安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定が7月1日に迫る中、解釈改憲に反対する憲法学者らで作る国民安保法制懇が緊急の記者会見を行い、声明を発表した。
声明では、「戦後の日本で憲法9条が果たしてきた役割を否定し、この国の形を大きく変えるものであると危惧する」とし、「このような暴挙に対して強い抗議の意思を表明し、集団的自衛権の行使を認める閣議決定の断念を強く求める」と、安倍政権の姿勢を改めて批判した。
(IWJ・平山茂樹)
安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定が7月1日に迫る中、解釈改憲に反対する憲法学者らで作る国民安保法制懇が緊急の記者会見を行い、声明を発表した。
声明では、「戦後の日本で憲法9条が果たしてきた役割を否定し、この国の形を大きく変えるものであると危惧する」とし、「このような暴挙に対して強い抗議の意思を表明し、集団的自衛権の行使を認める閣議決定の断念を強く求める」と、安倍政権の姿勢を改めて批判した。
■ハイライト
「明日、ルビコンを渡ることになる」――。”憲法の番人”として内閣法制局長官を務めた経験を持つ阪田雅裕氏は、政府がこれまでの憲法解釈を変更することを、このように表現した。
「集団的自衛権の行使を容認するには、憲法改正が必要だというのが憲法学者の一致した意見。今の9条のもとで、海外で武力行使ができるということを、解釈変更で行うことを是とする人はいない。どうしてみんなが思っていることが官邸に届かないのか、虚しいし悔しい思いがする」
阪田氏は、政府が閣議決定を予定している文案を引用し、『国家の存立を脅かし、国民の権利を根底から覆す事態』として、「我が国が武力攻撃を受けるという状況」以外が想定されていることが問題だ、と指摘する。
「どこかで砲艦を交えている米軍を助けないと日米の信頼関係が揺らぐとか、中東有事で原油がスムーズに輸入できないということが国民の権利を脅かすとか、そういう読み方をするとすれば、限定ということにならず、政府が判断すれば何でもやれるということになってしまう」
東京外国語大学教授で、国連職員としてアフガニスタンをはじめとする紛争地域での武装解除にあたった経験を持つ伊勢崎賢治氏は、軍法を持たない現在の自衛隊は、「現場で使えないし、使ってはいけない部隊だ」と指摘し、強い口調でこう続けた。
「これまでの自衛隊は、日の丸のバッジをつけることで、平和主義の国だということをアピールしてきた。なぜ、彼らにこんな苦しい思いをさせなければいけないのか。だから自衛隊に自殺者が出るんだ。憲法を改正するという国民的な議論を経ないまま自衛隊を海外に出すなど、成熟した国がやることではない。絶対にやってはいけない。今の総理に、自衛隊の最高責任者を名乗る資格はない」
他にも、この日の会見に出席していないメンバーとして、元外務省情報局長の孫崎享氏、名古屋大学教授の愛敬浩二氏らのコメントが読み上げられた。
■実況ツイート
当日衆議院第二議員会館前を通って官邸前方面に向かう阪田氏と伊勢崎氏を見た。