安倍政権が目指す憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の副座長を務め、行使容認に向けた報告書を作成中の北岡伸一・国際大学学長と、内閣官房副長官補として自衛隊のイラク派遣を官邸で指揮し、現在は行使容認に慎重な立場を取る柳澤協二氏が、11月12日、日本外国特派員協会で記者会見を行った。
北岡氏は、集団的自衛権を「中規模国や小規模国が協力しあって自国を守ろうというコンセプト」だと説明。「信頼出来るパートナー」(例えば米国)と集団的自衛権の行使によって関係をより密接なものにすることで、相手国に対する抑止力を発揮することができると説明した。
一方、柳澤氏は、中国の軍事力増大を背景とする安倍政権の集団的自衛権行使容認論は、米国の対中国戦略と一致していないのではないか、と指摘。現在のアメリカの対中戦略とは、経済関係の強化と東アジアにおける軍事的均衡の維持であり、日中関係の悪化はむしろアメリカにとって懸念材料であると語った。