4.2拡大行動 STOP TPP!! 官邸前アクション 2013.4.2

記事公開日:2013.4.2取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

特集TPP問題

 「もし、国益が守られないと判断すれば、途中で席を立つ、そんなことはできない」―

 2013年4月2日(火)18時、東京都千代田区の首相官邸前において行われた反TPP集会「4.2拡大行動 STOP TPP!!官邸前アクション」に参加した東京大学の鈴木宣弘教授は、このように述べ、TPP加盟への危険性を訴えた。この集会は、TPPに反対する市民らが毎月第1火曜日に抗議行動を行っているもので、約150名の参加者が、降りしきる雨の中で約1時間半にわたり、政府によるTPP交渉事前協議の参加に対し、抗議の声を上げた。

■全編動画

  • 内容
    1.恒例!「サルでもわかるTPP」 政府試算の嘘を暴く!
    2.自民党に何が起こったのか?野党は? 徹底解剖TPP政党マップ
    3.徹底分析 日米の「事前協議」で何が話されているのか?
    その他、国会議員、ゲストスピーチなど
  • 日時 2013年4月2日(火)18:00~
  • 場所 首相官邸前(東京都千代田区)
  • 主催 STOP TPP!! 官邸前アクション実行委員会

 冒頭、主催者が、「安倍総理によるTPP交渉参加表明は公約違反だ。本当に腹立たしいが、まだ加盟が決まったわけではない。なんとしてでも撤回させよう」と挨拶した。続いて、TPP反対の論陣を張る東京大学の鈴木宣弘教授がマイクを握り、「TPP加盟国でルール決めがすでに行われており、日本が今から参加してもわが国に有利なようにルールは変えられず、国益が守られることはない。政府関係者は『もし、国益が守られないと判断すれば、途中で席を立つ』などと言っているが、そんなことはできない」と政府の姿勢を批判した。その上で、「私はTPPの件で全国津々浦々を回って講演しているが、みんな怒り心頭だ。今後もTPP反対の大きなうねりをつくっていかねばならない」と訴えた。

 日本共産党・紙智子参議院議員は、「TPPはアメリカが主導し、一部の多国籍企業のために各国独自のルールを変えさせ、ISD条項などを押し付けるものだ」など、TPPの危険性を語った。全国保険医団体連合会(保団連)の室井正氏は、「TPP加盟によって、国民医療費の32兆円がアメリカと日本の大企業の『市場』にされる。結果、国民皆保険制度が崩壊し、お金の有り無しで命が左右されることになる。許されないことだ」と批判した。また、北海道岩見沢市からの参加者は、「自民党はTPPを断固阻止すると言って政権を獲ったのに、それをあっさりと覆した。どの面(ツラ)を下げているのか」と怒りをあらわにした。

 抗議集会は、参加者向けの「即席勉強会」も兼ねており、自民党が掲げた公約である「聖域なき関税撤廃を前提としない」「自動車輸入枠設定には応じない」「国民皆保険を守る」「食の安全を守る」「ISD条項に同意しない」といった項目を死守するのは極めて困難であることなどを解説した。その上で「不幸にも、日本がTPPに加盟することになった場合、加盟は最短でも9月になる。その場合、加盟後に交渉できるのはたった1回だけだ。一体どうやって自国の意見を通すというのか」と疑問を呈した。また、与野党問わず、賛否が大きく割れていることについて、「民主党から『TPPには反対の方向で調整する』という話が出ているが、TPP問題を呼び込んだ張本人が何を言っているのか」とこき下ろしたほか、自民党については、「党内部で賛否が割れている。国民の反対世論の後押しが必要だ」とした。

 参加者からのマイクアピールや「即席勉強会」の合間には、シュプレヒコールが何度も織り交ぜられ、「TPPは要らない、農業守ろう」「子どもの未来にTPPは要らない」「普通の庶民にTPPは要らない」「TPPは要らない、医療を守ろう」など、様々な訴えにより、通行人や「永田町」にTPPの危険性を訴えかけた。

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