2013年3月15日（金）18時から、東京都千代田区の参議院議員会館で「安倍首相『TPPに関する記者会見』を受けての市民緊急集会・記者会見」が行われた。「STOP TPP!!官邸前アクション」の緊急集会に集まった参加者は、安倍首相の会見を視聴した。TPPへの参加を正式に表明した安倍首相に対し、内田聖子氏は急遽作成した抗議文を読み上げた。

• 会見者 内田聖子氏（アジア太平洋資料センター 事務局長）

• 日時 2013年3月15日（金）18:00～
• 場所 参議院議員会館（東京都千代田区）
• 主催 STOP TPP!!官邸前アクション

　安倍首相がTPP交渉への参加表明を正式に発表したことに対し、内田氏は「多くの反対の声を押し切り、参加を表明したことは、先の選挙における『TPP参加のための6項目』という公約を、自民党が裏切ることだ。すでに交渉に遅れて参加する日本は、圧倒的に不利な条件を飲まなければ交渉に参加できない。安倍首相と自民党は、日本にとって、侮辱的であり、不平等・不正義である条件を受け入れ、国を売り渡してもいいと判断したということだ」と、強い口調で批判した。

　内田氏は、安倍首相の会見中にまとめたという抗議文を、以下のように読み上げた。「アメリカや日本の多国籍大企業の利益のために、国民の命と暮らし、雇用も地域も犠牲にするTPPへの参加は、絶対に許されるものではない。安倍首相の参加表明は、幾重にも国民を愚弄している。そもそも公約したことを『公約ではない』と言い逃れ、影響試算を示して国民的な議論に付すと言いながら、参加表明後に影響試算を示すなど、国民を馬鹿にしている。今回の参加表明にあたっては、まだ国民に公表されていない、日米の『合意』などが存在していると確信している。私たちは、このような非民主的で反国民的な行為を許すわけにはいかない。TPPの危険性を国民と共有できるよう、さらに運動を広げるとともに、参加表明に至った、さまざまな非民主的行為の暴露、さらには参議院選挙での国民的な審判も通して、安倍首相の参加表明を撤回させることを目指す」。内田氏が「本当に怒りで震えるが、絶対に、これを許してはいけない」と呼びかけると、会場の参加者からは大きな拍手と声援が飛んだ。

　参加者からは「日本は、韓国から学ばなければならない。米韓FTAによって、アメリカの大手製薬メーカーの利益のために、韓国では安価なジェネリック薬が買えなくなっている」「TPPは農業だけの問題ではない。危険性を国民に知ってもらえるよう、安倍首相の交渉参加表明を撤回させられるよう、大きな声で反対し続ける」などの声が上がった。