解釈改憲により立憲主義が危機的状況を迎えている中、集団的自衛権の行使をめぐって、自公による与党協議の進捗状況ばかりが報道され続けている。そんな状況下で、解釈改憲に反対する学者らで構成される「立憲デモクラシーの会」が6月9日に記者会見し、「集団的自衛権に対する安倍首相の方針と安保法制懇報告に対する見解」を発表した。
(IWJ・原佑介)
解釈改憲により立憲主義が危機的状況を迎えている中、集団的自衛権の行使をめぐって、自公による与党協議の進捗状況ばかりが報道され続けている。そんな状況下で、解釈改憲に反対する学者らで構成される「立憲デモクラシーの会」が6月9日に記者会見し、「集団的自衛権に対する安倍首相の方針と安保法制懇報告に対する見解」を発表した。
記事目次
■ハイライト
集団的自衛権行使の必要性を説く安保法制懇報告書や安倍総理の主張に対し、立憲主義デモクラシーの会は、主に次の4点の見解を示した。
(1)安倍政権による解釈改憲の「方向性」は立憲主義の否定であり、「法の支配」から「人の支配」に逆行するものである。
(2)安倍総理の示す「集団的自衛権を必要とする事例」は机上の空論であり、むしろ他国からの攻撃の危険性を誘発し、かえって国民の生命を危険にさらすことへの考慮がない。
(3)「必要最小限度の集団的自衛権の行使」などはありえず、「必要最小限度を超える」といった理由で、他国との共同の軍事行動に参加したあとに撤退することや、米国の要請を拒否することなどは現実的に期待できない。
(4)安全保障政策の立案は、他国の受け止めを視野に入れ、日本の行動が緊張を高めることにならないよう注意する必要があり、すでに隣国との緊張が高まっている今、日本政府は対話による緊張の緩和を目指す姿勢を鮮明にすべきである。
立憲デモクラシーの会の代表の一人であり、政治学者の法政大学教授・山口二郎氏は、この日の会見で、かつて、自民党自身が憲法遵守の重要性を的確に説いていたことを紹介した。
自民党が野党時代のことだ。当時の自民党は「政治主導」を掲げて政権運営していた民主党を批判し、「政治主導の在り方検証・検討プロジェクトチーム」を立ち上げた。
同プロジェクトチームは2010年2月、「政治主導の在り方に関する緊急提言」と題した報告を自民党の機関紙である「月刊自由民主」に掲載し、「憲法は、主権者である国民が政府・国会の権限を制限するための法であるという性格をもち、その解釈が、政治的恣意によって変更されることは、国民主権の基本原則の観点から許されない」との見解を示していた。
山口氏は「我々の見解は、この自民党の見解とまったく一緒。今の自民党はご都合主義的に、まっとうな理論をかなぐり捨てている」と批判した。
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必読取材記事!「大手メディアの報道に左右されず、議論の本質を見据え続けるために」→2014/06/09 「国民主権の観点」から解釈改憲を「許さない」と主張していた野党時代の自民党の変質が明るみに http://iwj.co.jp/wj/open/archives/145810 …
解釈改憲の「方向性」は立憲主義の否定であり「法の支配」から「人の支配」に逆行する
【2014/06/09 「国民主権の観点」から解釈改憲を「許さない」と主張していた野党時代の自民党の変質が明るみに】 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/145810 …
「国民主権の観点」から解釈改憲を「許さない」と主張していた野党時代の自民党の変質が明るみに 「日本の憲法体制の議論でなく、公明党の了承をとれるかどうかという議論だけが大問題かのような事態になっている」
安倍首相の言う「集団的自衛権」のごまかしとまやかしが白日の下にさらされました。
【2014/06/09 「国民主権の観点」から解釈改憲を「許さない」と主張していた野党時代の自民党の変質が明るみに http://iwj.co.jp/wj/open/archives/145810 … 】
政・官・業・報がグルになって繰り広げる猿芝居。心ある学者たちの訴えを広げよう。
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