TPP賛否で揺れる米国の実情 ―日米の共同歩調で進む「知的財産権強化」の危険性 ~岩上安身によるトーマス・カトウ氏インタビュー 2013.11.18

記事公開日:2013.11.22取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・佐々木隼也)

特集 TPP問題
サポート会員議事に全文文字起こしを掲載しました(2014年6月10日)

 TPPを議論する際に、決定的に足りない情報がある。米国の戦略と狙いである。11月18日、米国在住の国際コンサルタントで、米国議会の専門家でもあるトーマス・カトウ氏に、岩上安身がインタビューした。TPPにおける米国の狙いとその背景、また賛成派と反対派に割れる米国議会の詳細な動向など、日本では決して報道されない内情について話を聞いた。

■イントロ

インタビューでは他に、賛成派と反対派で揺れる米国議会の内幕など、米港議会ウォッチャーであるカトウ氏の生のレポートを報告。またNAFTAの教訓から画期的な製造業保護政策をとるオバマ政権と、まったく逆の政策を進める日本政府の愚について。さらに中国の輸出の68%が多国籍企業という驚くべき数字を紹介し、単純に「対中包囲網」と論じることのできない、TPPにおける複雑な米中関係について、詳細に語っていただきました。

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TPPの目的は「WTO協定の強化」

 カトウ氏はまず米国がTPP交渉を進める目的の一つ、「米国の輸出増戦術」について解説した。カトウ氏はTPPの本質を「WTO協定の強化」と分析する。厳密にはその中で知的財産権に関わる「TRIPS規定」の強化が目的であり、「考えうるすべてのイノベーションに特許を付与するという考え方」だという。

 人間が開発した微生物にまで特許を付与しようというこの考え方は、やがてモンサントなどが遺伝子操作で創り出した作物や種に特許を与えることによって、世界の食糧市場の独占につながるおそれを秘めている。カトウ氏によれば、先日ウィキリークスが暴露したTPP交渉テキストでも、この「TRIPS規定」の強化が議論されているという。

「知財強化」に対抗するための方策

 さらにこの知財の強化には、「インターネット規制」も含まれているという。インターネット・ブロバイダ側が、著作権の侵害が行われていないかを監視し、違反しているものを即刻削除しなければ、民事と刑事で罪に問われる非常に厳しい規制である。これにより、「業者は監視スタッフを雇わなければならなくなり、小規模業者は破産に追い込まれていく」とカトウ氏は警鐘を鳴らす。

 また、著作権を侵害する写真を、市民が個人使用で送受信するだけで規制の対象になる可能性があるという。

 こうした知財の強化に対抗する手段として、カトウ氏は米国に根付く「フェアユース」の原則を紹介した。「フェアユース」とは、著作権権利者でなく使用者側を保護する考え方で、公正な利用(フェアユース)に該当すると評価されれば、その行為は著作権の侵害にあたらないというもの。カトウ氏は、「日本では裁判所でもまだこの考え方が浸透していない」と語り、周知の必要性を訴えた。

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