「いい加減な政治資金報告をする人物に、憲法改正を論ずる資格はない!」 下村博文元文科大臣らの政治資金規正法違反、不起訴処分について東京検察審査会へ審査申立て後の記者会見 2018.10.31

記事公開日:2018.11.8取材地: テキスト動画
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(取材:浜本信貴 文:花山格章)

特集 憲法改正

 「政治家は不祥事が起こると『秘書が』と言って逃げ回る。しかし、秘書の責任にするような政治家がまかり通っては困るのだ。だから、検察審査会が起訴議決をして、法廷で明らかにすることを求める」

 2018年10月31日、「下村博文元文科大臣ら加計学園からのパーティー対価の政治資金規正法違反告発事件」の不起訴処分について、神戸学院大学の上脇博之教授らが東京検察審査会へ審査申立てを行った。その後の記者会見で、告発代理人の阪口徳雄弁護士は申し立て理由を上記のように説明した。

▲記者会見に参加した左から梓澤和幸弁護士、上脇博之教授、阪口徳雄弁護士、澤藤統一郎弁護士

 2017年6月、自民党の下村博文幹事長代行(当時)の後援会「博友会」が、加計学園から200万円の違法献金を受けた疑いがあると、週刊文春が報じた。下村氏は「記事は事実無根」と否定したが、すべての記録を明らかにしたわけではなく、不自然な説明に終始した。

 審査申立人代理人の澤藤統一郎弁護士は、「下村氏が反省している場合には不起訴処分もあり得ないことではないが、彼は社会的制裁も受けず、新しい安倍内閣では、改憲にもっとも重きをなす地位(自民党憲法改正推進本部長)で復活している。これは許されない。いい加減な政治資金報告をする人物に、憲法改正を論ずる資格はない」と断じた。

 上脇教授も、「下村氏は『後日説明する』と言いながら、逃げ回っている。ご自身の発言には責任を持ってほしい。自民党の役職にも就かれた現在、この問題を看過できない。公開の場で、領収書、会計帳簿、金融機関の口座、全部出せばいい」と口調を強めた。

 IWJは自民党改憲草案、中でもとりわけ「緊急事態条項」について、現実に発令されたらナチスが全権を掌握した全権委任法以上の独裁が可能となってしまうと、警告を発し続けている。

 IWJがこれまで報じてきた緊急事態条項の危険性については、特集を組んでいるので、ぜひ、以下のURLよりご覧いただきたい。

記事目次

■ハイライト

  • 会見者 上脇博之氏(神戸学院大学教授)、阪口徳雄弁護士
  • 日時 2018年10月31日(水) 14:00~
  • 場所 東京・霞が関 司法記者クラブ(東京都千代田区)

東京地検は5000万円以上でないと起訴しない!? 不祥事の責任を秘書に押し付ける政治家がまかり通っては困る!

 はじめに、告発代理人の阪口弁護士から申立ての概要の説明があった。

 「2017年7月31日、下村博文氏および秘書の兼松氏らを政治資金規正法違反で告発した。それに対して、本年8月15日に不起訴処分にしたので、東京検察審査会に審査申立てを行い、正式に受理された」

▲阪口徳雄 弁護士

 2013年、博友会主催のセミナーで、加計学園から100万円のパーティー券購入があったことが内部文書で明らかになっている。同じく2014年についても、加計学園の山中秘書室長名義で100万円のパーティー券購入があったという。20万円以上は記載義務があるので不記載罪にあたるが、これが「パーティー券の斡旋だけを行った場合」ということで、嫌疑不十分となっている。

 阪口氏は、「2019万円の収入を『980万2円』だと、嘘の報告書を出した件については、明らかに秘書は有罪。しかし、反省しているからと起訴猶予にした。東京地検特捜部の内部ルールでは、5000万円以上でないと起訴しないらしい。国民感覚からは、このルールはあってはいけない。政治家は不祥事が起こると『秘書が』と言って逃げ回る。しかし、秘書の責任にするような政治家がまかり通っては困るのだ。だから、検察審査会が起訴議決をして、法廷で明らかにすることを求めて申し立てた」と説明した。

贈収賄に発展する可能性があるから記載しなかったのでは? 裁判で真実を明らかに!

 審査申立人の上脇教授は、「今回の件は、どうも裏金が1000万円ぐらいあるのではないか。政治資金収支報告書に真実を書くのが、政治資金規正法。だから、裏金を作るような悪質なものは、公開の裁判で『誰の指示で、何のためにやったのか。実際に何に使ったのか』を明らかにすべきだ」とし、以下のように続けた。

(…会員ページにつづく)

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