各政党の党本部を訪問、日中韓FTA第一回交渉会合開始―No ACTA No TPP 各政党本部陳情ツアー 2013.3.28

記事公開日:2013.3.28取材地: テキスト動画
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(石川優)

 今月28日まで韓国・ソウルで行われていた「日中韓FTA」交渉。「インターネットを解放せよ木曜官邸前抗議」を主催しているoffice99%・遠藤修一氏を中心としたメンバーが、28日、交渉が開始された日中韓FTAを含む経済連携協定の認識を伺おうと日本共産党をはじめ、各政党本部を訪問した。訪問した政党は、日本共産党、公明党、日本維新の会、自民党、民主党、みんなの党、生活の党。

 共産党は、はじめてTPP以外の自由貿易協定について明確に反対。「FTAAPはTPPの延長上つまり、アメリカ型のルールを盛り込むものだろう」との回答を得た。TPPについても、「超党派での勉強会をやらなければと思っている。自由貿易協定で事前に議会承認を経ないのはおかしい」とコメントしたという。

 一方で、みんなの党は、一貫してすべての経済連携協定に推進の立場を表明した。

■全編動画

28日、各政党本部を訪問し、得られた各党のTPP自由貿易協定の見解ー

●社民党

事前にFAXで回答。TPPについては、21分野にも及ぶ市場開放は、国民生活に悪影響があるとして断固反対。そして、日中韓FTAにおいては、東アジア地域における経済連携協定は否定はしないが、各国の食料主権や農業基盤を守り、公正で柔軟な内容が前提であることを理由に慎重の立場。RCEP・日欧EPA・FTAAPについては、「自由貿易を否定しない」との立場を示しつつも、「過度な自由化要求には歯止めをかけ、重要品目の関税削減や低関税輸入枠の拡大は認めない」と、慎重の立場。

●日本共産党

党本部のロビーにて、政策委員会の担当者が対応。TPPについては反対とし、かつ「超党派によるTPPの勉強会を開いたほうがいいと思っている」とも回答。また、FTAAPについて、これもTPPの延長上すなわちアメリカ型のルール、つながりであるとして反対の立場を表明。その他の日中韓FTA・日欧EPA・RCEPについては十分な情報がないとして、「判断できない」との回答。この日、TPP以外の自由貿易協定(FTAAP)について、反対と回答したのは、日本共産党だけだった。

●公明党

党本部に訪問したが、回答は得られなかった。党の方針については、会議を通す必要があるとの説明。

●日本維新の会・東京事務所

党本部のFAX番号が公開されておらず、PDFをメールで送付していたが、党の担当者からは「目を通していない。これから外出する」との返事のみで、回答を得られなかった。

●自民党

党の担当者からは、「一日に100通、200通とFAXがくる。対応しきれない」として回答は得られなかった。また、電話でのやり取りの際には、「日中韓FTAの交渉がはじまりましたが?」との質問に対して、担当者から「日中関係のお話ですか?」といったチグハグな回答もあった。

●民主党

事前に用意されていた、海江田万里代表の15日付けのTPP交渉参加表明を受けての声明をもって回答とするとの対応。党の方針として、貿易立国である日本において、高いレベルの経済連携の推進は積極的に取り組むべきであるとしている。

●みんなの党

質問書に対する回答を文書で得られた。TPP・日中韓FTA・RCEP・日欧EPA・FTAAPをいずれも推進。党の方針として、各自由貿易協定は力点・論点がそれぞれ違いがガラパゴス化した規制・制度の改革を進めるためにも同時並行的に推進し、様々なマルチ交渉を積み重ねることによって、国益を守る上での重要な論点が明確になってくるとしている。

●生活の党

現時点で回答はできない。時間はかかるものの回答を待ってほしいとの回答。

小沢一郎代表は会見で、RCEPをはじめとする自由貿易協定について党の方針を問うIWJの質問に対し、「議論されていない」との回答をしている。

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