【第356号】岩上安身のIWJ特報!自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学・長谷部恭男教授インタビュー (その1) 2018.1.28

記事公開日:2018.1.28 テキスト独自
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(岩上安身)


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 2017年の衆院選で改憲勢力に3分の2議席を与えてしまった「ツケ」が、ついに回ってくる――2018年は大きな時代の曲がり角となりそうだ。

 安倍総理は4日の年頭記者会見で「戌年の今年こそ憲法のあるべき姿をしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的な議論をいっそう深めていく。自民党総裁として、そのような1年にしたい」と意気込んだ。年内の改憲発議を示唆した発言であることは間違いなく、この「号令」を受け、自民党内も動きを慌ただしくしている。

 自民党の憲法改正推進本部は1月31日に全体会合を開催し、いまだに意見集約ができていない「緊急事態条項」について議論する予定だ。「緊急事態条項」は戦争や震災などといった有事に総理大臣や内閣に権力を集中させるもので、大手メディアはほとんどその危険性を指摘しないが、自民党が改憲草案を発表した2012年以降、IWJはこの条項が憲法を一時停止して国民の人権すら制限する「独裁条項」であり、これこそが自民党改憲草案の「本丸」であると強く警鐘を鳴らし、一貫して徹底的に批判し続けてきた。

 その結果かはわからないが、今回、憲法改正推進本部は国民の批判を避けるため、「人権の制限」規定は見送り、緊急時における国会議員の「任期の延長」規定を柱とする方針に傾いているという。当初の強度の独裁条項構想からややマイルド路線に切り替えたように思えるが、油断はできない。見方を変えれば、緊急事態条項は絶対に諦めないという意志表示だとも言えるからだ。

 そもそも、自民党改憲草案の98条、99条に記されている緊急事態条項は、そのほとんどが内閣の権限強化と人権制限に関わる規定であり、議員の任期延長規定は99条のラスト4項目に、とってつけたように置かれているに過ぎない。自民党の考える緊急事態条項の主眼はあくまで憲法秩序の停止にある。これは明白な客観的事実だ。

 また、本当に任期延長規定だけに絞るのであれば、緊急事態条項という呼称も改めればいいはずだ。いまだに「緊急事態条項」という文脈にこだわるのは、二度、三度の憲法改正を経て、フルスペックの緊急事態条項を創設しようとしているからではないか。

 「自民党の緊急事態条項は、手っ取り早く言えば『戦前の国家総動員法を起動させるスイッチを、憲法の中に入れよう』という話だ」――。

 こう指摘するのは、憲法学の第一人者である長谷部恭男・早稲田大教授だ。昨年8月に『ナチスの「手口」と緊急事態条項』を上梓した長谷部氏に、岩上安身が9月25日、単独インタビューを実施。自民党の悲願である緊急事態条項が、戦前の「国家総動員法」に酷似しているだけでなく、ドイツのアドルフ・ヒトラー総統が「大統領緊急権」と「全権委任法」を用いて権力を掌握した「ナチスの手口」そのものであることが浮き彫りとなった。

長谷部恭男・早稲田大教授(画像URL:http://bit.ly/2EcTwYd

記事目次

  • 安倍総理は北朝鮮のミサイルを「緊急事態」と煽りながら本日国会解散!自民党選挙公約には「緊急事態条項」も!?

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安倍総理は北朝鮮のミサイルを「緊急事態」と煽りながら本日国会解散!自民党選挙公約には「緊急事態条項」も!?

岩上「皆さん、こんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。本日は9月25日。夕刻、安倍総理が緊急記者会見を開いて、衆議院の解散について正式に発表するということになっています。臨時国会を開き、そして、冒頭に解散宣言するという見込みだそうです。

 森友・加計学園、あるいはミサイル危機の問題。国会で論じなければならないことはたくさんあるはずですけれども、そういう中、政治的空白を作ってまで解散を強行する。そして総選挙の公約の中に、『9条の加憲及び緊急事態条項を入れる』(※1)と言っています。メディアも大きく扱っていないですけれども、この大変危険な条項が、選挙にかけられるということになっています。『まさかこんなタイミングで』という感じです。

 本日は、『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(長谷部恭男、石田勇治著、集英社新書、2017年)という、IWJでもお馴染みのナチ・ヒトラー研究の第一人者、石田勇治東大教授(※2)とともに対談本を上梓されました、憲法学の第一人者、早稲田大学教授・長谷部恭男先生にお越しいただいてお話をうかがいます。長谷部先生、よろしくお願いいたします」

長谷部「よろしくお願いいたします」

『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(長谷部恭男、石田勇治著、集英社新書、2017年)【購入URL】http://amzn.to/2nbXLfp

岩上「こうして、単独のインタビューをさせていただくのは2度目(※3)ですけれども、本当に、なんというタイミングでしょう」

長谷部「たまたま、こういう日に当たってしまいました」

岩上「よくあるんですよ、こういうことが。このご著書も大変いいタイミングで出たと思いますけれども、まさか、緊急事態条項をかけての解散総選挙を正式に発表する機に、このインタビューになるとは、ちょっと驚きました。

 マスコミは9条の話は取り上げますが、緊急事態条項については本当に語らないんですね。まあ、もちろん『全然取り上げていない』とは言いませんけれども、これだけ重大な問題なのに、あまりにも関心が薄い、伝え方が少ないと感じるんです。まあ、この本を全国民が読んでくれれば、それを補って余りあるのですが。『なかなか読めない。難しい。わからない』という人もいると思うので、今日はここに書かれている内容のダイジェストといいますか、『難しい』と言う人にもわかるようにお話しいただけたらありがたいと思っています」

長谷部「はい、わかりました」

岩上「長谷部先生は、東大をご卒業されて、東大の大学院法学政治学研究科でずっと教授を務めてこられて、現在は、早稲田大学法学学術院教授、東大名誉教授。そして立憲デモクラシーの会(※4)の呼びかけ人でもあります。

 先生のお話に入る前に、今日の状況を説明します。冒頭で申し上げましたように、本日、安倍総理が衆議院解散総選挙の会見を開きます。投開票日は10月22日になるのではないかといわれています。北朝鮮がミサイルを発射して、『緊急事態だ。緊急事態に備えよ』と安倍総理自身が危機を煽っている中、こういう政治的空白を生むというのは、どうも釈然としません。ひと言いただけませんか?」

立憲デモクラシーの会で記者会見する長谷部恭男氏(左)と山口二郎・法政大教授(画像URL:http://bit.ly/2ncfSlg

長谷部「まあ、安倍総理のいろいろな発言は『よくあること』という見方をする人もいるかもしれませんが、表向きにおっしゃっていることと、実際にやっていることに、どうもちぐはぐなところがあるんじゃないかと思います。その1つの例なのかもしれないですね」

岩上「この状態を見ていると、本当の危機ではないから、呑気に政治的空白を作れるのではないかと思います。『北朝鮮のミサイルが上空を通過した時に、日本の半分、東日本全域にJアラート(※5)を鳴らすなんて騒ぎすぎだ』との見方もできますし、逆に、『ミサイル危機は本当の危機で、もしかするとアメリカが軍事行動を取るかもしれない』(※6)という中、日本もそれに追随する準備を猛烈なスピードで整えている(※7)けれども、平然とこういうことができる。そういう意味では、ものすごく『国民の安全保障という点に関して、無頓着で無神経な人だ』と、両方の解釈ができると思うんですけれどもね」

長谷部「表向きに言っていることと、本心で考えていることとがどこまで一致しているのか、どうもよくわからないですね。しかし、北朝鮮に対する原油の全面禁輸(※8)は、非常に重大な問題を投げかけていると思っています。日本の過去の歴史を考えてみればわかるのですが、1941年8月1日、アメリカが日本に対する石油の輸出を全面禁止しました(※9)。それがいったい何をもたらしたかということですよね。

 実は、それまではアメリカとの戦争に対して消極的であった海軍も、『このままでは石油がなくなってしまう。戦争する力自体がなくなってしまう。戦えるうちに戦争をしたらどうか』と、戦争の方向に日本を追い込むことになったわけです。まあ、『制裁をすればいいんだ。それが厳しければ厳しいほどいいんだ』ということになっています」

岩上「『異次元』とまで言っていますよね(※10)」

長谷部「私は、そういったことが相手からどういう行動を引き起こすことになるのか、もう少し配慮が必要じゃないのかという気がしていますけれども」

岩上「『対話は必要ない。圧力あるのみだ』と言ったら、もう事実上の宣戦布告のようなものです。しかも相手国が核ミサイルを持っている。広島型の17倍の威力の核実験、水爆実験にも成功(※11)し、ICBM(※12)こそ実験段階かもしれませんが、日本を標的にするノドンなどはとっくの昔に実戦配備して、他国にも輸出して実戦でも用いられているわけですね(※13)。だからいつでも撃ち込めるような状態にある。一方、防衛大臣が、先制攻撃の『敵基地攻撃論』を口にしている(※14)。かつ、この選挙で、緊急事態条項を入れる。全部セットにつなげて考えてみると、とても恐い気がします」

北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)(画像URL:http://bit.ly/2nd00z0

長谷部「北朝鮮がなぜミサイルの発射実験や核実験をしているかというと、詰まるところは、現在の政治体制、国体を守るということが第一義で、結局は米国と直接交渉するしかないと考えて、手段としてこういうことをしているわけです。長い目で見た時に、現在の北朝鮮の政治体制を存続させるのか存続させないのか、という判断ですね。これはまずアメリカがすることですけれども、その判断をそろそろしないといけないわけです。『存続させる』ということなら、結局は話し合いをせざるを得ないと思います」

岩上「そうですね。そして自民党は、党内手続きもかなり強引に進めた上で、選挙公約に『改憲』を入れる方針で、憲法9条への自衛隊明記、緊急事態条項、教育無償化、参議院選挙区の合区を提案している。穏当・無難な項目と抱き合わせにして、報道ではこれが前面にくる。こちらは話題になるでしょうから。教育の無償化などは聞こえがいいですしね。『参議院選挙区の合区。ああ、そういうのも大事なことかもね』という感じです。そして、こそっと、その谷間に隠すように緊急事態条項が入ってくる感じがするのですが(笑)。やはり最も問題なのは、これではないかという気がするんですね」

長谷部「まあ、どの項目にしても、話は全く詰まっていないと思いますけれども、緊急事態条項は特にそうです。詰まらないまま、具体的に何を考えているのか、どうもよくわからない。非常に漠然とした形で、論点だけが出てきている。これでは有権者は、『これについてどう考えるのか』と言われても、なかなか明確な答は出しにくいだろうと思いますね」

岩上「意図的に成案を隠しているとなれば、われわれ国民としては、これまで5年あまりにわたって掲げられてきた、自民党改憲草案(※15)をベースに考えていくということにならざるを得ないと思うし、それがわれわれの備えではないかと思うんですけれども」

長谷部「最悪どうなるのかということについて、しっかり覚悟は持っておいたほうがいいでしょうし、そうなる可能性は否定できないわけですから、十分考えておく必要があると思います」

岩上「自民党改憲草案よりさらに最悪のものが出てきたら、驚きますけれどもね(笑)」

長谷部「あとでお話しすることになるとは思うんですけれども、自民党の改憲草案に出てくる緊急事態条項(※16)は、手っ取り早く申しますと、『戦前の国家総動員法を起動させるスイッチを、憲法の中に入れよう』という話なんですね。それほど大変な話ですから、やはりこれは、よくよく考えないといけないということだと思います」


※1)2017年10月解散総選挙、自民の選挙公約:森友学園・加計学園問題が連日報じられ、臨時国会でのさらなる追及が必至とみられるなか、9月28日、安倍首相は臨時国会冒頭で衆議院を解散。10月10日公示・22日投開票となった衆院選での公約に自民党は憲法改正を盛り込み、その内容として「自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消」の4項目を掲げたが、ことさら改憲を要さない教育無償化や参院合区問題(人口の少ない県からの選出参院議員がゼロとなる事態)を掲げるのは改憲に向けて国民の同意をとりつけるための策略とみられる。
 9条2項を残したうえでの「加憲」による自衛隊明記案も、9条2項を削除する2012年の改憲草案に比べ、より国民の同意をとりつけやすいものとなっている。
 自民党の真のねらいは人権停止を恒久化する緊急事態条項の導入にあることをけっして見誤ってはならない。
参照:
・自民党政権公約2017【URL】http://bit.ly/2CurpFL
【衆院選2017・緊急事態条項】自民党の選挙公約にある「緊急事態対応」は「ナチスの手口」だ!〜社民党・福島みずほ参院議員「基本的人権の制約がアウシュビッツにいたった」 2017.10.19

※2)石田勇治・東京大学教授:石田氏は1957年生まれの日本の歴史学者。ドイツ近代史を専門とし、特にジェノサイド問題に関して造詣が深い。東京大学教養学部専任講師、同助教授、ポツダム現代史研究センター客員研究員、ベルリン工科大学反ユダヤ主義研究所客員研究員、ハレ大学客員教授などを歴任、現在東京大学大学院総合文化研究科教授を務める。
 近著『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社新書、2015年)ではナチスの誕生から独裁の確立、そこで行われた数々の人権蹂躙、そして崩壊までの経緯を詳細かつ明快に提示、まさに「ナチスの手口」を云々する改憲勢力が跋扈するこんにちの日本社会に一石を投じた。
 IWJにもご登場いただき、「ナチスの手口」を改めて解説していただくとともに、自民党改憲草案における数々の危険性を指摘していただいている。あわせてぜひご視聴いただきたい。
参照:
参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(前編) 2016.7.1
参院3分の2議席で日本でも現実に! 安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か? 絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証! ~ 岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー(後編) 2016.7.1

※3)長谷部氏インタビュー2回目:IWJ岩上安身による長谷部氏への最初のインタビューは、2015年6月26日に行われた。同年6月4日の衆議院憲法審査会に参考人として招致され、政府が提出した安全保障関連法案は違憲であるとの判断を述べた長谷部氏は、このインタビューで、集団的自衛権行使が明白な憲法9条違反であることをあらためて解説するとともに、集団的自衛権の構想が安全保障の観点からも「愚の骨頂」であるとの見解を語っている。
参照:
「日本が立憲主義を否定しようとしたら、米国は黙っていない」自民党推薦で安保法制を「違憲」と断じた「時の人」長谷部恭男早稲田大学教授が岩上安身のインタビューで警告! 2015.6.26

※4)立憲デモクラシーの会:2014年4月18日、約50名の憲法学者、政治学者、それに人文・社会・自然系諸分野にまたがる学者らによって設立。共同代表の一人である山口二郎・法政大教授(政治学)は、設立記者会見で、選挙での多数議席獲得を全権委任とはきちがえた第2次安倍政権の政治手法は立憲主義の原則を踏みにじるものであり、こうした暴走に歯止めをかける政治勢力が見当たらない現状にあって学者がその役割を果たさねばならないと、設立の趣旨を述べた。
 同会は以後、共謀罪反対をはじめとする数次の声明と記者会見、シンポジウム、現在まで計20回にわたる「立憲デモクラシー講座」の開催など、旺盛な活動を続けている。IWJは会の活動を随時伝え、「講座」(第1回〜第12回)の動画配信を担ってきた。未見の方はぜひアーカイブでご視聴いただきたい。
参照:
立憲デモクラシーの会設立「知的な世界で対抗勢力を立ち上げなければいけない」 2014.4.18
立憲デモクラシー講座 第12回 岡野八代・同志社大学大学院教授(政治学)「女性と政治と憲法と」 2016.6.10 ほか

※5)Jアラート(全国瞬時警報システム):津波、地震等の自然災害やミサイル飛来といった緊急情報を、通信衛星や防災無線、有線放送電話、メール等を介して住民に速やかに伝達するシステム。
 住民に早期の避難や予防措置などを促し被害を軽減することを目的として、総務省消防庁が2004年度から開発・整備を進めてきた。最近問題になっている北朝鮮のミサイル発射に際しても発動。2017年8月29日の発射に際しては、北・東日本の12道県に発動された。
 ところが、情報伝達トラブルや誤作動が相次いだことに加え、そもそも発動からミサイルの日本上空通過まで僅か数分間という短時間で一体どれほどの避難行動が取れるというのか、と住民からは困惑や呆れ声が上がった。警報音に驚き交通事故を起こしたドライバーもおり、徒らに国民の恐怖心を煽るこのシステムの存在意義そのものに疑問が投げかけられている。
参照:
・総務省消防庁「Jアラートの概要」【URL】http://bit.ly/2vo9OfS
・Wikipedia「全国瞬時警報システム」【URL】http://bit.ly/2yKJBGV
・毎日新聞「北朝鮮ミサイル 日本通過 北海道・襟裳岬東1180キロ落下 12道県にJアラート 事前通告なし」2017年8月29日【URL】http://bit.ly/2y1gjBu
・朝日新聞DIGITAL「北朝鮮ミサイルの飛距離、過去最長 グアム到達距離」2017年9月15日【URL】http://bit.ly/2yN9ac8
・毎日新聞「北朝鮮ミサイル Jアラート、7道県16市町村でトラブル」2017年8月29日【URL】http://bit.ly/2yIgEwR
・Infoseek NEWS「各地で混乱も Jアラート鳴ったらどうすれば?」2017年9月2日【URL】http://bit.ly/2ixzX67

※6)北ミサイル アメリカ軍事行動の可能性:アメリカは北朝鮮の核兵器開発や挑発的脅迫に対して「予防戦争」も辞さないと示唆してきたが、2017年9月3日に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載可能な水素爆弾実験を成功させたと発表するや、マティス米国防長官はこれに「巨大な軍事行動」で対応すると警告。9月15日の中距離弾道ミサイル「火星12型」の発射直後には、トランプ大統領自身が国連演説(19日)の中で「アメリカと同盟国を守らざるをえない場合、北朝鮮を完全に壊滅するほか選択肢はなくなる」と述べ、開戦が近いのではないかと取り沙汰されるようになった。
 実際アメリカは、日本海にいた米艦に北朝鮮を標的とした巡航ミサイル「トマホーク」発射の準備命令を出していたほか、10月16日には韓国と朝鮮半島の周辺海域で共同軍事訓練を開始。21日には北朝鮮に対し、米軍の先制攻撃などの軍事作戦が実行される可能性を真摯に受け止めるよう警告を発するとともに、韓国軍との共同訓練に参加していた原子力空母「ロナルド・レーガン」を韓国南部の釜山(プサン)の海軍基地に入港させている。
 そうしたうえで、トランプ大統領はFOXテレビのインタビューにおいて「われわれはあらゆる準備ができている。われわれがどれだけ万全に準備ができているか知ったら、きっと驚くだろう」と述べ、軍事的な選択肢も排除しない姿勢を改めて強調している。
参照:
・BBC NEWS JAPAN「米国防長官、北朝鮮に「巨大な軍事行動」を警告」2017年9月4日【URL】http://bbc.in/2eAS21R
・ロイター「トランプ大統領、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演説で」2017年9月20日【URL】http://bit.ly/2f8CrmL
・日本経済新聞「米、北朝鮮標的にトマホーク発射の準備命令 9月、弾道ミサイル発射を受け」2017年10月19日【URL】http://s.nikkei.com/2h3LDtT
・毎日新聞「米韓海軍 北朝鮮の対抗策警戒 合同訓練を開始」2017年10月16日【URL】http://bit.ly/2y1GPeh
・産経Biz「「韓国から個人資産の移動勧める」トランプ政権高官が警告 北朝鮮に先制攻撃の可能性」2017年10月22日【URL】http://bit.ly/2gAZPOc
・共同通信47NEWS「米空母、韓国釜山に入港 日韓と訓練、北朝鮮けん制」2017年10月21日【URL】http://bit.ly/2h3MuL7
・CNN「トランプ米大統領、対北朝鮮で「あらゆる準備できている」」2017年10月3分の2日【URL】http://bit.ly/2hZ9bjp

※7)日本、 アメリカに追従して対北朝鮮軍備強化:核実験や弾道ミサイル発射の予告・実行を繰り返す北朝鮮に対し、日本はアメリカと一体となった軍備強化を急速に推し進めている。
 2017年8月9日に北朝鮮がグアム島周辺に向けた中距離弾道ミサイル「火星12」4発の同時発射を計画していることが明らかになった際は、アメリカがグアムに配備したB1爆撃機による先制攻撃の準備を整えたことに合わせ、日本も地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」を、ミサイル上空通過予定の陸上自衛隊出雲駐屯地(島根)・海田市駐屯地(広島)、松山駐屯地(愛媛)・高知駐屯地(高知)に配備することを決定。
 以来、航空自衛隊が米軍B1 爆撃機との共同訓練を繰り返し行っているほか、地上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をはじめ、高性能の軍事装備をアメリカから大量に購入する方針であることが明らかになった。
 また9月12日、小野寺防衛相が記者会見し、防衛省が平成30年度予算に新たな2種類のミサイル開発費用として177億円を計上していることが判明。その後も海上自衛隊の補給艦による米軍イージス艦への燃料提供(9月14日)、地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」部隊の北海道函館市の自衛隊駐屯地への配備(9月19日)、海上自衛隊による米軍空母との沖縄近海での共同訓練および航空自衛隊による米韓戦闘機との夜間飛行訓練実施(10月11日)など、アメリカ軍との連携を強調する態度を示し続けている。
参照:
・時事ドットコム「ミサイル、日本上空通過も=グアム沖に4発発射検討-中旬までに計画と威嚇・北朝鮮」2017年8月10日【URL】http://bit.ly/2zzeZHB
・ハフポスト「グアムのB1爆撃機、北朝鮮攻撃の準備完了 米軍幹部らがNBCに明かす」2017年8月10日【URL】http://bit.ly/2wz9Iin
・毎日新聞「防衛省 PAC3配備へ 北朝鮮ミサイル落下に備え」2017年8月11日【URL】http://bit.ly/2yEiIqp
・毎日新聞「日米共同訓練 九州周辺空域で」2017年8月31日【URL】http://bit.ly/2y0xJDi
・産経ニュース「空自F15戦闘機と米B1爆撃機が共同訓練」2017年9月9日【URL】http://bit.ly/2zLSvnl
・産経ニュース「防衛省、地上配備型イージス導入へ 対ステルス機レーダー試作に196億円 平成30年度概算要求」2017年8月17日【URL】http://bit.ly/2vKvYpi
・ハフポスト「トランプ大統領「日本・韓国の武器の購入を認める」北朝鮮をけん制か」2017年9月6日【URL】http://bit.ly/2eM03Ru
・防衛省・自衛隊「防衛大臣記者会見概要 平成29年9月12日」【URL】http://bit.ly/2yEriW2
・毎日新聞「安保法新任務 2例目 海自が給油、米軍との一体運用加速」2017年9月15日【URL】http://bit.ly/2lbc9Gf
・毎日新聞「防衛相「函館駐屯地にPAC3配備」…部隊が到着」 2017年9月19日【URL】http://bit.ly/2gEcq3a
・ロイター「米空母と海自艦、沖縄周辺で共同訓練」2017年10月11日【URL】http://bit.ly/2zzBJaq
・毎日新聞「米軍 B1爆撃機、日韓と共同訓練 北朝鮮けん制、夜間初」 2017年10月11日【URL】http://bit.ly/2h2wLfd

※8)北朝鮮への経済制裁(石油禁輸):2017年9月3日の北朝鮮による核実験を受け、トランプ大統領は9月4日、自身のツイッターでこれを激しく非難するとともに、「米国は他の選択肢に加えて北朝鮮と商取引をしているすべての国との貿易停止を検討している」と発言。ムニューシン米財務長官はさらに踏み込み、北朝鮮との「すべての貿易やビジネス」を停止させる新たな経済制裁を策定中だと明らかにした。
 さらに9月7日、国連の安全保障理事会においてアメリカは、北朝鮮への石油・天然ガスの輸出の全面的禁止や金正恩・朝鮮労働党委員長の資産の凍結、北朝鮮労働者の雇用や北朝鮮企業との合弁事業の禁止などを盛り込んだ新たな制裁決議を提案。12日の安全保障理事会で北朝鮮への原油の禁輸は盛り込まれなかったものの、石油精製品の調達など新たな規制を設けた制裁決議が全会一致で採択された。
 しかしアメリカはこれに満足せず、北朝鮮に対する一層の圧力強化を主張。10月17日にはEUが、北朝鮮に対する原油の輸出や北朝鮮労働者に対する労働許可の更新禁止などを盛り込んだ独自の追加制裁を科すことで合意している。
参照:
・朝日新聞DIGITAL「トランプ氏「北朝鮮とビジネスする国、貿易停止を検討」」2017年9月4日【URL】http://bit.ly/2y2OFEp
・東京新聞「北朝鮮制裁案に原油禁輸 米提示、中ロの反発必至」2017年9月7日【URL】http://bit.ly/2gGo1Pd
・毎日新聞「安保理 北朝鮮制裁決議、全会一致で採択 石油に上限」2017年9月12日【URL】http://bit.ly/2ivLB1t
・日本経済新聞「対北朝鮮、EUが独自追加制裁 対ミャンマーも強化」2017年9月17日【URL】http://s.nikkei.com/2i1b92O

※9)1941年8月1日、アメリカが日本に対する石油の輸出を全面禁止:資源も乏しいながら侵略戦争に突き進む日本をさらなる苦境に陥らせ、対米戦争開戦に踏み切らせる原因となった、アメリカによる対日経済制裁。
 アメリカは「孤立主義」の原則に基づき、満州事変後も表面上は日本に対する協調姿勢を維持してきたが、1937年7月に盧溝橋事件が起こるとアメリカ国内で対日経済制裁論が台頭、ルーズベルト大統領も「隔離演説」(1937年10月5日、シカゴにて)によって「疫病=無法国家の隔離」を国内外に訴える。
 近衛内閣が「東亜新秩序」声明を発する(1938年11月・12月)と日本への非難はさらに高まり、1939年7月、コーデル・ハル国務長官が「日本の中国侵略に抗議する」として日米通商航海条約の破棄を通告。翌年1月の同条約の失効と同時に、屑鉄や航空機用燃料などの輸出に制限を加えたため、戦争遂行のための物資の多くをアメリカからの輸入に頼っていた日本はたちまち苦境に陥った。
 日本は仏領インドシナ進駐、オランダ領東インドとの資源買付交渉、三井物産など民間商社による油田・鉱山の獲得交渉など、資源の確保に奔走するが、そうした試みはアメリカの圧力によってことごとく頓挫させられたうえ、対日資産の凍結や石油輸出の全面禁止といった新たな制裁を加えられる羽目になったのである。
 41年夏には日本国内の石油備蓄量は1年半分というところまで落ち込み、もはや早期開戦によって事態打開を図るしかないとの強硬論が、陸軍を中心に優勢となった。それでも9月の御前会議では、戦争の準備を進めつつアメリカに経済制裁の解除を求める交渉を行うことを決定し、11月に甲案・乙案と呼ばれる妥協案をアメリカに提示したが、アメリカは中国大陸からの日本軍の撤退や日独伊三国軍事同盟の破棄などを制裁解除の条件とした「ハル・ノート」をもって回答。愚かにも日本政府はこの時、中国大陸への侵略をやめて撤兵することを選ばず、対米交渉はもはや不可能と判断し、対米戦争の火蓋を切って落とす。
参照:Wikipedia「ABCD包囲網」【URL】http://bit.ly/2CBGBxo

※10)「異次元の圧力」:安倍首相が2017年9月7日、訪問中のロシア極東・ウラジオストクにて、韓国の文在寅大統領との会談の中で述べた言葉。核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」とし、制裁強化など同国に対する「抑止力、対処力向上に資するものとなる」日韓の緊密な連携を訴えたくだりに飛び出した。
 「異次元の」圧力とは全くもって意味不明であり、ネットでもその意味するところについて話題になったが、結局のところ、アベノミクスの第一の矢として掲げた「異次元の金融緩和」のキャッチフレーズを踏まえて、「これまでなされたこともない程の」程度の意味合いと思われる。
参照:産経ニュース「【日韓首脳会談・要旨】安倍晋三首相「北朝鮮に異次元の圧力が必要」 文在寅大統領「制裁と圧力を最大限に加える」」2017年9月8日【URL】http://bit.ly/2i6DhkN

※11)北朝鮮 水爆実験成功:北朝鮮の国営テレビ「朝鮮中央テレビ」は、2017年9月3日午後3時半、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載のため、水爆実験に完全成功した」と発表。じっさい同日午後0時29分、北朝鮮東部を震源としてマグニチュード6前後の人工地震と思われる揺れが観測されたといい、日本政府をはじめ各国は北朝鮮が核実験を実施したと断定した。
 地震の規模から推定出力は70キロトン、次いで160キロトンと試算されたが、12日には米ジョンズ・ホプキンス大学の研究グループ「38ノース」が、広島の原爆(約15〜16キロトン)の17倍近くとなる約250キロトンに上るとの試算結果を発表。
 北朝鮮はこれまで6度にわたる核実験(2006年10月、09年5月、13年2月、16年1月および9月、そして今回)の過程で核製造技術を飛躍的に向上させており、しかもアメリカ本土に届くICBMに搭載可能な小型核兵器が完成間近とみられることから、アメリカを中心に各国が危機感を強め制裁に乗り出している。
参照:
・朝日新聞DIGITAL「北朝鮮、6度目の核実験 人工地震とみられる揺れ観測」2017年9月3日【URL】http://bit.ly/2liyWA8
・同「北朝鮮ミサイル発射に関するトピックス『北朝鮮のミサイル発射と核実験の主な動き』」【URL】http://bit.ly/2z8W5uR

※12)ICBM:ICBM(Intercontinental ballistic missile=大陸間弾道ミサイル)とは弾道ミサイルのうち射程距離が5500km以上のものを指し、核弾頭等を搭載して大洋をも隔てたはるか遠方の目標を攻撃するための運搬手段である。通常8000〜1万kmという長い距離を飛行するため、複数のロケットエンジンで推進力を得ながらいったん地表から100kmの上空へ飛翔。ロケットの燃料によって、次いで弾頭のみが慣性によって、さらなる高高度(最高度1500~3000km)へと上昇したのち地上に向けて落下を始め、大気圏に再突入し目標地点に向かう。
 北朝鮮はこのICBMの開発に力を入れ実験を繰り返しており、90年代末にはすでに日本を越えることに成功しているほか、今年に入って立て続けに行った発射実験では格段に飛距離を伸ばしており、実戦配備も間近とみられる。
 一方アメリカはこれを迎撃するシステムの開発を進めているが、落下地点を正確に把握できないことやミサイルの落下速度が音速の数倍にも上ること、よしんば迎撃に成功しても無数の破片が高速で広範囲に落下するなど、 ICBMの被害を防ぐことは事実上不可能であると言われる。
参照:
・ハフポスト「ICBMとは 北朝鮮が発射して注目されるミサイルについて解説する」2017年7月4日【URL】http://bit.ly/2hiDGRU
・朝日新聞DIGITAL「北朝鮮、核・ICBM配備目標か ミサイル発射継続」2017年9月16日【URL】 http://bit.ly/2xt8Cor
・IWJ「「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」――先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!? 岩上安身が元外務省国際情報局長・孫崎享氏に訊く! 2017.8.12」【URL】 http://bit.ly/2y9ZtFw

※13)日本を射程内に収めるノドン等はとっくに実戦配備済み:「ノドン」とは、北朝鮮が1970年代後半にエジプトから入手した旧ソ連製短距離弾道ミサイル「スカッドB」の技術をもとに80年代から開発を進めてきた、射程1000km超の中距離弾道ミサイル。
 すでにイラン・イラク戦争時(1986年)にイランへ輸出・実戦配備がなされていたといい(IWJでの岩上安身によるインタビューにおける孫崎享氏談)、2010年に公開された「改良型ノドン」は射程を1600kmまでに伸ばし、すでに2016年4月の時点で韓国全土および日本のほぼ全域を射程に収めていると指摘されている(国際戦略研究所(IISS))。700〜1000発に及ぶ弾道ミサイル保有数の45%がこの「ノドン」とされ(IHSジェーン)、移動式発射台も最大50両と見積もられている(アメリカ国防総省)。
 近年は中距離ミサイル「ムスダン」(推定射程2500〜4000km)の開発も進められており、アメリカ領グアムに届くのみならず、韓国全土や日本への攻撃にも使用できるとされる。政府はこうしたミサイル飛来に対処する態勢を整えるというが、自民党関係者によれば、日本はこれを確実に迎撃できる手段も技術も持っていないのが実情だという。
参照:
・BBC News Japan「【解説】北朝鮮のミサイル開発計画 歴史と現状」2017年3月13日【URL】http://bbc.in/2nniknH
・東洋経済ONLINE「ロイター 日本は北朝鮮の最新ミサイルを迎撃できない 望みはアメリカの抑止力」2016年10月4日【URL】 http://bit.ly/2zT8sbv
(再掲)「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」――先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!? 岩上安身が元外務省国際情報局長・孫崎享氏に訊く! 2017.8.12

※14)防衛相 敵基地への先制攻撃に言及:2017年8月3日に防衛大臣に就任した小野寺五典氏のこと。氏は自民党の「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」座長を務めていた2017年3月29日、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射への対処策として「撃ってくる策源地(基地)に反撃して無力化することが大変重要」とし、敵基地を攻撃する能力の保有を政府に提言。併せて高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)や陸上配備型イージスシステム(イージス・アショア)等の最新装備の導入も求めた。
 「反撃」とはいうものの事実上は「先制攻撃」を意味し、それは実際、その後の「発射前にミサイルを無力化することが最も確実なミサイル防衛」という発言(2017年5月17日、日本記者クラブでの講演)や『専守防衛から先制攻撃へ』というタイトルの鼎談(『WiLL』2017年8月号)に明確に表れている。
 防衛大臣就任の翌日には、敵のミサイル発射拠点を破壊する「敵基地攻撃能力」の保有を検討する考えを改めて提示。自衛隊が現在保有するミサイル防衛システム(イージス護衛艦から発射する艦対空ミサイル「SM3」で迎撃し、討ち漏らした場合は地上配備の地対空ミサイル「PAC3」で対処するというもの)の無力性を踏まえての、「やられる前にやる」作戦と思われるが、それは敵国(この場合は北朝鮮)の残存核戦力による自暴自棄的な核攻撃を呼び込むことになる。
 実際、小野寺防衛相の発言は、北朝鮮から「日本列島を瞬時に焦土化できる」と警告する声明を引き出す(2017年8月9日)など、かえって北朝鮮の敵意を掻き立てる事態となった。2017年12月5日には政府が射程900キロ超の長距離巡航ミサイル(米国製「JASSM-ER」など)の導入に向けて検討に入ったと発表。離島防衛の強化を理由にしているが、性能的には敵基地を攻撃することも可能な装備であり、憲法9条および「専守防衛」の理念に反するおそれがある。
参照:
・朝日新聞DIGITAL「敵ミサイル基地への攻撃能力、自民が保有検討を提言」2017年3月29日【URL】http://bit.ly/2zO29Fc
・毎日新聞「講演で小野寺元防衛相「防衛難易度高く」」2017年5月17日【URL】 http://bit.ly/2yUOXPU
・Yahoo! ニュース「【月刊『WiLL』(8月号)より】専守防衛から先制攻撃へ」【URL】http://bit.ly/2yR5eHQ
・東京新聞「「敵基地攻撃能力」保有を防衛相検討」2017年8月5日【URL】http://bit.ly/2iJ2WE7
・現代ismedia「対北朝鮮「ミサイル防衛」も「敵基地攻撃」も驚くほど非現実的である」2017年4月5日【URL】 http://bit.ly/2iIAaU5
・ハフポスト「北朝鮮が警告「日本列島を焦土化、太平洋に沈没」 小野寺防衛相を名指しで非難」2017年8月9日【URL】 http://bit.ly/2iGqWYI
・日刊工業新聞「長距離巡航ミサイル「JASSM-ER」の導入検討―政府」2017年12月6日【URL】 http://bit.ly/2j0B3ba

※15)自民党改憲草案:自民党は2012年4月27日、「日本国憲法改正草案」を発表。同党は2005年11月の立党50年記念党大会においても独自の改憲案(「新憲法草案」)を発表していた。
 その内容には、自衛軍の保持、国民の諸「責務」、政教分離の緩和、軍事裁判所の設置など、現行憲法の平和精神を無に帰しかねない要素がすでに多く含まれていながらも、そのうたい文句が「穏やかな改憲案」であったのとは対照的に、2012年の改憲草案は「戦後レジームからの脱却」や「日本国民自らの手で作った真の自主憲法」のスローガンを掲げ、現行憲法全体に大々的な変更を加えるものであった。
 なかでも、天皇の元首化(第1条)、国防軍設置(第9条の2)、緊急権条項(第98条、第99条)、政教分離の緩和(第20条)、表現規制の強化(第21条)、中央集権化(第92条~)等の新設条項は、併せて条文化された「国民の義務」なるもの(国防義務(前文)、国旗・国歌尊重義務(第3条)、領土・資源確保義務(第9条の3)、公益および公の秩序服従義務(第12条)、家族助け合い義務(第24条)、環境保全義務(第25条の2)、地方自治負担分任義務(第92条第2項)、緊急事態指示服従義務(第99条第3項)など)とともに、国家権力体制の維持のために国民の基本的人権を大幅に制限した戦前・戦中を彷彿させ、「復古主義的」「戦前回帰」との批判を呼び起こしている。
参照:
・自民党HP「コラム 「憲法改正草案」を発表」【URL】http://bit.ly/1lw9ASM
・社民党第53回常任幹事会「自民党日本国憲法改正草案 全文批判(案)」【URL】http://bit.ly/1hOli0J

※16)緊急事態条項:立憲主義国家において、戦争や大災害といった国家の存立を脅かす事態に際し、政府が憲法秩序を一時停止して秩序の回復を図ろうとする権能を「国家緊急権」という。この「国家緊急権」を規定した「緊急事態条項」が、自民党の「日本国憲法改正草案」(2012年4月27日発表)において、「第9章 緊急事態(第98条・第99条)」として新たに設けられている。
 それによれば、「内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる」(第98条第1項)。また、そうして緊急事態の宣言が発せられたときは、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行」(第99条第1項)うことができるとされる。
 一方、全ての国民は「当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」(第99条第3項)。要するに、内閣に絶大な権限を与え、人権保護規定を停止するといった「超法規的措置」を取ることを可能にする危険な条項なのであり、各方面から批判が巻き起こっている。条文は次の通り。
 「第98条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。」
「第99条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特定を設けることができる。」
参照:
・Wikipedia「国家緊急権」【URL】http://bit.ly/1NAJRGC
・日本国憲法改正草案(全文)自民党憲法改正推進本部【URL】http://bit.ly/2aeSE8Z
・自民党「日本国憲法改正草案 Q&A 増補版」【URL】http://bit.ly/1Prexwd

その2へ続く)

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