「最後の国会批准まで反対していく」ーー醍醐聰東京大学名誉教授を中心とする「TPP影響試算作業チーム北海道現地調査団」は、札幌滞在の2日目となる朝、まずはJA北海道中央会との意見交換を行った。
調査団からは、醍醐氏の他、土居英二静岡大学名誉教授、三好ゆう桜美林大学専任講師も同席。取材は冒頭の挨拶部分のみで、意見交換の取材は許可されなかった。
冒頭、JA北海道の村上常務理事は「今の段階では交渉に入るべきではない。最後の国会批准まで反対していく」と語り、JA北海道としてTPP交渉参加には反対の立場であるとあらためて語った。
- 日時 2013年5月14日(火)
- 場所 道全国中央会本部ビル(北海道札幌市)
▲JA北海道全国中央会本部ビル
▲「TPP交渉参加への反対」の横断幕が掲げられていた
▲左から、醍醐聰東大名誉教授、土居英二静岡大名誉教授、三好ゆう桜美林大学専任講師
以下、冒頭あいさつ部分の書き起し
醍醐先生「醍醐と申します。昨日は北海道庁と意見交換会をさせていただきました。私たち大学教員も、独自に試算をだしています。今月末までに結果を発表しようと最後の段階まできました。今、最後の数字を詰めているところです。
ただ、数字の背後にある現実をしっかり見なければならないだろうと、そういうわけで北海道に参りました。政府は重要品目として5品目と決めています。全国的に見るとそうかもしれない。しかし都道府県別に見ると実情は違う。
各都道府県に、これこそが重要品目だ、というものがあると思う。例えば、群馬県のコンニャク。群馬県で全国の90%を生産している。群馬にとってはコンニャクがまさに重要品目です。しかし国の重要品目には入ってません。
原材料の中でも、川上と川下との区別をどうするか、これだけでも全税違ってきます。あるいは流通がどういう影響を受けるのか。現実を見たいと思い、影響が甚大とも言われる今日はこれから十勝・帯広にも参ります。
私は、TPPからの即時撤退を求める大学教員の会をやらせていただいております。TPPは地域を壊し、日本人の食生活を壊す。デメリットは何もない。現在、897人の大学教員が賛同してくださっています。
JA北海道の皆様とも、幅広く連携をさせていただけるのではないかと思っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
▲JA北海道中央委員会職員の方
JA北海道中央会村上常務理事より挨拶。村上常務「897名の先生方がオピニオンリーダーとして全国で活躍いただけるものだと思っております。オール北海道で道民会議を作ってまして、真っ向反対から慎重だという意見まで色々あります。
政府は7月の交渉開始に向けて大きく舵を切ってますが、今の段階では交渉に入るべきではないと。最後の国会批准まで反対していくと。我々としてはそういうかたちで進めていきたいと思っています。
先生方と協力させていただいて、TPP反対の世論形成を粘り強くやっていきたいと思います。十勝の現場をつぶさにご覧いただいて、そちらを発信していただければと思います。今日は有意義な意見広告をさせていただければ。
私どもとしても、マスコミ対策として、CMを流すですとか、新聞に意見広告を載せるですとか、色々やっております。今日はよろしくお願いいたします。
ここでマスコミ(日本農業新聞含む)退席
▲会議室内に掲げられていたJAの綱領