安倍総理は1月24日に召集された通常国会の施政方針演説で、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認について、「対応を検討する」と表明した。第2次安倍政権発足後の国会演説で安倍総理が「集団的自衛権」の文言を明確に使用するのは初めてであり、行使容認に向けて強い意欲を示した格好だ。
日本の防衛政策や外交・安全保障政策に詳しい軍事ジャーナリストの田岡俊次氏は、タカ派色を強める安倍政権の外交姿勢について、「とんでもない。日本は中国に勝てない」と語る。米国の意図や中国の軍事力に対し、「日本の政治家や自衛隊は現実否認に陥っているのではないか」と指摘した。
- 日時 2014年2月1日(土)14:00~
- 場所 IWJ事務所(東京都港区)
安倍総理の靖国神社参拝 米国「がっかりした」
昨年の12月26日、安倍総理が靖国神社を参拝し、国際社会に大きな波紋が広がった。中国や韓国の他、ロシア、EU、ベトナム、オーストラリアなどが相次いで懸念を表明。米国も””disappointed””(失望した)という声明を発表した。
安倍総理の靖国神社参拝について、田岡氏は「中国包囲網を作るつもりが、逆に世界中から包囲されることになってしまった」と、その外交姿勢に疑問を呈する。そのうえで、米国からの声明について、「中国に対するメッセージだったのではないか」と分析した。
「『失望』という米国の声明は非常に強いもので、上司が部下に対し『がっかりした』と突き放すようなニュアンス。米国は、日本と親密だと思われると中国の機嫌を損ねるので、日本と距離を取ろうとしているのではないか」
田岡氏によれば、米国をはじめ、ロシアやASEAN諸国は、経済的な交流がある中国との関係を深めようとしている。その際、「中国と仲良くするため、右傾化している日本はダシにされてしまっているのではないか」と田岡氏は指摘した。
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