「交渉力を駆使し、我が国として守るべきものは守り、攻めるものは攻めていきます」――。3月15日、安倍総理はTPP交渉参加声明にあたって、記者会見で強調した。
それから約一ヶ月後の4月12日、「日本のTPP交渉参加を米国に承認してもらうため」に行なっていた、日米二国間の事前協議が決着した。
「強い交渉力」で臨んだはずの安倍政権は、蓋を開けてみると、米国に「牛肉」「保険」「自動車」分野で譲歩に譲歩を重ね、驚くほど不平等な条件をのまされたことが明らかになった。その詳細を見ると、屈辱の不平等条約とされる米韓FTAで韓国がのまされた条件よりも、さらに一段と不利な条件をのまされている。
安倍氏も自民党も、「守るべき国益は守る」と、昨年の衆院選前から繰り返し豪語してきた。それがどうしたことか、「守るべきもの」を何ひとつ守ることができていない。TPPという「ぼったくりバー」に入るために、莫大な「入場料」を払わせられている現状は、安倍政権には対米交渉能力が皆無であることをはっきり示している。
「牛肉」については早々に米国に譲歩
TPP交渉参加の「入場料」の一つである「牛肉」については、日本政府は早々に譲歩している。
2001年に国内で狂牛病の発生が確認されて以来、日本政府は、「食の安全を守れ」という声の高まりに押されて、規制を強化してきた。米国はそうした規制の緩和を強く求めてきたのだが、今回、米国の規制緩和要求をほぼ丸呑みするかたちで、日本政府は今年4月、BSE検査の対象月齢を、21カ月以上から30カ月超に引き上げた。
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さらに、7月にも検査対象を48カ月超に緩和し、全国の自治体が自主的に行っている全頭検査も廃止するよう求める方針である。今後は、この規制緩和を、米国の要求通り、米国産など輸入牛肉へ適用していく予定だ。我々日本国民の「食の安全」や「食糧自給」に大きく影響する決定事項を、安倍政権は米国におもねるかたちで性急に進めている。
「自動車」分野では、米韓FTA以上に不利な条件で合意
4月12日に発表された、日米事前協議の合意文書によると、自動車分野では、米国側が輸入する日本車にかける関税撤廃までの期間は、最大限に「後ろ倒し」され、その期間は「米韓FTA(最長10年)を上回る」とされることがほぼ決まった。
つまり、TPP発効後、10年以上にわたり米国は輸入される日本車に対して関税をかけ続けるわけである。同文書では、米韓FTAにおける、米国内の輸入韓国車に対する関税撤廃までの猶予期間(乗用車は5年・トラックは10年)を「実質的に上回る」ことを確認したとしている。
では、日本側はどうかと言えば、日本はすでに1978年に、「関税定率法」により、輸入車に対する関税を撤廃している。米国からの輸入車に対して、そもそも日本側は関税をかけていないのである。他方、米国側は日本車に対して関税をかけ続けるわけである。不平等きわまりない話ではないか。
米韓FTAは、韓国が事実上、米国の「経済植民地」となってしまった途方もない「不平等条約」とも評されているが、それよりも不平等な条件を安倍政権はのんでしまったのである。
だが、話はそれだけではとどまらない。
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日本から全てを毟り取るためのTPP。言いなりにならざるを得ないのは軍事力が弱い、つまり核兵器持っていないから。
軍事力が劣ると言いなり。実はタダそれだけなんだよね。
TPPに核兵器 軍事力は関係ないでしょう。アメリカの言いなりばかりを公言するが、環太平洋はアジアの経済取引をスムースにしてお互いの経済の発展を期待し仲良くしようということで、アメリカはむしろ日本より中国の参加にターゲットを置いてるのであってそのためには、日本の協力が必要なんです。BSE検査の対象が21か月から30か月以上に変わったから、安全でない牛肉が日本にはいいてくると心配してるんでしょが、このグローバルの時代に、ハワイ、アメリカ本土に定住、渡航してる日本人がアメリカの肉が危ないからと言って食べないわけないでしょう。そういう安全基準もルールを同じくして行こうということでしょ。かってナポレオン、ジョニクロなんか1本5~10万ぐらいで自己満足してた日本人、今は何千円の世界。コンニャクに700倍の関税をかけてるなんて。戦後68年アメリカの基地が日本のあちこちにあるおかげで、自衛隊から犠牲者はいまだゼロ、北朝鮮、と韓国はいまだ、敵対してる。韓国もアメリカがいなければ、北朝鮮と中国にとっくに併合されているでしょう。