【特集】自民党の憲法改正草案の正体

目次

  1. 注目記事ピックアップ
  2. 自民党の憲法改正案についての鼎談シリーズ(全12回)
  3. 超党派議連「立憲フォーラム」

注目記事ピックアップ

 「村山首相談話を継承し発展させる会」は3月2日、参議院議員会館で記者会見を行なった。中国共産党幹部らとの会談のため、来週3月9日から13日の日程で訪中する。訪中団は、団長に同会共同代表の鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授、副団長に元外務省中国課長で元広島平和研究所長の浅井基文氏。元外務省レバノン特命全権大使の天木直人氏や西山太吉・元毎日新聞政治部記者らも同行する。

 これまで政府は、過去の植民地支配、戦争責任などのいわゆる歴史認識について、村山談話、河野談話を政府の公式的見解と位置づけてきた。

 今年2015年、戦後70年を迎えるにあたって、安倍首相は、日本政府がこれまで踏襲してきた村山談話、河野談話から、新たに安倍談話を公表するための作業を始めた。先月2月25日には、この安倍談話の中身を議論する、16名の有識者で構成される「20世紀を振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(21世紀構想懇談会)も発足した。

「国を取り人命を取るのに家具位を師団が持ち帰る位が何かあらん」~虐殺・強姦のみならず、頻発していた略奪・かっぱらいへの罪悪感の欠如
 17日の記事では「戦争中も軍紀は守られていた。そんな残虐行為ができるわけがない」「憲兵がおりますけん、違反はできんし、われわれも絶対にせんかった。軍紀はそれほど厳しかったとです」といった証言が紹介されていますが、これも当時の日本軍の一般的な状態を的確に表現したものとは言えません。

 2015年2月15日の『産経新聞』が一面トップで南京事件否定論(注1)を展開したことに驚かされた人は少なくなかったようで、ツイッターの私のタイムラインでも盛んに話題になっていました。しかし南京事件否定論は「慰安婦」問題否認論よりもはるかに長い歴史をもっています。みなさんが驚かれたとすれば、それは2000年代の後半に下った2つの判決によって、南京事件否定論がやや勢いを失っていたからです。

 「日本文化チャンネル桜」の水島総社長と外交評論家の加瀬英明氏は2月23日、「朝日新聞の虚報により名誉と信用を毀損された」として、8749名が原告となり、先月1月26日に東京地裁に提訴した裁判についての記者会見を日本外国特派員協会で行なった。

 会見で水島氏は、訴訟の原告が「右翼」ではなく、「ごく普通の日本国民」だと主張。

 質疑応答では、海外メディアが、朝日新聞報道は海外ではポジティブに見られていることを指摘する一幕があった。これに対し加瀬氏は、「ここのジャーナリストの方が、日本について、まったく無知で、いい加減なことを触れ回っているから、日本の評判が悪くなっている」と反論し、水島氏も「朝日新聞と同じようなイデオロギー色に満ちた、そういった報道しかしていない」と、日本から発信する海外メディアの報道姿勢を強く批判した。

◆集団的自衛権行使容認、政府・自民党と一定の距離感◆

 公明党の山口那津男代表は25日、外国特派員協会で記者会見を開き、集団的自衛権の行使容認に前向きな小松一郎前駐仏大使が内閣法制局長官に就任したことについて「内閣法制局は組織として、長い時間をかけて解釈を作ってきた。解釈に小松さん個人の意見が反映されるものではないし、変更は容易ではない」と述べ、憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認は難しいとの考えを示した。

 阪田雅裕元内閣法制局長官、90分ものロングインタビューは超異例。様々なことがクリアになった。中国と北朝鮮の脅威が仮にあるとしても自衛権の発動は何の問題もなく現行憲法下、従来の解釈で可能。

 では、何のために大騒ぎして、集団的自衛権の行使容認を、解釈改憲という、法治国家ではあり得ない禁じ手を使ってでも強行しようとするのか。日本の周辺海域で起きるのではない、日本の自衛とはまったく関係ない、米国の引き起こす戦争への参戦のためである。阪田元長官の取材でそれが明らかに。

 安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が9月17日、首相官邸で議論を再開した。会議に出席した安倍総理は、歴代の政府が、憲法解釈上認められないとしてきた集団的自衛権の行使について、「いかなる憲法解釈も、国民の生存や存立を犠牲にするような帰結となってはならない」と述べ、憲法の解釈を変更することで行使を容認することに改めて意欲を示した。

 安倍政権のこのような動きに対し、阪田雅裕元内閣法制局長官は「解釈改憲には理がない」と警鐘を鳴らす。

 「改憲対護憲」から「壊憲対立憲」へ――。

 早稲田大学教授で憲法学が専門の水島朝穂氏は岩上安身のインタビューに応え、憲法の根幹は「権力者を縛る」という「立憲主義」の考え方にある、と語った。

 水島教授によれば、日本国憲法の条文には4ヶ所だけ「のみ」という文言が登場する。それが、天皇の機能の限界を定めた4条、婚姻を定めた24条、裁判官の独立を定めた76条3項、そして特別法の住民投票を定めた95条である。水島教授はこれらの条文をあげ、「日本国憲法は、権力者を縛る、立憲主義を体現した条文を備えている」と語った。

 「この世は生きるに値すると、伝えなければならない」──。

 2013年9月6日(金)14時、東京都武蔵野市のホテルで、アニメーション映画監督の宮崎駿氏が会見を開き、公開中の最新作『風立ちぬ』をもって長編映画の制作から引退することを宣言した。これにより『風の谷のナウシカ』(1984年)、『となりのトトロ』(1988年)、『もののけ姫』(1997年)など数多くの名作を世に送り、日本のアニメーション映画を長年牽引してきた巨匠の引退が正式に伝えられた。スタジオジブリの星野康二社長の進行で、鈴木敏夫プロデューサーの同席のもと、宮崎氏は自身の心境を語った。

 「『英霊』という言葉に惑わされず、軍隊の実態を考えていかなくてはならない」──。

 2013年8月10日(土)13時より、東京都千代田区の在日本韓国YMCAで、「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 2013キャンドル行動 国防軍の名の下ふたたび『英霊』をつくるのか」が行なわれた。今回で第8回目となる同イベントでは、靖国神社の設立目的や戦時中に果たした役割、戦死者の「英霊」化の裏で何を隠蔽してきたのか、などを取り上げている。

 「いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていったんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」――。

 これは、7月29日、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が代表を務める、民間のシンクタンク・国家基本問題研究所が開催したシンポジウムの場で飛び出した、麻生太郎副総理の発言です。

 ― 自民党と警察による「表現の自由」の侵害 ―

 「原発廃炉に賛成? 反対?」と書かれた紙のボードを持って、安倍総理の街頭演説に来ていた女性が、警察官に取り囲まれて、まだ掲げてもいないボードを没収された。そのあとも、警官らは、しつこく氏名、住所、電話番号をたずね、女性は逃げるようにその場をあとにした。

 許すな!憲法改悪・市民連絡会は2日(金)、緊急院内集会を開いた。自公政権が参院選で議席数を増やしたことにより、日本国憲法を改正する動きが活発になってきた事を受けて福島みずほ議員や吉良よし子議員ら多数の野党議員が集まり、憲法改正に異を唱えた。

 「安倍政権の新憲法草案は、アジアの平和を乱し、日米同盟の基本的価値観に矛盾する」。

 元防衛官僚の柳澤協二氏は「この改憲議論には、国家的メッセージがない。なんのための改憲かわからない」と指摘した。6月に刊行された『改憲と国防』(旬報社)の共著者3人が、集団的自衛権の危険性、安倍政権が成立を狙う「国家安全保障基本法」の実態、尖閣諸島をめぐる、日本、アメリカ、中国の思惑など、この国の安全保障の現状と課題を、それぞれの視点から語り合った。

 「憲法とは、権力という暴走可能性のある列車の暴走停止システムだ」――。

 東京・文京シビックセンターで行われた憲法集会「『脱原発』や『戦争反対』を口にできなくなる!自民党改憲草案21条の問題点」に登壇した梓澤和幸弁護士は、96条改正によって、改憲発議要件が衆参両院「3分の2以上の賛成」から「2分の1以上の賛成」に改訂されることは、「憲法への死刑宣告である」と指摘。「権力という暴走可能性のある列車の暴走停止システム。ヒトラーが仮に政権を握っても、自動的に止まるように作られたものだ」と述べ、参院選最大の争点としてメディアが取り上げなかったことについても「全然勉強していない」と憤りをみせた。さらに、「表現の自由のなぜ目の敵にするのか」と問題提起し、自民党改憲案などで多くみられる「公益及び公の秩序」の名のもとで行われる「表現の自由」に対する規制について、小林多喜二の人生などを紹介しながら批判した。

 2013年6月8日(土)14時、神戸市中央区の神戸市勤労会館において、弁護士で慶應義塾大学教授の小林節氏による講演会「改憲派が斬る!96条改正に異議あり!」が開かれた。「9条の心ネットワーク」など、兵庫県の護憲派3団体が共同で開催した。

 2013年5月21日(火)13時から、東京都千代田区の参議院議員会館で、「『ナチス台頭を許さないために 立憲主義の意味を問う市民集会』 ~立憲主義を破壊し、憲法改悪を容易にする96条改憲に反対する5・21院内集会」が行われた。ゲストとして招かれた清水雅彦氏は、憲法とは国に対する統治規定であると強調し、自民党の掲げる憲法96条改正案の問題点を指摘した。

 「憲法が危ない!3連続学習講座」において、羽柴修氏(9条の心ネットワーク事務局長)が「自民党改憲草案と秘密保全法」というテーマで講演を行った。羽柴氏は、兵庫スモン薬害訴訟や尼崎道路公害訴訟など数多くの裁判において、原告弁護団の事務局長や責任者を務めている弁護士である。

 羽柴氏は、自民党政権、とりわけ安倍晋三首相の軍国主義的な姿勢について懸念を示し、集団的自衛権の行使などを禁ずる、内閣法制局による5項目の政府公式見解を紹介した。これに関連し、公海上で攻撃された米艦の防護や、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃、PKO参加中に攻撃された他国軍の救援、戦闘地域での他国軍への後方支援という4項目(安倍4類型)を、「独立国家であれば持っている当然の権利。現行憲法9条の下でも行使できる」と安倍首相が従来から主張していることを紹介した。

 国分寺労政会館で「憲法学習会『自由が危ない!!国防軍だけじゃない 自民党改憲草案の危険』」が行われた。梓澤和幸弁護士が講演を行い、4月5日付朝日新聞の記事について触れ、日本維新の会・石原慎太郎共同代表が、憲法改正のインタビュー中「日本は強力な軍事国家、技術国家になるべきだ。国家の発言力をバックアップするのは軍事力であり、経済力だ。」と語っている。梓澤弁護士は、この点を引用し、「自民党の本音を、日本維新の会が先走りで言っている」と分析。自民党の改憲草案が、軍事国家の体系を示しており、まさに自由がないと指摘した。

 「個人の自由や権利が束縛され、自民党が支配しやすい国家になる」。右翼団体・一水会顧問の鈴木邦男氏は、「『右傾化する日本』を新右翼としてどう見るか ──改憲、愛国心強制、排外主義を乗り越えて」と題した講演会でこのように述べ、「アメリカに追随する憲法になるより、今の方がいい」とし、改憲論者でありながらも、現在の安倍政権による改憲は危険であると警鐘を鳴らした。

 大阪府枚方市の枚方市民会館で「『改憲を巡る情勢はどうなっているか』学習会」が行われた。平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会が主催し、講師には枚方法律事務所の永嶋靖久弁護士が招かれた。永嶋氏は、憲法改正の動きを第1次安倍政権まで遡って解説、自民党の憲法改正草案と、現憲法の比較をした。

 2013年2月21日(木)、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、日本外国特派員協会主催 記者会見「安倍政権のラディカルな改憲構想について」が開かれた。

■会見者 ローレンス・レペタ氏(明治大学 法学部教授)、紙谷雅子氏(学習院大学 法学部教授)、喜田村洋一氏(自由人権協会 代表理事)

 東京都千代田区の参議院議員会館で、「STOP!9条破壊と改憲の道-憲法を守る1・28院内集会」が開かれた。アルジェリア人質事件を受け、安倍政権は、集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈見直しの動きを見せている。日本共産党の市田忠義書記局長は、2月にオバマ大統領と面会する安倍首相が、憲法解釈の見直しを表明する可能性に言及。アーミテージ第3次報告書を引き合いに出し、「日米軍事同盟の強化、9条改憲の核心はここにある」と述べた。

 「何が本音なのかということが良く分かる」。自民党の憲法改正草案について、澤藤統一郎弁護士はこのように述べた。自民党の片山さつき議員は、自らも委員として作成に関わった自民党版日本国憲法改正草案について、ツイッターに「天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的な考え方です」と書き込んでいた。インタビューでは、澤藤弁護士と梓澤和幸弁護士に、自民党の憲法改正案がはらむ問題点について、日本国憲法と対比しつつ、検証してもらった。

自民党の憲法改正案についての鼎談シリーズ(全12回)

 現行の日本国憲法と自民党憲法改正草案を対比しつつ、前文から第20条まで、各条文をひとつずつ検証していった。

 この日は、憲法20条「信教の自由」や、21条「表現の自由」などを取り上げ、現行憲法と自民党改憲案との違いを比較し、詳細な分析を行った。その中で、梓澤弁護士は、国連憲章を紹介しながら、「日本は、国際連盟から脱退して世界から孤立し、戦争の道を歩んだ満州事変の愚を繰り返すのか」と、自民党の憲法改正案を厳しく批判した。

 最近、憲法改正について定めた第96条に対する動きが目立つようになった。その真意、それにともなう各政党の対応や懸案点を語った。また、後半では、現行憲法22条から29条まで、自民党新草案との違いを比較した。

 現行憲法と自民党の改憲案を比較しながら、懸念すべき点を話し合う第4回目の鼎談は、はじめに、判決が出たばかりの一票の格差訴訟について、それぞれの所感を述べた。その後、自民党改憲案における、憲法第23条(学問の自由)、第26条(教育に関する権利と義務)について意見を交わした。

 「在特会のヘイトスピーチは侮辱罪の連打」。梓澤和幸弁護士はこう述べ、在特会によるヘイトスピーチは、法的にも罪として成立することを指摘した。今回は、自民党の憲法改正案についての鼎談第5弾と題したが、在特会のヘイトスピーチについても話題が広がった。

 拷問の禁止を定めている第36条について、自民党案は現行憲法の「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」という条文から「絶対に」という文言を削除している。梓澤弁護士は、警察による拷問で殺された作家・小林多喜二の最期を紹介しながら、「(拷問は)屈辱の中で人の命を奪う。それなのになぜ、自民党案では『絶対に』という言葉を抜くんですか!許せないですね、私は!」と目に涙を浮かべながら、自民党改憲案を激しく批判した。

 議員及び選挙人の資格について定めた第44条で、自民党の改憲草案には、その資格を「障害の有無」によって差別してはならないことが新たに盛り込まれている。澤藤弁護士は「憲法13条(人としての尊重等)と14条(法の下の平等)の精神からいえば、障害者差別があってはならないのは当然」とした上で、「現行憲法で十分に手当てができる」ことから、「このために憲法改正が必要だということにはならない」と指摘。

 梓澤弁護士は、13条や21条(表現の自由)などで、現行憲法の『公共の福祉』という言葉が自民党案では『公益及び公の秩序』と変えられていること、また自民党案が『軍』を中心に据えた体系であることを踏まえると、「44条でいくらこういうふうに(障害者の差別をしてはならないと)謳っても、人権と国の関係からいえば、結局は障害者の所にあれ(=国家からの制約)が押し寄せてくる」と自民党改憲草案全体の危険性を訴えた。

 自民党大西議員による孫崎享氏への言論封殺、橋下市長の慰安婦問題や安倍首相の侵略戦争否定発言などの歴史修正主義がはびこる現状を踏まえ、自民党改憲草案について、現行憲法と対比しながら分析を加えていった。

 自民党改憲草案64条の2では、「政党」という項目が新設され「活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない」と規定していることについて、「公正や健全は多数派の都合である。『与党に盾つく政党は健全ではない』とされてしまう懸念がある」と澤藤氏は述べた。

 慰安婦問題や日本の侵略戦争否定に関する政治家の相次ぐ発言に対して、澤藤弁護士は「日本の戦後は、侵略戦争を認めて講和条約を結んだところから始まっている。これを否定するのは国際的な背信行為で、アジア諸国のみならずアメリカも許さないだろう。」と語り、改憲問題に移った。

 この後、最高裁の暗部を梓澤弁護士が暴露。司法をも都合よく管理しようとする改憲派の思惑が明らかとなります!

 梓澤弁護士は、まず国際的な人権に対する合意として「世界人権宣言」を挙げた。これは、第二次世界大戦後、人権侵害などが戦争や虐殺につながったという反省から、1948年の国連で採択された世界共通の基準だ。「人権がないから2つの大戦が起こった。人権がなければ次の大戦がまた起こる。それが国際的な合意なんです」と梓澤弁護士は説明する。

 この後、梓澤弁護士は、改憲派が目論む地方自治改正を解説。さらに今注目される在日外国人の参政権についても話が及んだ。

 自民党改憲草案の第98条・第99条は、全文新設された条項で、「緊急事態宣言」について定めている。これは、戦争や大規模な自然災害などの影響によって社会的秩序が混乱した時に、内閣総理大臣が発することができるもの。この宣言が発せられると、政令の制定や財政の支出、地方自治体に対する指示などすべてが、内閣総理大臣の権限となり、国民は、国・その他公の機関の指示に従わなければならなくなる。

 この条項について、澤藤弁護士は、大日本帝国憲法下で宣告された「戒厳」と同種のものだと指摘。その実例として、「日比谷焼打事件(1905年)」「関東大震災(1923年)」「二・二六事件(1936年)」の3つの「戒厳」を挙げながら、「自民党は、これをもう一度やろうとしている。戦争や大災害への対応をこんな形で決めたら、何をされるか分からない。民主主義と人権の停止を、憲法が容認することになる」と懸念を示した。

 最終回の第12弾は、澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士、岩上安身の3名が、これまでの総括を行った。

 澤藤弁護士は、自民党案と1890年に施行された「大日本帝国憲法」の憲法発布勅語と比べ、「自民党案の精神と非常に似ている」と指摘し、「憲法論で天皇を論じるとき、天皇を神聖なものとしてはならない」と述べた。

超党派議連「立憲フォーラム」

 2013年4月25日(木)17時から、東京都千代田区の衆議院第二議員会館1階多目的会議室にて「超党派議連『立憲フォーラム』設立総会」が行われた。フォーラムの設立記念として、元財務大臣の藤井裕久氏(民主党顧問)と元官房長官の武村正義氏(元さきがけ代表)の2名による記念講演が行われ、自民党改憲案の問題点などが説明された。呼びかけ人の辻元清美衆議院議員は「こうした勉強会を地元大阪でも開催し、市民も参加して議論できるような形に広げていきたい」と、今後の抱負を語った。

■記念講演
 武村正義元官房長官(元さきがけ代表)
 藤井裕久元財務大臣(民主党顧問)

 2013年5月16日(木)17時30分から、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で、超党派の議員連盟、立憲フォーラムの第2回勉強会が行われた。講師に招かれた田原総一朗氏は、「安倍政権は憲法改正を、必ずやる」と断言するも、野党に争点を与えないためにも、安倍首相は、参院選が終わるまでは、改憲を話題にしない姿勢に徹するに違いない、との見方を示した。

■講師 田原総一朗氏(ジャーナリスト)

 2013年5月23日(木)17時30分から、東京都千代田区の衆議院第一議員会館で、憲法96条改正に反対する、超党派の議員連盟「立憲フォーラム」が主催する3回勉強会が開かれた。 改憲論者でありながら、自民党が掲げる憲法96条改正に反対している小林節氏は、「権力者には魔が差す可能性があることを、経験則が教えてくれている。だから、言葉のよろいを着た憲法が必要なのだ」と訴えた。

■講師 小林節氏(慶応義塾大学教授)

 「押し付け憲法だから改憲、という論を聞くが、憲法9条は日本人が作った」――。2013年6月5日、参議院議員会館で開かれた「第4回立憲フォーラム勉強会」に講師として登壇した作家・半藤一利氏はこのように話し、当時の幣原喜重郎首相が、GHQ最高司令官であるダグラス・マッカーサー氏と会談した際に、憲法9条案を進んで提案したと説明した。

■講師 半藤一利氏(作家)

 「教育がこれからのキーになる。世界各地の立憲主義の歴史を、中学・高校の授業でどれだけ教えるかが、正念場になるのではないか」。自民党の改憲案に反対し、先月立ち上がった「96条の会」の千葉眞氏は、2013年6月12日(水)、東京都千代田区の参議院議員会館で開かれた「立憲フォーラム」第5回でこのように述べ、「今の教育行政は『逆』を行こうとしている」と指摘した。

■講師
 96条の会 長谷部恭男氏(東京大学教授(憲法学))、千葉眞氏(国際基督教大教授(西欧政治思想史))
 日弁連 憲法委員会副委員長 福山洋子氏(弁護士)
 明日の自由を守る若手弁護士の会 事務局長 早田由布子氏(弁護士)
 自由人権協会(JCLU)理事 井桁大介氏(弁護士)

 「安倍総理は今月17日、訪問先のポーランドで、記者団に対し、憲法改正の発議要件を緩和する96条の改正について、『平和主義や基本的人権、国民主権に関わるものは3分の2のままに据え置くべきだという議論もある。そうしたことも含めて議論していく』と語った」。

 この報道を目にした早稲田大学法学学術院の水島朝穂教授は、安倍総理の発言を無批判に報じたことに驚いたという。水島教授は2013年6月20日に開かれた「立憲フォーラム第6回勉強会」で「この国は、他国の憲法改正の頻度、回数ばかりをあげ、まるで憲法ならなんでも変えられると思っているようだ。(議員の)3分の2の賛成をとっても、変えられない条文がある。それが改憲の限界だ」と述べ、「憲法改正の限界論」について言及した。

■内容 国防軍の創設は許されない―憲法改正の限界をめぐって
■講師 水島朝穂氏(早稲田大学法学学術院教授)

 「もうひと息で世界は一つになれるのではないか」――。

 三木氏は、過去の人類の反省を踏まえ、「国家」という欺瞞を超えたときに、ようやく戦争のない世界が拓けると主張。特に制定以降、一度も戦争に参加せず、「仲良くしよう」と世界に語りかけている日本国憲法は、「世界で一番勇気がある、勇敢な憲法だ」との見解を示した。

■講師
 ピーター・バラカン氏(音楽評論家・ラジオDJ)
 ジェームス三木氏(脚本家)、他

コメント “【特集】自民党の憲法改正草案の正体

  1. 書籍『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』と併せて見てほしい。安倍政権が目指す「美しい国」とは物言えぬ息苦しい社会である。心ある人達の声に耳を傾けよう。

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