「この(TPPの)問題は終わっていない、これからさまざまな働きかけを行なっていかなければならない」―。5月15日に行われたTPP緊急学習会「ペルー交渉へ参加!&米国視察最新報告」の開会あいさつで、PARC共同代表の大江章氏はこのように述べ、参加者、市民への協力を呼びかけた。
(IWJ・安斎さや香)
特集 TPP問題
「この(TPPの)問題は終わっていない、これからさまざまな働きかけを行なっていかなければならない」―。5月15日に行われたTPP緊急学習会「ペルー交渉へ参加!&米国視察最新報告」の開会あいさつで、PARC共同代表の大江章氏はこのように述べ、参加者、市民への協力を呼びかけた。
■ハイライト
事務局長の内田聖子氏からは、前回シンガポールで行われた16回目のTPP交渉会合、そして15日からペルーで開催されている17回目の交渉会合での交渉に関する分析と、国際NGOの取り組みについて、報告があった。今後の交渉会合は、今回のペルーを含む残り3回で、7月にマレーシア、9月には米国で行われ、参加11カ国が顔をそろえる10月のAPECまでに交渉をまとめていきたいという構想をUSTRは描いているが、そう簡単なことではなく、不透明な状況であるという。
特に問題となっているのは知的財産・所有権に関わることであり、企業が持つ知財を強化してほしいという米国の主張があるものの、これは途上国側の主張と真っ向から対立。「そう簡単に11カ国の意思がまとまるとは思えない。5分5分ではないか」、との見解を示した。
「日本はまだ(TPPに)参加していないが、交渉自体がどうなっているのか、情報ハンディがある。反対のための具体的な方法論を考えなければいけない。4月12日の事前協議での結果は日本のボロ負け、なんでもかんでも差し出して交渉参加したいということが招いた結果」であると批判した。
また、今回で17回目となるペルーでのTPP交渉会合で重点的に議論されるのは知的財産・所有権、環境、法的措置などであると分析し、可能な限り情報を集め、「企業のグローバル化の本質は企業に最大限の自由を与えるということ。これを1国だけで反対しても効力はない。(他国の国際NGOと連携しながら)一緒に闘っていきたい」とした。
続いて、前衆議院議員の首藤信彦氏により、米国議会および関係団体におけるTPPの現状報告があった。「TPPは昨年まで、打壊寸前であった」と述べ、日本がTPPに取り込まれてしまう可能性は25%ほどであると主張した。また、「日本が参加をするには米国が決める。国際協定において、米国議会の承認を必要とするということは日本に主権がないということであり、驚愕の事実であった」と語った。
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