立憲主義に反して事実上の憲法9条改正を目指す安倍政権に対し、危機感を抱いた学者ら約50名が4月18日、「立憲デモクラシーの会」を立ち上げ、記者会見を行った。政治学者の山口二郎氏(法政大)は、「安倍政権は選挙で勝ち、国民の付託を得たから憲法改正をする、としているが、選挙で勝ちさえすれば何をやっても良いという理解が、モクラシーそのものを破壊する可能性がある」と指摘した。
(IWJ・原佑介)
立憲主義に反して事実上の憲法9条改正を目指す安倍政権に対し、危機感を抱いた学者ら約50名が4月18日、「立憲デモクラシーの会」を立ち上げ、記者会見を行った。政治学者の山口二郎氏(法政大)は、「安倍政権は選挙で勝ち、国民の付託を得たから憲法改正をする、としているが、選挙で勝ちさえすれば何をやっても良いという理解が、モクラシーそのものを破壊する可能性がある」と指摘した。
■ハイライト
「立憲デモクラシーの会」に参加しているのは、憲法学、政治学、社会学などの学者や専門家ら約50名。小林節氏、樋口陽一氏、柳澤協二氏、金子勝氏、上野千鶴子氏、島薗進氏など、著名な有識者らが名を連ねる。
法政大教授で、会の共同代表を務める山口二郎氏は、立憲デモクラシーの会について、「政治の世界においては、今の自民党政権に対する対抗勢力が見当たらない。我々は政治の世界ではなく、知的な世界で対抗勢力を立ち上げなければいけない」と位置づける。
また、「安倍政権は選挙で勝ち、『国民の付託を得たから憲法改正をする』としているが、選挙で勝ちさえすれば何をやってもいいという理解がデモクラシーそのものを破壊する可能性がある」と指摘。「立憲主義とデモクラシーのバランスを回復することが重要。『憲法に基づく政治』を回復して、政治の筋道を整える必要がある。それと同時に、安保法制懇(安倍総理の私的諮問機関)の議論で出てきているような、非現実的な空理空論を前提とした事実上の憲法9条改正論に、徹底的に反論していく必要がある」と語った。
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