのか。3月15日に安倍首相がTPP交渉参加を正式に表明した。大手メディアが早速世論調査を実施。「TPP交渉参加を評価する」という回答が、朝日新聞の調査で71%、産経新聞が64%、毎日新聞が63%、読売新聞が60%となり、国民の大半が「賛成」であるという印象を植え付けようと必死である。

 しかし、TPPの「中身」については、国民のほとんどが「よくわからない」という意見だろう。政府やマスコミは意図的に情報を隠し、中身の議論は「密室」の中で行われている。IWJは、TPPについて数年前から精力的に取材・報道を行なってきた、日本農業新聞の緒方大造氏へ、昨年4月4日にインタビューを行った。インタビューでは、膨大な取材に基づき、TPPの歴史的経緯と、その本質に迫った。

■ハイライト

 本インタビューの模様に、詳細な注釈を加え昨年発行した、メルマガ第43・44・45号の合併号を、現在一般会員向けに公開中。こちらも一緒にご覧ください。
【メルマガ公開】いまだ知られざる壊国TPP 〜日本農業新聞編集局長緒方大造氏インタビュー 2013.3.9

 日本農業新聞は日本新聞協会に所属する農業専門の全国日刊紙。JAグループを基盤として発刊し、主に食と農の情報発信を行っている。TPPに対しても、大手メディアが翼賛報道一色の中、足並み揃えず、NAFTAやFTAの実態を取材し、事実を報じている。

 平均年齢66歳の日本農業の一番の問題は、担い手がいなくなっていること。15年間で、所得は半減し、農家は150万人減少。福島県の免責に匹敵する面積の農地がなくなった。さらに、3.11でも農業は大きな痛手を負った。「国土の再生、農業の再生は、地方の再生にも繋がる国家的最優先事項」だと緒方氏はいう。

 TPPに加入することで、現時点の40%から14%にまで下がるという計算を農水省は出しており、2010年3月、民主党が「新たな食料・農業・農村基本計画」の中で打ち出した食料自給率50%の目標に逆行する結果が出されている。

 重要品目である米は778%という高い関税で守ってきたが、TPPで関税が撤廃されることで海外の米が参入することになる。日本の平均農地が1~2ヘクタールであることに対し、アメリカは200ヘクタール、オーストラリアが3000ヘクタール。中山間地が占める日本は、絶対的な土地利用条件の差を乗り越えられない、と緒方氏。NAFTAによってメキシコ・カナダでは500万人の失業者、メキシコでは280万人の農家が離農を余儀なくされたという。

 民主党前原政調会長にみられる、「GDPの1.5%程度の農業などの一次産業のために残りの産業が犠牲になっていいのか」という趣旨の論調に対し、緒方氏は「どの国もGDPの数%の一次産業が国を支えている」とし、「日本は上流から荒れる。森が豊かでないと、ミネラルが流れず、海も荒れ、連鎖が壊れる。一枚の田んぼには5600種類の生物がいる。茶碗一杯のご飯を食べることで、赤トンボ一匹、ミジンコ10万匹、カエル3匹の命が維持できる。食べることで生態系や景色を守ってきたが、貨幣経済の中で、これらの恵みも手放してしまうことになる」と述べた。実際、緒方さんの取材によると、カナダの優良農地が米国企業に買収・転用され、採石場にされようとしていることが問題となっており、水質汚染などの環境問題が懸念されているという。

 さらに、インタビューの後半では、民主的手続きを踏まずにTPPを推進する官僚を批判。選挙で選んだわけでもない官僚が、日本の国益ではなく、アメリカの一部の投資家の利益の方向を向き、長い歴史で築いてきた国のシステムや国民生活を、1%の独裁資本主義に売り渡してもいいのか。本当に正しい国家100年の政策なのか」と訴えた。

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「「いまだ知られざる壊国TPP」 日本農業新聞 緒方大造編集局長 インタビュー」への2件のフィードバック

  1. ワイワイ より:

    プロジャーナリストの問いかけで、TPPの本質を語っていただきました。
    官僚の独善もさらしてくださいました。
    お二人に感謝です。

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見より) より:

    ※ 6/13まで動画全編公開中!お勧めです!
    「いまだ知られざる壊国TPP」 日本農業新聞 緒方大造編集局長 インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/69472

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