2013年1月29日(火)10時45分から、東京都千代田区の経済産業省で、茂木敏充経済産業大臣の定例会見が開かれた。ダボス会議でのUSTRのカーク通商代表との会談について、「TPP交渉において例外が認められるのか。関係者との間で感触は得ているか」との質問が出た。これに対し茂木大臣は「感触は得ている」と、例外品目の交渉が前進していることをにおわすコメントを述べた。また、経済センサス活動調査の報告があり、大臣は「日本のものづくり、製造業の復活、付加価値の高いサービス産業の創造に向けた貴重なデータになる」と、調査データを評価した。
- 日時 2013年1月29日(火)10:45~
- 場所 経済産業省(東京都千代田区)
冒頭、茂木経済産業大臣より、経済センサス活動調査の速報に関する報告があった。平成24年の2月に実施したこの調査は、日本において、初めてすべての事業者を対象としており、言わば経済における国勢調査となるものである。茂木大臣は「これにより、企業の経済活動の実態を把握することができる」との考えを示した。詳細な報告は、製造業については3月、その他の産業については、8月以降に順次報告される見込みである。今後の成長戦略にあたり、大臣は「日本のものづくり、製造業の復活、付加価値の高いサービス産業の創造に向けて、貴重なデータになる」と評価した。
続いて質疑応答では、ダボス会議でのUSTRのカーク通商代表との会談に関する質問が出たが、大臣は「二国間の全体の経済関係、TPPを含むさまざまな経済連携について意見交換をした」と述べるにとどまり、外交の問題に関するコメントの公表は差し控えるとのことであった。しかし、その後、「TPP交渉において例外が認められるのかどうか。関係者と話を進めている中で感触は得ているか」との質問に、「感触は得ている」と応じて、例外品目の交渉が前進していることをにおわせた。
IWJは、23日に開かれた、自民党の『TPP参加の即時撤回を求める会』の会合で配布された会員名簿に、茂木大臣の名前もあった件に関して質問した。大臣は「名簿の件は、どなたが悪いとは申し上げないが、入会はしていない。会の事務局にも(大臣の)事務所から話はしており、名簿から名前を削除するか否かは、会の判断に任せる」とした。
30日の電事連との懇親会に関する質問には、「電力の安定供給という、国として極めて重要な対応だと思っている」と述べたほか、「原子力、電力システム改革に対する考え方などについて、それぞれの立場の意見を聴いていきたい」と述べた。
25日の日本経済再生本部で、安倍首相から指示を受けた、エネルギー基本計画を含む前政権のエネルギー政策のゼロベースでの見直しについて聞かれると、「エネルギー基本計画については、エネルギー情報調査会において、組織のあり方なども含め、早急に検討に入る」と答えた。
来年度予算についての質問には、「安倍政権として、経済の再生は最優先の政策であり、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3つの矢で政策を進める。平成24年度の補正予算で10兆3000億円規模の景気対策を出しており、29日に閣議決定する本予算案は財政比率にも配慮したものになる。この補正予算と本予算とで景気の安定を図っていく」との見方を示した。
敦賀原発の活断層の問題では、原子力規制委員会が検討中であることから、「まだ最終結論が出たとは考えていない」とし、明確なコメントは避けた。