「日本が参加する最初で最後の交渉」と懸念されていた、第19回TPPブルネイ交渉会合が、8月22日~30日の日程で幕を閉じた。
日本政府は、交渉の中身はもとより、何を「守るべきもの」として各国に提示したかも、「秘密保持契約」をたてに国民に明かそうとしない。
僅かに漏れ伝えられる報道では、日本が自らISD条項をTPPに含めるように主張したという驚くべきニュースや、マレーシアのマハティール元首相が強硬にTPPに反対していること、今回で全体会合は打ち切りとなり、今後は分野別の作業部会と首席交渉感だけの会合で話し合われる、といった内容が伝えられている。
果たして、実際のTPP交渉は今どうなっているのかーー。
9月3日、現地で情報収集にあたった、山田正彦元農水相、首藤信彦前衆議院議員など「TPP阻止国民会議」(旧・TPPを考える国民会議)のメンバーが、緊急報告会を行った。
冒頭、司会を務める徳永えり議員が、「甘利TPP担当相はマレーシアの貿易産業相に『(TPPに対する日本の)反対派は徐々に静まりつつある。(状況は)半年前ほど深刻ではない』と語ったというが、とんでもない。TPPに入ってはならないという国民の声は、ますます広がっている」と語り、会の名称を今後は「TPP『阻止』国民会議」と変更する旨を発表した。