「TPPを考える国際会議」開催 ~TPP参加反対の機運高まるマレーシアの野党幹部、米韓FTAで揺れる韓国の弁護士がそれぞれ現状を報告 2013.10.1

記事公開日:2013.10.1取材地: テキスト動画
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(IWJ・佐々木隼也)

特集 TPP問題

◇マレーシアではTPP反対が大きな国民運動に

 10月1日、山田氏が副代表世話人を務める「TPP阻止国民会議」が、マレーシアの野党幹部と、TPPの先行モデルである米韓FTAの苦境にあえぐ韓国の弁護士を招き、「TPPを考える国際会議」を開催した。

 驚くべきことに、衆議院議員会館の国際会議室を貸しきっての大規模な会議にも関わらず、取材に訪れたメディアは日本農業新聞とIWJのみ。マレーシア人民正義党のヌルル・イッザー・アンワル議員は、そうした日本のメディアの報道姿勢を批判しつつ、「マレーシアでは、野党とNGOが、twitterやfacebookなどのSNSを使って緊密に協力し合い、やがて与党議員の中にも耳を貸す者が現れ始め、大きな力に発展した」と語った。

■マレーシア報告

■米韓FTA報告

■全体質疑

■記者会見

  • 内容
    10:00~12:00 マレーシア報告
    13:00~14:30 米韓FTA報告
    15:00~17:00 全体質疑
  • 報告者
    ヌルル・イッザー・アンワル議員(マレーシア マレーシア正義党)
    チャールズ・サンチャゴ議員(マレーシア 民主行動党)、徐尚範氏(韓国 弁護士) 他

 マレーシアでは、こうして与野党の国会議員が協力し、政府に圧力をかけることによって、徐々に情報開示させることに成功しているという。

◇TPPの本質は非関税分野

 また韓国側ゲストとして報告を行った郭洋春(立教大教授)は、TPPの先行モデルである米韓FTAが発行してから1年足らずに起きた主な出来事を紹介。

 郭教授によると、実は米韓FTAで、関税分野での損害はごく僅かしかないという。2012年4月、経済自由区での自由診療許可は「医療」分野。同年5月にはマイクロソフト社が賠償請求、これは「知的財産」分野。同年6月にはBSE発生も、十分な調査ができず輸入継続、これは「食の安全」分野。同年10月には経済自由区内での「営利」病気開設を許したが、これも「医療」分野。他に同年11月、ローンスターによるISD発動など、韓国に打撃を与えたのはほとんど関税以外の非関税分野である。

 郭教授は、「日本は『関税分野など主要部分の交渉はまだこれから』と強調するが、TPPで本当に打撃を受けるのは、こうした日本の法、制度、慣習などの非関税分野だ」と指摘し、「TPPの本質は、こうしたうっかり見過ごしがちな非関税分野をまず変えてしまい、都合の良い国にしたうえで、後から堂々と関税を下げさせるもの」と分析した。

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